円地文子は戦前から劇作家として活躍していました。のちに小説家に転身しますが、その古典的な教養の深さから歌舞伎の脚本を執筆や、『源氏物語』の完訳を成し遂げるなど活躍の幅は多岐に渡ります。

物語は主人公の倫が夫の妾を探すという、現代の我々からすると驚くようなシーンから始まります。
- 著者
- 円地 文子
- 出版日
- 1961-04-18
主人公は小さな頃から祖母が語る古今の創話を寝物語にしていました。祖母がほがらかに話す江戸末期のエログロナンセンスの物語の数々は知らず知らずのうちに彼女の心をじわじわと支配していきました。それは時おり、色々な形で現れる自身への破壊的衝動に繋がるように思われ、切なさを覚えます。左翼的な思想に影響をうけたり、家を出るため好きになれない人と結婚したり、2度の病魔に襲われたり……。
- 著者
- 円地 文子
- 出版日
- 2009-10-09
男性への冷たさや諦め、封建的な家庭への批評的精神、女性としての自分への傍観……教養深い円地文子らしからぬタイトルに、最初は首をかしげましたが、読み進めるうちにその秀逸さに膝をうちました。この題しかないような、現実のひもじさに胸を打たれることでしょう。
- 著者
- 円地 文子
- 出版日
- 1997-01-10
円地は、この作品を執筆している間にも弱視になってしまったりと困難がありましたが、約10年の歳月を費やしついに完訳を成し遂げました。中世の天才女性作家が生涯をかけた作品を現代の天才女性作家が受け継いだ大作です。
- 著者
- 紫式部
- 出版日
- 2008-08-28
能や歌舞伎、『源氏物語』から近松門左衛門など広い時代やジャンルを縦横無尽にかけめぐる2人は知的でユーモラスです。少女のころから慣れ親しんだ古典の世界を、その類稀なる表現力や文書で後の世まで伝えた業績は、皆が知るところでしょう。2人の魅力を再確認できるだけでなく、その背景にある物語などを実際に自分でも学んで見たくなること請け合いです。
- 著者
- ["円地 文子", "白洲 正子"]
- 出版日
- 2013-11-28
円地文子の文章は美しく整然としていて、どこか悲しさを覚えます。
それは彼女自身が抱えていた病気などの辛さや悲しみ、小さなころから慣れ親しんだ退廃美によるものなのかもしれません。また、作品に描かれている女としての苦悩は、私たちも共感できるものが多いと思います。そんな円地文子の世界を、味わってみてはいかがでしょうか。