ガブリエル・ガルシア=マルケスはラテンアメリカ文学ブームを引き起こしたノーベル賞作家です。シンプルながら力強い文体と、不思議な描写で数々の文豪に影響を与えてきました。ラテンアメリカの情熱が詰まったガルシア=マルケスの作品を多く残しています。

ガルシア=マルケスによる本書の魅力はなんといっても、小説の舞台となっている百年間で、何世代にも渡る人物たちが物語を紡ぐことです。この手法により幾多のエピソードが連なり、その連続が一冊の小説という物語を紡いでいます。百年に渡る一族の栄光と危機をまるで神にもなった気分で見守る楽しさがあります。
- 著者
- ガブリエル ガルシア=マルケス
- 出版日
「この世でいちばん美しい水死人」では漂流物として流れてきた水死体に関する話です。その水死体を子供たちが見つけ、おもちゃにして遊ぶ様子が書かれています。
- 著者
- ガブリエル ガルシア=マルケス
- 出版日
- 1988-12-01
ガルシア=マルケスの本書では恋人と引き裂かれてしまった男の一途な恋が描かれています。戦争と疫病という激動の時代を生きる恋人たちの力強い生き様が描かれているのが本書の魅力です。ですがそれと同時に老いていくごとに些細なことで喧嘩になる夫婦の現実も描かれていて面白いです。
- 著者
- ガブリエル・ガルシア=マルケス
- 出版日
- 2006-10-28
ガルシア=マルケスの本作の魅力はなんといってもインパクトのある文体です。段落も鉤括弧もない文体は人称も視点もめまぐるしく変わり、とにかくパワフルです。映画の知識を深めたマルケスらしいイメージの描写がとめどなくあふれ出てくるような文章は、段落無しという読みにくさを打ち消すほど、情景が容易に想像できます。
- 著者
- ガブリエル ガルシア=マルケス
- 出版日
- 2011-04-20
あらすじだけみれば老人と少女の禁断の恋を描いているように思えますが、この少女が眠り薬を飲まされて眠ったままの状態にあることから、少し毛色が変わってきます。これまで娼婦しか女を知らなかった老人が、この眠っている少女に本気で恋をします。その揺れ動く心を多くの物を見てきた老人の物哀しい文体によって書かれているので、非常に美しい作品となっています。
- 著者
- ガブリエル・ガルシア=マルケス
- 出版日
- 2006-09-28
物語の舞台は南米コロンビアにある河のそばの小さな町。そこで起こった一件の殺人事件をめぐる短篇小説です。
この土地に住む一人のアラブ系の男、サンティアゴ・ナサールが、その土地に住む兄弟に、ある理由で殺されてしまう話なのですが、大半は、その殺人事件の起きるきっかけになった、四人姉妹の末っ子で一番の美人であるアンヘラ・ビカリオのいとこの“わたし”の視点で物語は進行していきます。
起こるべくして起こった殺人なのです。非常に残念なのですが、ある意味では町の者全員がグルです。そして起きること起きることが全て殺人事件に都合の良いかたちで、殺人事件の方向へ向かって起きてしまいます。そして、何が真実で何が真実でないのかがわかりません。
語り手である“わたし”と町の人々の証言によって事件の全容が徐々にあきらかになっていくのですが、何となく全てがうそくさいのです。
見かたによっては、アンヘラ・ビカリオのたった一言の証言の上に成り立っているだけのファンタジーに過ぎないのです。そして、そのファンタジーを町の者全員が共有しているのです。
しかし、それにしてもサンティアゴ・ナサールは本当に殺されなければならなかったのか?
おそらく”仕方なかった“のでしょう。
読了すると、彼はそういう運命だったのだ、としか言えなくなります。
- 著者
- G. ガルシア=マルケス
- 出版日
- 1997-11-28
殺人事件自体の筋は通っていて、納得もできる。確かにそうだ。なるほど合点がいくぞ。と、頭ではストーリーの流れを理解することはできます。ですが、その物語を支えている土台が、アンヘラ・ビカリオの一言だけなのです。
後半になるにつれ、次々に新しい人物が登場し、すばやく展開が変わっていきます。そのめまぐるしさに置いて行かれないように目と頭と集中力で懸命についていっていると、ある瞬間に、“フッ”とまるで酔いの中に浸っているような感覚になります。そのまどろみに引き込む手法こそが、ガルシア=マルケスの作品の魅力である、“魔術的リアリズム”の特徴なのです。作者はこの手法の完成度を高め、1982年にノーベル文学賞を受賞しました。
訳者である野谷文昭のあとがきによると、ガルシア=マルケスはこの作品を自分の最高作と呼んでいるそうです。この作品は短篇なので一気に読み終えることができます。
読んだ後には、なんとも言えない、煙に巻かれたような、狐につままれたような感じがする、悲劇とも喜劇とも呼ぶことのできる物語です。ぜひあなたもラテンアメリカ文学巨匠ガルシア=マルケスの自信作を読んでみて、物語の舞台の町人たちと同じこの現実と幻想の入り交じった心地を共有してみてはいかがですか?
それにしても、女の純潔に対する男の執念は恐ろしいです。
幻想的な町、独裁者の行為、老人と少女の恋など、ガブリエル・ガルシア=マルケスは人々の行為を時には情熱的に時には情緒的に書いてきました。現実と虚構が絡み合う迷路に読者を迷い込ませ、そこから出たくないと思わせてくれる作家です。