ママからも大人気のみすゞ絵本
子ども視点で描かれた15の詩が取り上げられた『おひさん、あめさん』は、まるで本当に子どもが書いているんじゃないかと疑ってしまうくらい、子どもの心情を捉えているような1冊です。
- 著者
- 出版日
- 2002-07-25
子どもの身近なものが題材になっています。たとえば「けがした ゆび」「はだし」「ちゃわんと おはし」など本当に身近なものばかり。みすゞの愛情を感じると同時に、観察力や着眼点に驚かされます。
この絵本も絵が優しく、詩の世界を膨らませてくれています。優しく元気で、色鮮やかな絵は、子どもはもちろん、大人も楽しめると思います。
子どもの知的好奇心をくすぐってくれそうな本作。お子さんのいらっしゃる方は、ぜひ一度手に取ってみてはいかがでしょうか。
金子みすゞを英語で楽しめる1冊
みすゞ作品は、深くて広い詩の世界観や、大人から子どもまで、その心情を丁寧に切り取る作風から、しばしば宇宙に例えられます。金子みすゞ再発見の第一人者である、矢崎節夫はそれを「みすゞコスモス」と表現しています。
そんなみすゞの美しく優しい宇宙観をワールドワイドに広めようと翻訳されたのが本作『金子みすゞ童謡集 Something Nice サムシングナイス』です。みすゞの世界観をそのまま写したかのような、わかりやすく優しい英文。子どもから英語に親しみのない大人まで、英語に触れるキッカケとしても重宝する1冊でしょう。
- 著者
- 金子 みすゞ
- 出版日
英語と日本語が見開きで照らし合わせて読める点にも、優しさを感じます。日本語で好きなフレーズが英訳ではどうなっているのか気になって、どんどん読み進めてしまうことでしょう。たとえば、みすゞの紡いだ言葉の中でも特に人気のフレーズ『鈴と、小鳥と、それから私、みんなちがって、みんないい』は、ダッチャーのセンスと愛情で“Bell, songbird, and me. All different, all just right.(『金子みすゞ童謡集 something Nice』より引用)”と英訳されています。
小鳥を“song bird”と訳すあたりにみすゞを感じられ、ダッチャーの腕が光っているのも分かります。ちなみにタイトルにある“Something Nice”は、みすゞの詩「いいこと」の英訳だそうです。
他にも「星とたんぽぽ」「大漁」など普遍的なテーマで書かれた26作品を、英語で読むことができる本作は、センスのいい本棚には欠かせません。みすゞコスモスを意識しているのか、どことなく宇宙空間を連想させる表紙も素敵で、プレゼントとしても喜ばれそうな1冊です。
金子みすゞが描く、ノスタルジックな子ども心
最後にご紹介する作品『なしのしん』も絵本です。優しさが溢れ、メッセージ性の強いみすゞ作品は絵本に適しているのでしょうね。この絵本はみすゞの詩の中でも、子どもの一番純粋な気持ちを、丁寧に細やかに書かれたものを選んでいるようです。「芯まで食べる子、けちんぼよ」というフレーズには、思わず微笑んでしまいます。
- 著者
- 出版日
- 2002-07-25
可愛らしい絵とも相まって、故郷を懐かしむような柔らかい気持ちと、穏やかな優しさを心の中に生み出してくれます。愛嬌のある絵とひらがなの組み合わせに、あなたもきっと和むことでしょう。普段漢字で見ている言葉をひらがなで読むと、何か新しいことに気づけるような気さえしてきます。
子どもへの読み聞かせはもちろん、ちょっと息抜きにとパラパラ眺めているだけでも癒される本作。ただ「ちょっと」のはずが、深い言葉を見つけてはじっと考え込んでしまったりしてしまうので多少の注意は必要かもしれません。
生きづらい世の中だと叫ばれる昨今だからこそ、みすゞ作品で描かれる優しさが大切なのだと感じざるを得ません。そんな優しさを、絵本を通して子どもに伝えられるという奇跡の1冊を、ぜひお手に取ってみてくださいね。