2016年に公開された有村架純主演の映画『夏美のホタル』をはじめ、多くの温かな物語を紡いできた森沢明夫。彼が鮮やかに描き出す情景には読者の心を打つ素敵な言葉が散りばめられています。心が疲れていると感じるあなたに読んでいただきたい5冊です。

「モノ」に魂を見出して「モノ」を真摯に扱うことのできる「ヒト」がたくさん登場します。これは実際に読んで楽しんでいただくとして、ここでは、題名を反映するような爽やかな描写を少しだけ紹介させてください。例えば、ある登場人物が手にしたときの、ビー玉は次のように描かれています。
- 著者
- 森沢 明夫
- 出版日
- 2009-02-06
四代目大森陽一の日常が丁寧に描写されていることで、読む人の青春の1ページまでもを呼び起こすような作品となりました。何でもないことが、きらきらと輝く場面が沢山登場します。読んでいて思わず微笑んでしまうかもしれません。ここでは敢えて、そんなきらきら感とは対照的な青春の痛みを表現した部分をご紹介します。
- 著者
- 森沢 明夫
- 出版日
- 2009-02-28
- 著者
- 森沢 明夫
- 出版日
題名の柔らかな印象とは少し異なり、物語の中では懸命に生きる人々の熱い思いが交錯しています。読みごたえがあり、息苦しくなるほどの場面もあります。それでも、読み終わった後には、あったかい優しい気持ちで満たされるはずです。
ずっしりと厚みがある物語なので、登場人物が口にする「名言」の存在感が際立っています。例えば次のような言葉です。
「他人と比べちゃうとさ、自分に足りないものばかりに目がいっちゃって、満ち足りているもののことを忘れちゃうんだってさ。俺さ、それって、すごくわかる気がするんだよな」(『夏美のホタル』から引用)
この部分だけを抜き出すと、軽い響きに聞こえてしまうかもしれません。作品の中では、「忘れられない夏」をともに過ごした夏美と彼氏の会話の中にでてきます。そこには美しい季節感とささやかな幸せがあり、この「名言」は読者の心に静かに確かに染み渡るはずです。
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おしゃれで読みやすい小説です。「喫茶店」というだけあり、本からコーヒーの香ばしい香りが漂ってくるような気さえします。音楽を頭の中で流しながら物語を読み進めるというスタイルも楽しいです。くたびれた心を休める理想の場所を体現したかのような物語なので、心が弱っている方にも安心して読んでいただけます。
- 著者
- 森沢 明夫
- 出版日
最も印象的なのは、主人公の妻とのやり取りが丁寧に描かれていることです。熟年夫婦のお互いを思いやる柔らかな言葉遣いが、嫌味なく読む人の心に届きます。例えば、病気の妻と散歩に行ってきて帰ってきたときには、このような会話がありました。
- 著者
- 森沢 明夫
- 出版日
- 2012-02-24
森沢明夫のおすすめベスト5、いかがでしたか。5冊それぞれ雰囲気が違うので、気分に合わせて選んでいただけると思います。あなたの「今」に寄り添う一冊が見つかればとても嬉しいです。