"天使"を求める世界の、静かで情熱的な恋物語
次は、中村一「覚醒遺伝子」シリーズ。全3巻です。
「眠り病」が蔓延する現代。それは、突然眠りについたあとは決して目覚めず、骨組織の変形により死に至るという恐ろしい奇病でした。
「眠り病」から奇跡的に目覚めた少女と少年の出会いを発端として、その病の背景となっている人類の古代種への謎、その古代種に関する実験を繰り返す謎の組織とそれに翻弄されながらも生きようとする人々の姿が描かれています。
- 著者
- 中村 一
- 出版日
- 2010-05-10
世界観の美しさがイラストの透明感とぴったりはまった作品です。
舞台は、有翼人種が存在していた古代。SF設定を淡々と綴る物語の空気感が、そのままイラストに表れています。1巻の主人公は夢で少女と出会いますが、まさに現実離れした美しい時間がイラストの中に閉じ込められています。
2巻では、1巻とはまた別の少年少女によって病と遺伝子の謎が浮かび上がり、さらに3巻では謎の機関によって作られた有翼人種の少女をヒロインとして、世界の謎が明かされていくという、壮大なSF作品です。どの少年も一見クールですが、少女を救い共に生きるために懸命にあがく姿は魅力的です。
疾走するライトノベルにちょっと疲れてしまった貴方、是非ゆっくりと繊細な魅力を味わってみてはいかがでしょうか?
おバカな中二病妹に振り回される兄の受難
次は、あわむら赤光「あるいは現在進行形の黒歴史」シリーズ。
主人公・英二は、おバカな妹に振り回される日々を送っています。「殺戮の天使」「絶対少女黙示録」といった奇妙な単語が羅列された設定ノートを徹夜で執筆する、いわゆる中二病をこじらせた妹。大好きな兄にノートの熟読を迫ってくるのです。
一見冷たくあしらいながらも相手をしていたある日、彼女の妄想ノートのキャラクター達が現実に出現!
妹に加えて珍妙な美少女キャラクターにも愛のつっこみをせざるを得なくなった主人公の受難の日々を描くラブコメディです。
- 著者
- あわむら 赤光
- 出版日
- 2010-08-15
これはライトノベル好きにも多いであろう中二病患者が共感するあるある小説……ではありません!
ヒロインの妹は突き抜けた中二病かつおバカですので、「ここまで!?」と突き抜けた面白さがあります。怒涛のボケ&ツッコミで、「中二病って?」という方でも会話のテンポにニヤニヤが止まりません。
そしてイラスト……ある意味で、これは読者の夢の実現。なぜなら魅力的な登場人物の多くが、“ヒロインが妄想した最高に萌えるキャラクター!”という設定で出てくるからです。
ヒロインが「マリスたん、ハアハア」と悶える勢いそのままに作り出したキャラクター(青髪の死神でまるで機械のようにクールだが、ふと見せる表情が切ない)が魅力的でない筈がありません。「巨乳!」「水着!」と夢のイラストが怒涛の展開、refeiaの描く胸やらちょっとはみ出たお尻やらが惜しげもなくキラキラと描かれていきます。
脇で主人公の父・母もいい味出していて、日常に帰って来られるところがまたほっこりした魅力です。
可愛いのと綺麗なの、どっちも好き!三角関係x魔法バトル
そして最後に、こちらもあわむら赤光「聖剣使いの禁呪詠唱」シリーズです。コミカライズ、アニメ化と大人気作品になりました。
今日は、高校の入学式。主人公・諸葉は退屈な訓示に居眠り中……かと思いきや、ふと目を覚ました数センチ先には美少女の顔が!不真面目な態度を叱りつけるクラスメイトと、同じく居眠りをして泰然自若とした少女との出会いの日なのでした。
遠い昔に英雄として活躍した人間の生まれ変わりのみを集めたこの学園は、現代に蔓延る怪物を倒すことのできる存在を育成します。2つの前世を記憶する主人公が、前世で大切にしていた女性2人と出会い、愛と戦いの日々が始まったのです。
- 著者
- あわむら 赤光
- 出版日
- 2012-11-14
2つの英雄としての前世を持つだけあって、最強+最強の主人公が学園トップの力を持って敵を倒していく、という王道バトルファンタジーです。
メインヒロインはアホで元気な妹キャラと知的で巨乳な黒髪参謀キャラで、どっちも選べない!という魅力にあふれたキャラクター造形です。次々出てくる女生徒達が可愛らしいのはもちろん、怪物の造形が格好よすぎます!竜型や獣型、特にカラー絵は美しく、物語への想像が止まりません。
妹ヒロインと黒髪ヒロインは、それぞれが主人公の前世で最愛の人だった、妹と伴侶。英雄であった主人公たちは過去でもともに戦いに明け暮れる日々でしたが、兄と妹の禁断の感情が芽生えたり、世界からは恐れられる冥府の王の唯一の存在として愛し合ったりと、切なく悲しい過去も絡んできます。
アツいバトルあり、ファンタジーあり、三角関係ありと、最高のエンターテインメントはいかがですか?