タゴールが布教した教壇の数々
タゴールは思想家として1930年頃に世界各国を回り、講演を行っていました。その講演の内容をまとめたのが『人間の宗教』という著書です。タゴールの宗教観や人生観が散りばめられています。当時の著名人と多くの交流を持っていたタゴールがアインシュタインと行った会談が最後に付録として載せられているのも興味深いです。
- 著者
- ラビンドラナート タゴール
- 出版日
創作活動を続けていたタゴールだからこそ辿り着いた答えが書かれています。創作活動が陣痛を伴う難産だと言及したタゴール。彼は、そうした創作活動のひとつひとつが輝きを発し、その輝きが星々となって宇宙の歴史を物語っているのだと語っていました。思想や詩、宗教など常に何かを模索し生み出してきたタゴールだからこそ語れる魅力にあふれています。
また哲学的な内容が豊富にあり、勉強にも1冊。個人において真実を追い求めるなら有限であるが、人間全体として求めれば真実を知る可能性は無限にあるなど、思想家ならではの人間についての哲学に触れることができるのも魅力です。
自然を愛する美しさにあふれた詩集
『迷い鳥たち』はアフォリズムと呼ばれる短い詩によって人生や社会対する見解を現す形を取っています。ノーベル賞受賞のきっかけとなった『ギタンジャリ』同様に、タゴール自身が英文で書いた詩が日本語に訳されました。
- 著者
- ラビンドラナート タゴール
- 出版日
思想家という人生について考え続けた立場にあるタゴールが残した詩はシンプルな短い文であるからこそ、強烈な一撃となって読者に影響を与えてくれます。いつも見慣れた風景でも、まったく別世界に見えるような目から鱗の内容。世界中を回ってみたタゴールの価値観を知ることにより、手軽に世界を回ったような体験ができるのも本書の魅力です。
タイトルの『迷い鳥たち』が示すように、まるで自然の中を旅するような感覚に浸れます。それは歌を披露しては飛んで行く鳥たちや、紅葉した葉が落ちるさまなど、自然美を称えるような詩も多く載っているからです。本書に載っている詩がタゴールの日本滞在中に書かれたということが良くわかります。四季折々の自然美を大切にする日本人に感化されて書かれた詩はどこか私たち日本人の肌に近い印象を与える内容です。
子供たちに残したタゴールの思想
『もっとほんとうのこと-タゴール寓話と短編』は晩年のタゴールが孫娘のために遺した短編10篇をまとめた短編集になっています。思想家として活動していた詩聖が幼い孫を読者に想定しているので、ストレートでわかりやすい内容です。
物知りな樹との対話をテーマに扱った「生命と心」やカブールから来たロホモットという男と幼い頃から親しくなった女性の交流が書かれた「カブールの人」、そして作家が孫娘に世の中にはほんとうのことともっとほんとうのことがあると人生観を話して聞かせる表題作の「もっとほんとうのこと」など優しくも厳しいほんとうのことが詰まった作品です。
- 著者
- ラビンドラナート タゴール
- 出版日
本書は子供でもわかる優しさと大人でも楽しめる厳しさという二面性を持った詩集です。その優しさの中で生きることや、真実との向き合い方をおじいちゃんの語り口で子供たちに教えてくれます。物知りな樹であったり、妖精であったりと、子供が楽しめるファンタジー感あふれるお話です。
そんな優しさとは反面に皮肉や宗教観も書かれており、大人にも突き刺さるようなことが書かれています。特に「神の絵」は信仰心と宗教に関して理論的に噛み砕いて教えてくれ、大人でも楽しめる内容です。小さな頃から大人に至るまで一生付き合える著書になっています。