ドキドキって楽しい!
『それからどうなるの?』はドキドキな仕掛けがいっぱいの、楽しい絵本です。
ミルクのおつかいを頼まれたムーミンは森の中を超えて無事お家に帰れるでしょうか?めくるたびに仕掛けの穴があって、次のお話の一部がこっそり覗けるようになっています。
森の木の向こうに見えるお家の煙突は……実は!缶のなかに閉じ込められているのは猫ではなく……実は!
- 著者
- トーベ・ヤンソン
- 出版日
- 1991-05-10
めくる前に見えているものと、めくったあとに見えるもののギャップが楽しい驚きに満ちていて、読む方も聞いている方も、どちらも楽しめる一冊です。
また、作者が画家ならではのお楽しみもあります。
「げんきをとりもどしたフィリヨンカ、えはあなたが書いてね 作者より」(『それからどうなるの?』より引用)
なんてワクワクするページがついているのです。
さてさて、ずっと牛乳を抱えて、やっとのことで自宅にたどりついたムーミン。大切に持ち帰った牛乳を待っていたがっかりエピソードとは一体なんだったのでしょうか?その時のママの反応は?
ビン牛乳世代、特に牛乳が苦手だった読者とっては、懐かしい笑いを誘うエピソードかもしれません。
ご家庭ではお子さんと、学校では子供たちと、「さ~て それから どうなるの?」とコミュニケーションを取りながら楽しむことができるので、読み聞かせにもピッタリのオススメ本です。
怖がりさんが強くやさしくなるために
『さびしがりやのクニット』は怖がりでひとりぼっちだったクニットが、夜が怖いといって自分の家を飛び出し、各地を放浪しながら、強く優しく成長していくお話です。
小さなトロールのクニットはとても怖がりで、誰も慰めてくれる人がいません。夜が怖くて家を飛び出してしまいます。賑やかな通りでも、心地よい笛の音色が聞こえる草原でも、お祭り会場でも、様子を伺うだけです。人見知りが激しく、人が多いほど孤独に感じやすいタイプの読者には、クニットのことを他人事とは思えないでしょう。
- 著者
- トーベ・ヤンソン
- 出版日
- 1991-06-19
「しんぱいしなくてもいいのよ、と なやんでいるクニットに、だれかおしえてあげるといいのに」
「かくれていては、ともだちになれないでしょう、といってあげる人はいないのでしょうか」
「クニットを げんきづけるひとは いったい どこにいるのでしょう?」
(『さびしがりやのクニット』より引用)
と、天の声なのか、クニット自身の心の声なのか、クニットが勇気をもって自分だけの恐怖の世界から一歩踏み出していけるように、とナレーションは各ページごと優しく語りかけます。
そんなクニットは恐怖から逃れるために歩き続け、ついには浜辺にたどり着きます。大きな巻き貝を見つけたり、きれいな石を集めたりしているうちに、クニットは初めて「ゆったりする」ことを知るのです。母なる海、癒しの海……なのにまだ悲しいのはなぜなのでしょうか?「ここは いいことずくめなのに」とクニットははじめて自問します。
そんな時、浜辺に打ち寄せられた瓶の中に手紙を見つけるのです。その手紙を読んだクニットは、自分よりもっと孤独で怖がっている誰かがいることを知って、勇気が湧いてくるのを感じます。
強くやさしくなるために、クニットはどうすることを決意したのでしょうか?クニットがとった当たり前でシンプルな行動の中に、その答えと深い洞察があります。人との関係づくりに一歩を踏み出すのが苦手な読者にとっては背中を押されているようなお話かもしれません。
クニットがどうやって恐怖を乗り越えることが出来たのか、是非このお話を手にとって確かめてみてくださいね。
どんな感情だってOK!
『ムーミン谷の名言集』は、個性的なムーミン谷の住人たちのつぶやきが素敵なイラストとともに集められています。
各章のタイトルは
●人生って川のようだ
●自分の中のもうひとりの自分
●自由ってのは独立してること
(『ムーミン谷の名言集』より引用)
など、とても哲学的です。
- 著者
- トーベ・ヤンソン
- 出版日
- 1998-09-18
「きっと読者のみなさまはこの引用文たちを読んでいると、身につまされたり、吹き出したり、ムカムカしたり、それとも反論してみたくなったり、するのではないでしょうか。」(『ムーミン谷の名言集』より引用)
と冒頭でトーベ・ヤンソンが述べているように、読み進めていくといろいろな感情が自分の中から湧き上がってきます。
●自分の中のもうひとりの自分
「この子、怒ることもできないのよ……それがこの子の悪いところだわね」
に、ついつい他人の目を気にして自分を抑えてばかりの読者は、なるほど一理あるかも!と唸らせられるかもしれません。
●家族にもたまには風を通さなくっちゃ
「親戚同士なのにどうしてあんなに憎み合うのでしょう」「ほんとにご先祖様なら……気をつけて対応しないと、誤解されて怒らせてしまったりしたら大変です」
といった悩みに、こういった悩みは日本だけではないのだなあと発見して驚く一方で
「ご先祖様をもっているなんて、ムーミンは、急に誇らしい気持ちがしてきました」
に家族を思う気持ちも同じなんだなとほっとしたりするでしょう。
人生にちょっと迷っている時には、どうぞ『ムーミン谷の名言集』手に取ってみてください。
どんなことを感じてもいい、それが自分なのです。トーベ・ヤンソンのお墨付きもあります。プッと吹き出しながら、なるほどと唸りながら、時には涙が頬を伝わることもあるかもしれません。全ての自分の感情を受け入れて許せるようになること間違いなしです。