柴田元幸は原文の持つ雰囲気や意味合いを壊すことなく英語文学を翻訳してくれます。それでいて日本人にもなじみのある表現で、読みやすい作品に仕上げてくれる稀有な翻訳家です。これまでに多くの重要な文学を提供してくれました。

柴田元幸が翻訳するポール・オースターの本作は様々な仕掛けをしています。唯一の肉親を亡くしたことで希望を失くして自暴していく様子を、オースターは彼らしい緻密な表現で書かれています。「この先に何か起こるぞ」だとか、「この老人との出会いが意味深だ」など何かを匂わせることが上手な作家で、そのことを柴田元幸が翻訳の本書が如実に語っています。
- 著者
- ポール・オースター
- 出版日
- 1997-09-30
そうしたおじさんたちとのエピソードがユーモラスに描かれています。柴田元幸はこの古い名作を、当時の文体の雰囲気を壊さずに訳しました。それでいて現代でも読みやすい文体に心がけています。そういう意味でも村上柴田翻訳堂というプロジェクトは、古い名作との出会いの場を与えてくれます。
- 著者
- ウィリアム サローヤン
- 出版日
- 2016-03-27
柴田元幸が訳者となった本書は現実と夢が交錯したような不思議な感覚になれる作品です。多種多様な人間の情景を織り込むようにして描写することにより、小宇宙のような全体像が描きだされています。ミルハウザーは短い章でキャラクターひとりひとりに着目させることで、説得力のあるリアリティを生み出しました。しかしあとになって物語の全体像を引きで見てみると、不思議に包まれた幻想的な作品に仕上がっています。スティーヴン・ミルハウザーの神髄ともいえる作品です。
- 著者
- スティーヴン・ミルハウザー
- 出版日
- 2016-05-21
スティーヴン・ミルハウザーの「空飛ぶ絨毯」では子供の国の冒険が描かれています。空飛ぶ魔法の絨毯を題材に、子供の頃のワクワクした気持ちを取り戻せる作品です。
- 著者
- 出版日
- 2006-12-01
「修道者」は大人になりたくないと願う少女が食べることを拒む話です。体と心の変化に戸惑う思春期に入った少女の心情が描写されています。そんな少女はアイルランドにいる変わり者のおばあちゃんのところに預けられました。徐々に正常な心に回復していく心の繊細さが描かれています。
- 著者
- 出版日
柴田元幸は重要な文学を日本語で提供し続けてくれました。革新的なものだったり、後世に残したい古典だったりと、様々な観点で重要な文学ばかりです。柴田元幸がただ英文を日本語訳するだけでなく、海外の作品を日本語文学として再生してくれるからです。