処女作はゼロ年代日本SFのベストに挙げられるなど、伝説のような扱いを受ける作家、伊藤計劃。今回は、デビューからわずか2年ほどで早逝したSF作家の全作品を辿っていきます。

この伊藤の遺作は当時癌に侵され病室で書いていたものです。伊藤が「生きること」と「死ぬこと」についか考えていた次期に書かれていた小説。そのため、死に際に伊藤が何を思っていたのかを感じることができる作品であるのではないでしょうか。
- 著者
- 伊藤 計劃
- 出版日
- 2010-12-08
屍体蘇生術による屍者の魂の居場所や、人としての尊厳を深く考えさせてくれる本作。人間のように動いているが、本当は生きていないという意味の哲学的ゾンビまで描き出されます。また実在の人物が登場したり、かつての大日本帝国が登場する点も魅力的です。
- 著者
- ["伊藤 計劃", "円城 塔"]
- 出版日
- 2012-08-24
表題作「The Indifference Engine」ではウガンダの内戦が題材になっており、民族浄化や政治的無関心について考えさせられる内容となっています。伊藤らしいブラックなSFを読みたい人にはおすすめといえるでしょう。「フォックスの葬送」は、なんと小島秀夫のゲーム「メタルギア ソリッド3 スネークイーター」の二次創作作品。メタルギアソリッドを知っている人なら読んで損はありません。「屍者の帝国」は、後に円城塔が創造を膨らませ長編作品へと昇華させていった草稿であり、伊藤計劃最後の作品ともいえるでしょう。円城塔へと引き継がれていった物語の断片を読んでから長編の方を読めば、より面白く感じるかもしれません。また、小説だけでなく「女王陛下の所有物 On Her Majesty's Secret Property」のような漫画も収録されています。
- 著者
- 伊藤 計劃
- 出版日
- 2012-03-09
物語の語り手は、ソリッド・スネークの戦友ハル・エメリッヒ、通称オタコン。オタコンがビッグボスからの流れを組む蛇たちの逸話を「伝説の英雄の目撃者」として記録したものこと、本小説なのです。伝説の英雄が本当に存在したかと思わせられるような描写力には息を呑みます。本編は、
- 著者
- 伊藤 計劃
- 出版日
- 2010-03-25
SF作品でありながら、どこか本当にありそうな物語に仕上がっています。それは、スターバックスコーヒーやドミノピザなどの、実在する固有名詞が使われているからかもしれません。
- 著者
- 伊藤 計劃
- 出版日
- 2010-02-10
いかがだったでしょうか。伊藤計劃作品は読みやすく、普段SF小説を読まない人にもおすすめです。『虐殺器官』『ハーモニー』『死者の帝国』は、劇場アニメ化もされており、小説とアニメの両方を楽しめるという魅力も持っています。ぜひ手にとってみてくださいね。