お父さんに読み聞かせてもらいたいベッドサイドストーリー
ねすみの父さんには、7匹の子どもねずみがいます。眠れない子どもたちに、1人1話ずつ、おはなしをしてあげるのが『とうさんおはなしして』のストーリーです。ねがいごとのいど/くもとこども/のっぽくんちびくん/ねずみとかぜ/だいりょこう/ズボンつり/おふろ、という合計7編のベッドサイドストーリーが収録されています。
ねずみの父さんのおはなしは、少しだけブラックユーモアを配合したユニークなストーリー。子どもたちには、大人気のジャンルです。楽しいイラストが、毎ページごとに描かれているので、子どもが一人で読んでも、もちろん楽しめる作品。
普段は忙しいお父さんの、週末だけの読み聞かせにするなど、父と子のスペシャルな1冊にすると、より楽しい時が過ごせると思います。
- 著者
- アーノルド・ローベル
- 出版日
- 1973-03-31
子ども時代を思い返すと、寝る前に本を読んでもらうのは、幸せな時間でした。面白いおはなしを聴きたいのは、もちろんですが、温かい布団に入り、心も体も安心している状態で、家族とのふれ合いの時間を持てることが、嬉しいですよね。
寝る前に、子どもにおはなしをせがまれたら、何を話そう?と悩むこともあると思います。そんな時のために、アーノルド・ローベルのような、物語のプロフェッショナルが存在するのです。
ローベルのおはなしは、日常生活の何気ない幸せや喜びを物語にしています。ものすごい冒険や出来事が起こらなくても、お花や木々に、こんにちは!と挨拶するだけで、子どもたちにとっては、立派なファンタジー物語です。7つのストーリーのいくつかを暗記しておいて、自分の子どもを主人公にしたアレンジ版を語って聞かせても、喜ぶと思います。
絵画のように素敵な絵に芸術的センスが開花する、アーノルド・ローベルの絵本
絵本『いろいろへんないろのはじまり』を読むと、作者アーノルド・ローベルは、シンプルな事柄を、ユーモアを交えて詩的に表現することに長けた天才なんだな、と感じるはず。ユニークな物語を創作してきたストーリーテラーとしての才能と、ほのぼのとした魅力的な絵の素晴らしさを、両方ぎゅっと詰め込んだ絵本。
絵本とはこういうものだ!と、断言しても構わないほど、絵本としての魅力にあふれた一冊です。
世界に黒と白の色しかなかった時代を人々は、灰色のときと呼んでいました。灰色だけの世界では、天気が良いのか悪いのかさえ分からず、人々は困ってしまいます。そんな時、魔法使いが、色を作ってみようとします。
- 著者
- アーノルド・ローベル
- 出版日
- 1975-03-20
魔法使いが色を作るというストーリーに、アーノルド・ローベルのセンスの良さを感じます。実際に、絵の具で色を作る行為は、確かにマジックのようでもあり、魔法で色を作るという感覚も、納得というもの。
ある時、魔法使いが、青を作り出し、世界は、青色一色の世界になります。はじめは喜んだ人々も、青い色だけの単色の世界に、だんだん憂鬱になっていき、不安感を抱き始めます。次に、魔法使いが、黄色を作り、黄色一色の世界になると、眩しくて頭が痛くなり、赤色一色の世界になると、人々は、怒りっぽくなってしまうのです。色が感情に与える影響については、色彩心理学の分野で研究されており、否定できない現象です。そんな、色と感情が結びつくという不思議な感覚を、実感できる作品でもあります。
最後に、魔法使いは、色を混ぜて、いろいろな色を作ります。全部の色を的確に塗り、リンゴは赤く、草の葉は緑という世界が出来上がります。カラフルな色が存在する世界を描いた絵の美しさに、子どもも、大人も驚くはず。そして気がつくのです。その、驚くべき美しさを持つ世界とは……今、私たちが住む、この世界そのものだということに!
アーノルド・ローベルが描いた20の寓話。人間社会で生き抜くための教訓とは?
1980年に出版された『ローベルおじさんのどうぶつものがたり』は、アーノルド・ローベルの集大成とも言うべき作品。見開きの片側にイラスト、もう一方に文章というスタイルで、20編の動物の物語が描かれています。
fables(寓話)という原作のタイトルの通り、恋のダチョウ、ラクダのバレリーナ、年よりのかわいそうな犬など、イソップ物語のような教訓を含んだ寓話が、1ページごとに展開されていきます。
まず、この絵本のスタイルが素晴らしい!1ページずつめくるごとに、どんな物語が待っているのだろう?とワクワクします。ずらりと並んだ物語のラインナップは、アーノルド・ローベルの機知に飛んだ発想で考えられたものばかり。小さな子ども達には、少し難しい物語もありますが、100%理解できなかったとしても、面白い絵を見るだけでも、十分な価値があるでしょう。アーノルド・ローベルは、この作品で、コルデット賞を受賞しています。
- 著者
- アーノルド・ローベル
- 出版日
- 1981-05-24
どの物語も3分ほどで読み終えてしまうので、20話もあるのか!と、気おくれしなくても大丈夫です。子どもと一緒に読む時は、全部一度に読まなくても、1編ずつ読み進めても楽しいと思います。
大人が読むときには、16話目のペリカンとツルのような辛辣な教訓のストーリーで、シニカルな風刺の面白さを堪能できるはず。
さらに、4話目のエビとカニのように、読後に勇気を与えてくれるような1編もあるので、自分にピッタリの物語を探し、愛読書として手元に置いておくと、人生の心強い味方になってくれる一冊です。