幕末の京都守護を目的に作られた新撰組の中でも一、二の腕前と称された天才剣士、沖田総司。若くしてこの世を去り、圧倒的な強さと短命の儚さをもって、伝説のように後世まで語り続けられている、幕末のアイドルの魅力に迫る5冊を紹介します。

沖田総司の死因は労咳(肺結核)です。池田屋事件の際に喀血(かっけつ)して倒れ、以後戦線から離脱した、という説が有名ですが、池田屋では喀血していなかったとする説もあります。
というのも、沖田総司は池田屋以後も活動している記録があり、戦線から離脱したのは1867年の秋から冬のどこかだと考えられるからです。もしこれが史実であるなら、池田屋事件は1864年なので、およそ3年ほど病状悪化時期に差が見られます。
そもそも池田屋事件の喀血は子母澤寛が『新選組始末記』に書いたため有力になった説であり、事実であったかどうかははっきりしていません。
いずれにせよ、沖田総司の死因が労咳、今でいう肺結核であったことは間違いないようです。
試衛館からの付き合いの中でも年の近い藤堂平助とは、現代の若者同士の関係にも通じるような友情を育みます。その姿はほほえましいものですが、ゆえにその後、思想の違いにより敵味方に分かれる運命はひときわ悲しいものです。
- 著者
- 秋山 香乃
- 出版日
- 2008-08-05
「いつものように総司が出稽古に廻って行くと、門弟は誰一人来ない。皆なにがしかの理由で来られぬと言う。だが本当は彼等にとって見ると、まだ多分に子供くさい総司からびしびししごかれることがいささか業腹で、しめし合わせてこの挙に及んだらしい」(『沖田総司』より引用)
- 著者
- 大内 美予子
- 出版日
- 2009-08-07
新撰組局長・近藤勇、副長・土方歳三、探索方・山崎烝などからも深く愛され、明るく天真爛漫な振る舞いの沖田総司は、血生臭い殺戮に明け暮れた新撰組において異彩を放つ存在として描かれます。その明るさが、労咳を患う悲劇を際立たせ、物語全体を切ない雰囲気にさせているのです。
- 著者
- 広瀬 仁紀
- 出版日
近藤勇の生涯を通じて新撰組誕生の時代背景やその活躍と滅亡を知ることができる本作。もちろん、主要隊士である沖田総司の立場や心情も描かれています。彼が(彼らが)、この時代にどのような正義を持って使命をまっとうしたのかを知ることは、幕末の時代背景をより身近に感じさせてくれるでしょう。
- 著者
- 池波 正太郎
- 出版日
- 2003-12-12
物語のキーになる言葉の一つ、「鬼」。
- 著者
- 小松 エメル
- 出版日
- 2016-09-28
新撰組といえば代表的な存在である沖田総司。昨今ではアニメやゲームなど様々なキャラクターで描かれています。彼については写真や史料が乏しいため、断片的な史実をもとに、多種多様な人格が想像され描かれてきました。様々な作家の物語を読み、自分好みの沖田総司像を思い描くのも、歴史物を読む面白さではないでしょうか。