伝統的な物語の攻勢を重んじるジョン・アーヴィングは同時に現代社会のアメリカを赤裸々に映します。自分のルールを作り信念を曲げない作家としての姿勢には、あの村上春樹も惚れこみ、彼のデビュー作の翻訳を買って出たほどです。

クセのある人物たちが織りなす物語が本書の魅力となっています。父親は夢見がちで話を誇張する癖があり、長女はレイプ被害にあって苦しみに耐える毎日。長男は同性愛者で、天才作家ともてはやされる次女は天才であるがゆえの苦悩を抱えています。いわゆる社会からはみ出した存在である家族が、ホテル経営を通してたくましく生きていく様は、読んでいて生きる勇気を与えられる、至極の文学作品です。
- 著者
- ジョン・アーヴィング
- 出版日
- 1989-10-30
本書はジョン・アーヴィングの痛烈なデビュー作で、粗削りながらもエネルギー溢れる展開と軽妙な語り口で書かれています。第2次世界大戦の影響が色濃く表れるヨーロッパで懸命に生きる人々の姿は、読者に生きる活力を与えてくれるでしょう。
- 著者
- ジョン アーヴィング
- 出版日
- 2008-05-25
本書は暴力とセックスという現代社会の暗い部分を映しだしています。多くの登場人物は心に傷を負っていて、辛い人生を送ってきた人たちばかりです。その反面、文章はコミカルに書かれています。そうした相反するふたつの素材を用いることで、「人生は辛いことばかりの連続だけど、それでも笑って過ごせる素晴らしいものだ」というメッセージが伝わってくる作品です。
- 著者
- ジョン アーヴィング
- 出版日
- 1988-10-28
ジョン・アーヴィングはこの『サイダーハウス・ルール』で中絶手術というアメリカ社会でのタブーに挑戦しています。ホーマーの目を通して、孤児院と農場生活というアメリカの一面を垣間見ることができる本書。主人公ホーマーに訪れる苦難や喜びが詰まった人生の縮図ともいえる物語です。
- 著者
- ジョン アーヴィング
- 出版日
本書は、小人症という幼児体系以上には成長できない体の持ち主で、それを神の計画だと信じて疑わないサイモンを始め、不思議な境遇と体験をする人々がたくさん登場します。物語の中で起こる様々な不思議なできごとが伏線となって、クライマックスに集約される手法がジョン・アーヴィングらしい作品。その高い技術が伺い知れるストーリー展開は読む者を圧倒させます。
- 著者
- ジョン アーヴィング
- 出版日
登場人物の人生を描くことが物語を書くことだと信じて書き続けたジョン・アーヴィング。彼の作品を読めば、登場人物たちがどのような人生を歩みながらアメリカ社会と向き合っているかがわかります。どの作品にも芯があり、その芯がぶれることのない作家です。