1920年代真っただ中のアメリカは第一次世界大戦という衰退と、その後の高度成長期という繁栄を経験しました。そんな時代に現れた天才作家フィッツジェラルドは、まさにその時代を象徴する作家といえます。

書かれた時代も物語も第一次世界大戦が終わり、経済成長中の1920年代が背景となっています。その中にあって誰もが羨む華やかしい生活をしていたギャッツビー氏。ですが、失恋した女性に対する一途な思いが狂気へと変わり、破滅に追い込む物悲しさがそこにはあります。いつかバブルが終わってしまうのではないか、というアメリカの不安を存分に反映した作品です。
- 著者
- F.スコット フィッツジェラルド
- 出版日
- 2009-09-08
その他にも「悲しみの孔雀」や「アルコールの中で」など栄華と陥落をテーマにしたロストジェネレーション文学らしい作品が名を連ねています。
- 著者
- フランシス・スコット フィッツジェラルド
- 出版日
繁栄も破滅もエネルギーに満ち溢れていた『グレート・ギャッツビー』に対して、本書『夜はやさし』のストーリーは緩慢に進んでいきます。まるでバスタブにぷかぷかと浮かび、天井に映る破滅を無気力に眺めている感覚に陥るでしょう。その破滅が、恐ろしくもあり最後には心地よく感じてしまう不思議な作品です。
- 著者
- フィツジェラルド
- 出版日
- 2008-06-25
当時のアメリカ社会を描きながら、登場人物たちの繁栄と破滅を描いてきたフィッツジェラルドですが、本作ではファンタジーを描いており、同作のタイトルを表題とした短編集に掲載されています。2008年にはデヴィッド・フィンチャー監督とブラッド・ピット主演のタッグにより実写映画化されました。
老人として生まれ、日に日に若返って行くベンジャミン・バトン。心は見た目相応で、言動も見た目相応。そんな彼が年を取るごとに若くなりながら人々と交流していく様子を描いたファンタジー作品です。
これまでにも人が破滅へと向かって行く数奇な人生を描いてきたフィッツジェラルド。ですが『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』では老人から若返っていくという特異な設定により、その人生には独特な異様さがでています。心も体も若返り最後にはあかちゃんに衰退してしまう男と周りとの交流を切なく描いた、ひと味違う作品です。
- 著者
- フィツジェラルド
- 出版日
- 2009-01-24
著者が20代の頃に書いた作品をまとめた短編集です。フィッツジェラルドのファンであることを公言している村上春樹が翻訳しています。
表題作である『冬の夢』はひとりの女を一途に愛した男の物語です。しかしデクスターの愛したジュディーは浮気者でデスクターを悩ませます。やがて訪れる別れ。別の女性との結婚生活を送っていたデクスターはやがて、ジュディーの近況を耳にし、落胆するのでした。
本書には『グレート・ギャッツビー』以前に書かれた作品が載せられています。あの名作がいかにして生まれたかは、本書を読むと見えてくるかもしれません。
- 著者
- スコット・フィッツジェラルド
- 出版日
- 2009-11-25
激動の時代を生きたフィッツジェラルドの書く小説は、まさにその時代そのものです。時にはエネルギッシュに時にはゆったりと描かれた波乱に満ちた人生の縮図を通して、その激動の時代を垣間見ることができます。