フランツ・カフカは説明のつかない不条理なできごとを現実に絡めて書く20世紀を代表する作家です。そのある種の実験的ともとれるカフカの手法は以降の名だたる作家たちに影響を与えました。現実から夢の世界へと転落するような経験ができます。

ある朝目覚めたら、醜い虫になっていた。考えただけでも、背筋がゾっとする話です。主人公は人間の時にように自由に動くことはできず、意思の疎通もできません。唯一世話をしてくれる妹からも厄介な介護者扱い。そんなストレスに耐えきれなくなったグレゴール・ザムザはいつしか自分が消えてなくなればと思うようになります。悲しくて恐ろしい、カフカの悪夢のような不条理さが爆発した作品で、カフカワールドを存分に堪能できる代表作です。
- 著者
- フランツ・カフカ
- 出版日
- 1952-07-28
本書はひとつの話の中で不条理な出来事が続きます。連続した夢を見ているような作品です。また、物語には説明のつかない不可思議さがあります。まず主人公が測量士であるのに、測量の様子が出てきません。助手と名乗る男たちも、このKという男に対しては初対面で、男の周りで起きることは理由もなく唐突です。まるで夢のように脈絡のないできごとが連続して起こる不思議な小説です。
- 著者
- フランツ・カフカ
- 出版日
- 1971-05-04
カフカの不条理としては、最も現実的な恐怖が描かれています。自分の知らないところで犯罪に巻き込まれ、やってもいないことで罪に問われる恐怖は、現代の痴漢冤罪に通ずるところがあるのではないでしょうか。未完ではありますが、悪夢のようなできごとであるため、それとはわからないできになっています。
- 著者
- カフカ
- 出版日
- 1966-05-16
カフカの残した未完の原稿は16の章にわかれており、ブロートは物語を辻褄の合う順に並び替えて書き直してしまったため、『審判』は説明できる話の流れとなっています。ですが、カフカにより近づけようと試みた『訴訟』では、より不条理で不思議な物語の運びを楽しむことができます。よりカフカの思い描いていた作品に近い形になっていますので、『審判』を読んだことがある人でも『訴訟』を読んでおく価値はあります。
- 著者
- フランツ カフカ
- 出版日
- 2009-10-08
この物語もカフカらしい不条理さで描かれていますが、主に少年の冒険を描いているため、非常に読みやすい作品になっています。ですが物事が次から次へと唐突に終わっては始まるの繰り返しは、カフカらしい夢を見ているかのような作風は健在です。カフカの入門書として最初に抑えておきたい一冊です。
- 著者
- フランツ・カフカ
- 出版日
- 1972-01-30
理由もつかずに起こったできごとの連続は不気味であり、恐ろしくもあります。そんな不条理さがカフカ最大の魅力です。現実的世界でまきおこる難解な出来事にハマる人が続出すること間違いなしです。