心の海から宝物を探す「深海カフェ 海底二万哩」シリーズ
高校生の来栖倫太郎は、ある日訪れた水族館の展示通路で謎の扉と遭遇します。好奇心にかられて扉を開けてみると、そこは海底二万里という潜水艦のようなカフェでした。そこには、倫太郎が小学生の時に兄のように慕い、突然失踪してしまった大空と似た容姿の人物がいます。
海底二万里は、宝物を失くした人が訪れるカフェなのでした。倫太郎はその常連になり、店主である深海に巻き込まれる形でカフェに訪れる悩める人々の宝物を一緒に探すことになります。実は、倫太郎自身も心に抱えているものがあり、人々の宝物を探しながら自身とも向き合っていくのです。
- 著者
- 蒼月 海里
- 出版日
- 2016-01-23
突然いなくなった大空と、彼にそっくりな深海は関係があるのか。カフェに訪れる人々の宝物探しとは別の、大きな謎も気になりますよね。
著者が、心が少しでもあたたかくなればという想いを込めたというように、読んでいて心地の良い物語です。モチーフとなった作品もあるようで、その作品も思い描きながら読み進めても面白いかもしれません。
また、水族館の中にあるカフェであるため、所々に深海生物に関するうんちくも絡められています。本作を読んだ後で水族館に行けば、今までとはまた違った見方で楽しむことができるでしょう。
蒼月海里が描く個性的な登場人物たちが織りなすコメディ「地底アパート」シリーズ
ネットゲームばかりして生活する大学生・葛城一葉。妹の二葉に自立を促され、家を追い出されます。そんな経緯で一人暮らしを始めることとなった一葉の新しい居住地は、二葉が手配した賃貸アパートでした。しかし、賃貸アパートの住所に行ったもののそこにあったのは、平屋建ての雑貨店。一葉の部屋は、地下2階に用意されていたのです。
大家は自称悪魔と名乗る怪しい人物。隣人は、イケメンアンドロイドと女装男子。そして、アパートは、人の業によってどんどん地下に深くなっていく異次元地底アパートでした。個性あふれるアパートを舞台に個性あふれるキャラクターたちが繰り広げるコメディストーリーです。
- 著者
- 蒼月 海里
- 出版日
- 2016-07-05
他の蒼月海里作品とは異なり、コメディ色の強い作品に仕上がっています。
主人公であるネトゲ依存症気味の一葉の個性が際立っていますが、他のアパートの住民たちのキャラクターも負けていないほど強烈です。そのため、キャラクター同士の掛け合いに軽快さと面白さがいい具合に反映されているのではないでしょうか。
自称悪魔の大家が作る「アンモナイトパン」は一度食べてみたくなるかもしれません。他にも大家にまつわる謎も登場し、作品にアクセントを与えています。
不思議な地下のアパートで繰り広げられるドタバタコメディをぜひお楽しみください。
これを機会に、蒼月海里の作り出す不思議な世界に飛び込んでみませんか。気軽に楽しむことができるのもおすすめポイントです。シリーズ作品が多いですが、気になったものから手に取ってみてください。