フォークナーの名前は知っていても、読むタイミングを逃している人もいるでしょう。テーマは暗く重厚、構成は非常に複雑です。しかしその分、奥深さ極まりなく、心に響き、忘れられない読書体験になると思います。おすすめ5作品のご紹介です。

時間が前後し、語り手が何度も入れ替わり、読み進めるとともに徐々に真相が浮かび上がってきます。一文の中に、引用や、意識下の思考が入る複雑な構造です。読み手の理解は進んだり戻ったりし、また全てが明らかになるとは限らず、謎のまま残る場合もあります。フォークナー作品は、まずはあまり立ち止まらずに読了して、2、3回読んでみるのが良いかも知れません。
- 著者
- フォークナー
- 出版日
- 2011-10-15
フォークナーのこの作品も時代が進んだり戻ったりと、幾層にも重なる構成ですが、ヨクナパトーファ・サーガの中では比較的短く作品です。登場人物が限られているという意味でも、迷子になりづらいと思います。暗い話ですが、登場人物が変わり者ばかりでまともな人がほとんどおらず、滑稽さすらあります。
- 著者
- ウィリアム フォークナー
- 出版日
リーナがジェファーソンに来てから出産するまでの現在の数日間とは別に、それぞれが、抱えている過去を語ります。過去がどのように現在の行動に影響しているかを表すための、フォークナー独自の手法が花開いています。
- 著者
- フォークナー
- 出版日
- 2016-10-19
4つの部と1つの付録から成り、それぞれ異なる視点で語られます。あくまで、その視点から見た場合の話なので、実際のところはどうなのかは、読み進めて総合的に判断する必要があります。第一章は特に複雑ですが、巻末に、訳注や場面転換表、出来事年表などがあるので、必要な時は理解を助けてくれます。
- 著者
- フォークナー
- 出版日
- 2007-01-16
刊行当初センセーショナルに受け止められ、売れ行きはそれまでに比べ良く、これによってフォークナーの作家としての地位は確立されました。今回の5冊の中では短めの作品ですので、その意味ではおすすめです。ただしこの作品も暴力性、残酷性は高めです。しかし過激さに走らない抑えた描写で、かえって読み手の想像力を刺激する、深みのある文章になっています。
- 著者
- フォークナー
- 出版日
- 1955-06-01
一度読んだら抜け出せなくなる人も少なくないフォークナーの作品。何度か読み返すと新たな事実に気付けたり、その世界は奥深い密林のようです。継続して時間が取れそうな機会があったらぜひ挑戦してみてください。特に今回挙げたヨクナパトーファ・サーガの作品は読んでおいて損はないものばかりです。