後世まで語り継がれる探偵はたくさん生まれてきました。作家エラリー・クイーンもまた、ふたりの探偵を世に生み出し、人気シリーズを多く執筆しています。作中に出てくる謎解きやトリックだけでなく、登場する探偵の魅力も作家の大きな特徴です。

本書はエラリー・クイーンではない探偵が登場する記念すべき作品です。このドルリー・レーンという探偵には魅力的な設定が設けられています。それはレーンがシェイクスピア劇の名優だったこと、しかし聾者となったことにより引退したという経歴の持ち主であることです。そのおかげで目を閉じることで感覚をすべて遮断し、完全な沈黙世界に閉じこもって推理に全神経を集中できるという魅力を持っています。常人離れした方法で、探偵ドルリー・レーンは読者を魅了してくれるのです。
- 著者
- エラリー・クイーン
- 出版日
エラリー・クイーンの父親がニューヨーク警視であり、親子で活躍するのも本作の魅力のひとつです。息子のクイーンはビブリオフィリアで事件の合間になんとかお目当ての古書を入手したいと奔走しますが、父親に振り回されっぱなしなのが面白いです。
- 著者
- エラリー・クイーン
- 出版日
- 2012-10-25
しかしクイーンが移り住んで落ち着いたころ、疾走した夫のジムが帰ってきます。それを喜んだノーラが結婚を申し出てジムが合意。結局ふたりは「厄災の家」に住むことになり、クイーンはその一室を借りることで合意します。やがて妻のノーラは夫が妹に向けて認めた3通の手紙を発見。そこには妻が病気で死んだと未来の日付で書かれていたのです。
- 著者
- エラリイ・クイーン
- 出版日
- 2014-12-05
事件の難解さも本作の魅力ではありますが、探偵エラリー・クイーンの苦悩が見られるという点が最大のポイントです。前作での失敗を引きずっていたクイーンですが今回の難事件に協力することをしぶしぶ承諾。しかし本作でも、事件に関わってしまったことによりとある失敗をしてしまいます。「失敗を繰り返すのが人間の本質である」という本作のテーマにより、完全無欠に思われる探偵が身近な人間として感じられる作品になっています。
- 著者
- エラリイ・クイーン
- 出版日
- 2015-08-21
エラリー・クイーンはふたりの作家の共同ペンネームという特質を持った作家です。そんな作家が世間を騙しながら執筆し続けた多くの物語で、魅力的な探偵が活躍し続けます。推理小説好きなら一読しておきたい作家のひとりです。