篠田節子は、1990年に『絹の変容』で第3回小説すばる新人賞を受賞して以来、怒涛のように大作を生み出し続けるベテラン作家です。彼女の描く世界から醸し出される、じっとりと張り付くような独特な空気感がコアなファンを魅了し続けています。

情に熱い正彦の相方矢口と金こそすべてと言う正彦の噛み合っているようで噛み合っていない会話もコミカルでクスっと笑えるところもあります。
- 著者
- 篠田 節子
- 出版日
- 2011-05-28
旦那からDVを受ける紀子をなんとかしようと、旦那と紀子を引き離そうと躍起になる沙織、紀子の住む家や仕事の世話を焼く康子を見ていると、女の友情の主成分はお節介なのかもしれないと思えてくるでしょう。
- 著者
- 篠田 節子
- 出版日
なぜ彼女は「聖域」を完成させなかったのか?幾度となく死んだはずの千鶴と実藤が再会するかのようなシーンが描かれ、現実の世界と死後の世界での関わりという表現の難しい世界観の両立を、見事に完成させています。
- 著者
- 篠田 節子
- 出版日
またインドで日本人がビジネスを進めていく困難さがリアルに描かれているのも本作の魅力のひとつです。篠田本人は「数十年ぶりに中学校時代の同級生に会った。(中略)黄銅鉱を買うためにインドに出掛けているとかで、そこでの話を聞かされた。(中略)商売相手がいかに手ごわく、日本人ビジネスマンの常識が通用しないか、と。その瞬間、まじめに取り組んで書きたい小説の題材だと一気に感じた」(『週刊東洋経済2015年2月14日号』より引用)とインタビューで語っています。
- 著者
- 篠田 節子
- 出版日
- 2014-12-20
執拗なまでに丁寧に描写されるクーデターの惨状は、篠田節子の真骨頂と言っても過言ではないでしょう。一言一言、文字を追うだけで異臭が漂ってきそうなほど息苦しく、永岡と一緒にカターの街をさまよっているかのような既視感に襲われます。何をしようとしているのかと永岡に問われた時、クーデターの指揮官・ゲルツェンはこう語るのです。
- 著者
- 篠田 節子
- 出版日
- 2001-10-16
読み終わった後のなんとも言い難い疲労感を感じる篠田節子の小説。しかしどの作品にも共通して、行き場のない閉塞感の中に小さく希望を感じさせてくれます。ただのハッピーエンドの小説では物足りない、読み応えのあるファンタジーが読みたい方にオススメです。