【2歳】 ぞうくんの背中は乗り心地抜群!見晴らしも最高!水場まで連れてって!
水遊びが大好きな動物である、ぞう、かば、わに、かめが登場。
丸みを持たせた動物の体に淡い色使いで、何だかホッとします。わにくんも歯が丸く描かれているためか、全く怖そうなイメージはありません。みんな仲のよい友達なのがわかります。
ぞうくんはみんなを散歩に誘いますが、「ぞうくんの背中に乗せてくれるな いいよ」と歩きたがりません。みんなちょっとズボラですね。でも、ぞうくんはみんなと一緒がいいのか、快諾し、みんなを次々に背中に乗せて、散歩を続けます。
みんなから「ぞうくんは力持ちだね」と言われて悪い気はしないぞうくん。みんなの「楽ちん楽ちん」という心の声が聞こえて来そうです。
でもさすがに重くなってきて……おっとっとっと……。
「うわーっ」
「どっぼーん」
(『ぞうくんのさんぽ』より引用)
池に落ちてしまいます。
でもそこが池だったことで、水遊びが大好きなみんなはさらにご機嫌になって、結局、散歩も水遊びも両方楽しむことができるのでした。
- 著者
- ["なかの ひろたか", "なかの まさたか"]
- 出版日
- 2006-05-20
歩けるようになって、家の近所を散歩。これは今まで抱っこやベビーカーで通っていた場所と同じであっても、子供にとってはまるで違う世界に来たような感じでしょう。
自分の足で、なおかつ、自分のペースで歩く。目線も全然違いますし、わざわざ段差のあるところに行ったり、興味のある所に寄り道したりと、毎日同じルートを歩いても、決して毎日同じではありません。
さらに散歩の途中でお友達に会ったらどうでしょう。ぞうくんのようにご機嫌に「一緒に行こう」と友達を散歩に誘いたくなることもあるはず。それに友達に褒められたら、調子にのって、無理なことも引き受けちゃうかも。
ぞうくんがみんなを背中に乗せて、重そうに「のっしのっし」と歩いていてつまずくシーンは、スローモーションで再生しているかのようで面白い!一番下のぞうくんがつまずくとどうなってしまうのか、子供でもわかりやすい描写です。一番上だったかめくんが一番遠くに飛ばされてしまいました。
池に落っこちた場面では、一瞬、みんな何が起こったかわからなくなっているかのように固まってしまいます。一時停止されたかのような絵になっていて、これまた面白いです!
次のコマではもうみんなご機嫌。一瞬びっくりしたけど、散歩も水遊びも出来て良かったね。
【3歳】突撃、隣の動物一家の晩ごはん!ちょっとのぞかせてくださいな。
色々な動物の家族が仲良く食卓を囲んでいる様子をコミカルに描いた絵本。
まず、それぞれの家の外観から、住んでいる動物を推測することから始めます。動物の特徴をデフォルメした家が笑いを誘います。表札代わりに動物の顔の旗が各家についているので、住んでいる動物を当てることは難しくないでしょう。
それぞれの家の中をのぞかせてもらうと、あらあら、みなさんお食事中。何を食べているのか、注目!ぞうさんは「りんごとバナナ」、きりんさんは「野菜サンド」といったように、実際の動物が大好物な食べものが並んでいるようです。
食卓を囲んでいる家族の人数にも注目!ねずみさん一家は全部で何匹いるのでしょう?こんなに大勢のお腹を充たすためには、それはもう、ながーいながーいパンが必要でしょうね。
多田ヒロシのねずみさんシリーズとしては他に「ねずみさんのくらべっこ」「ねずみさんのおかいもの」があります。
- 著者
- 多田 ヒロシ
- 出版日
ページをめくる度に出てくる「家族揃って笑顔で食卓を囲むシーン」が、「幸せの象徴」のように思えます。動物の種類を変えつつも、この光景が何度も出てくることで、説得力も感じます。
家族がみんな揃って笑顔で向かい合っていること、大好物が沢山テーブルに並んでいること。どちらかが欠けていたら、幸せとは言えない気がします。
ねずみさんは、ながいパンを持って家路を急いでいます。家族がお腹をすかせて待っているからでしょう。ようやく着いたお家で、ながいパンを大勢の家族と分け合って食べる。ねずみさんが親として頑張っている姿を見て、自分も頑張らなくっちゃ、とパワーがわいてきます。
さてさて、ねこさんのお家だけ、家の外観だけの紹介しかされていません。ねこさん一家の食卓には何が並んでいると想像しますか?ねずみさんが、ねこさんの家の前を猛スピードで走って逃げたことがヒントですよ!ねずみさんはこれからも、ねこさんの家の前だけは猛スピードで走って通り過ぎることでしょう。
今日、家族揃って食事をとれましたか?共働きが増え、また、子供が大きくなるにつれて帰宅時間がバラバラで、家族全員揃っての食事が難しくなっています。朝食だけでも、休日の食事だけでも、家族揃って笑顔で食卓を囲み、幸せを実感したいものです。
【3歳】そらまめくんのベッドは、みんなが安心できる場所!
