子どもにとっては魔法使い?!絵本作家、木村祐一とは
木村祐一は1948年東京都生まれの絵本作家です。これまでに500冊以上の作品を発表しており、作家になる前は、造形教育の指導や幼児教育番組のブレーンとして幼児教育に携わっていました。それらの職歴を経て、得た知識や技術は絵本製作にしっかりと反映されています。
特に「あかちゃんのあそびえほん」シリーズは累計900万部のベストセラーとなりました。他にも多くの作品が海外翻訳されて出版されるなど、多くの人気作品を発表しています。
単純な仕掛け絵本でも、対象年齢によって楽しめる工夫をしている作品を発表し続ける木村祐一の代表作、シリーズをご紹介します。
不朽の名作絵本!木村祐一の代表作
- 著者
- ["木村 裕一", "あべ 弘士"]
- 出版日
- 1994-10-20
多くのメディアに取り上げられた『あらしのよるに』は実はシリーズで描かれた作品です。今回は代表作ともいえる第1作目をご紹介します。
ある嵐の夜、雨風をしのぐために2匹の動物が空き小屋に忍び込みました。その2匹はヤギとオオカミ。暗闇でお互いの姿が確認できず、風邪を引いてしまい嗅覚で相手が何者か分からず、互いの正体が分かるか分からないかスレスレの会話を展開していきます。
このお話の醍醐味は2匹の会話です。実はすれ違っているのに、それぞれがメインの情報を言わないため、お互いを同じ種族と勘違いしたまま友情が育まれていきます。滑稽なようですが、2匹の純粋な友情に読者はどんどん引き込まれていくでしょう。
そして途中で現れるアクシデントにハラハラします。「もしここでどちらかが気づいていたら?」と第3者目線で焦りを覚えてしまうでしょう。それほどこの作品の世界にのめり込んでしまうのです。
日常にもあるすれ違いをこんなにものめり込める展開で描けるのは、多くの幼児教育に携わってきた木村祐一ならではでしょう。それも「友情」という難しいテーマで、ここまで解釈の幅を広げられるような作品を描いたのはあっぱれと言わざるをえません!
実は第1作のこの作品では2匹がその後どうなったか、描かれていません。最後に2匹がどうなったのか、どうなっていくのかを考えることができるのです。シリーズ全てを読む前にここで踏みとどまって、その後を想像してみるのも良いかもしれませんね。
本で楽しむことを教える絵本
- 著者
- 木村 裕一
- 出版日
『みんなみんなみーつけた』は切込式のしかけ絵本です。小さな子どもが楽しめるように、ほのぼのとした可愛らしいイラストで展開されています。
本作では、主人公のライオンが一緒にかくれんぼをして遊んでいる仲間たちをどんどん見つけていきます。かくれんぼで隠れている動物たちは果たしてどこに隠れているのか……小さな子どもと一緒に楽しみたい一冊です。
柔らかいタッチのイラストで描かれているので、小さな子どもでも安心して楽しく読み進めることができます。また、かくれんぼという身近な遊びを題材にしているので、子どもたちの共感も呼べる作品です。文字数も少ないのでしかけを楽しむという意味で赤ちゃんからでも楽しめるのではないでしょうか。
もちろん動物たちはすぐに見つかってしまうイラストではあるのですが、仕掛けのページをめくる楽しさがあります。何度も読んでしまいたくなる絵本なので、仕掛けはどんどんボロボロになっていってしまうでしょう。それでも本を楽しむ子どもの様子を見たくて、何度も直してあげたくなります。赤ちゃんから楽しめる絵本なので、ぜひ読んでみてください!