「そらまめくんのベッド」は、実際のそら豆で言えば、そら豆のさやのことです。そら豆の裏表面には真っ白なワタがついていて、そら豆を寒さや乾燥から優しく守っているそうです。
このお話で「そらまめくんのベッド」は、まさに「みんなを優しく守ってくれる存在」そのもの。
ある日、そらまめくんのベッドがなくなってしまいます。やっと見つけた時には、ベッドの上にうずらがどっしりと乗っかって、たまごをあたためていました。この時ばかりは自分の宝物を少しだけ貸してあげることにし、見張っていると……。
「やった! たまごが かえったぞ。ぼくの ふわふわ ベッドで ひよこが うまれたー!」
(『そらまめくんのベッド』より引用)
ベッドが戻ってきたお祝いのパーティーを友達がしてくれます。その後、そらまめくんは宝物を友達に貸してあげるのです。
この絵本の作者の中屋美和は、人気シリーズ「くれよんのくろくん」の作者としても知られており、「そらまめくん」シリーズは他に「そらまめくんのおうち」「そらまめくんとめだかのこ」「そらまめくんとながいまめ」「そらまめくんのぼくのいちにち」などがあります。
- 著者
- なかや みわ
- 出版日
- 1999-09-30
自分の宝物を他の人に貸してあげることは出来ますか?宝物が壊されてしまわないか心配なので、大人も子供も、自分だけのものとして独占したいと思うのは当然のことです。
では、自分の子供の宝物を、子供の友達が貸して欲しいと言った時、子供にはどのように伝えますか?幼稚園や保育園にあるみんなのおもちゃであれば、「みんなのおもちゃだから順番ね。次はお友達に貸してあげてね」ということができるでしょうが、自分の子供のものだった場合、どうしますか?
これは難しい問題です。子供は友達に貸してあげるべきなのか、大切な宝物だから貸せないよと断るべきなのか。
そらまめくんは、最初は宝物を貸しませんでした。貸さなかったことで友達から「僕らにベッドを貸してくれなかったばつさ」と陰口を言われました。
でも、ベッドがなくなって困っているそらまめくんに、陰口を言った友達の方が先に「自分達のベッドを貸してあげる」と申し出ます。ただ、その時は自分のベッドがなくなったショックと友達のベッドは自分に合わないので、やっぱりあのベッドでなくっちゃダメだと思い、そらまめくんは友達の優しさに気がつくことはできませんでした。
それが、そらまめくんのベッドが見つかって戻ってきた時に、友達がこれまで心配してくれていたこと、ベッドが見つかって良かったと友達がパーティーを開いてくれたことで、そらまめくんの気持ちが変わります。
もちろん、うずらのひよこが自分のベッドで生まれるという感動的なシーンを見たこと、すなわち、ベッドがある意味違う使われ方をしたのを見て、一段と「僕のベッドはすごい」と得意になったのも影響しました。
他の人に僕の宝物を貸してあげたら、僕の宝物の良さに気づいたみんながもっともっと喜んでくれて、僕も嬉しくなるんじゃないか、と思ったに違いありません。
この絵本を読んで、宝物を貸せるか貸せないかの前に、子供には、子供自身の気持ちと友達の気持ち、まずはそれぞれの立場の気持ちを理解させたいな、と思いました。