芥川賞と並び、日本で最も有名な文学賞の一つである直木賞。今回は1990年代の直木賞受賞作の中から、おすすめの作品を10作ご紹介します。

ミステリーを中心に書いてきた泡坂妻夫がミステリー味を封印して、紋章上絵師としての知識と下町の人情味を中心にしたのが『蔭桔梗』となります。細かいディティールで江戸情緒溢れる下町の雰囲気を描きつつ、成熟した大人の静かな恋が展開されます。
- 著者
- 泡坂 妻夫
- 出版日
本作は、地元の四国の観音寺市を舞台に、真っすぐで、疑うことを知らない純粋無垢な高校生たちが、ひたすらロックに明け暮れる姿は明るくて清々しいものです。
- 著者
- 芦原 すなお
- 出版日
『マークスの山』は、過去、南アルプスで起きた出来事を発端とした連続殺人が描かれています。警視総監賞を何度も受賞する優秀な刑事の合田が、警察上層部から妨害をも物ともせずに、忍耐と努力で捜査していきます。事件だけでなく、警察内部のいざこざも読みどころです。
- 著者
- 高村 薫
- 出版日
- 2011-07-28
全編に渡って、倒錯した奔放な恋愛が描かれます。布美子は大学助教授の片瀬に恋をしますが、それだけでなく、片瀬の妻とも恋に落ちます。そこに、大久保という青年が現れ、より複雑な恋愛模様となります。さらには、片瀬夫妻には人には言えない秘密があります。倒錯した恋愛は軽井沢の風景描写と相まって、不思議な美しさをたたえています。
- 著者
- 小池 真理子
- 出版日
- 2002-12-25
アル中のバーテンダーが主人公のハードボイルド作品で、1960年代の学生運動での過去が現代での事件と絡み合い、重厚な物語となっています。
- 著者
- 藤原 伊織
- 出版日
- 2014-11-07
外部との交渉が少ない山奥の村を舞台として、村人たちの緊密過ぎる関係性が描かれます。その関係性ゆえに排他性が強くなり、よそ者とのいざこざも起きてしまい、悲劇は起きるのです。
- 著者
- 坂東 真砂子
- 出版日
- 1999-12-27
本作は5人のOLに焦点を当て、男性優位な社会の中で生きる彼女たちの結婚観やライフスタイル、人生観をコミカルに描いたものです。人生観なんていうと堅苦しくて説教臭い感じがあるかもしれませんが、コミカルでありのままに書かれているので、自然と受け止めることができるものになっています。
- 著者
- 篠田 節子
- 出版日
恐ろしい人物の愛人を横恋慕してしまい、その末に心中をしようする様をサスペンス調のスリリングな展開で描きます。
- 著者
- 車谷 長吉
- 出版日
具体的にどんな無理難題かといいますと、国王は夫婦の間に性交渉が無かったとして離婚を突き付けます。王女は性交渉はあったと反論しますが、国王は証明するために裁判所で処女検査を受けろと言います。受けなければ離婚ですし、受ければ衆人環視の中で辱めを受けます。さて、フランソワはどうやってこの危機を乗り越えるのでしょうか?
- 著者
- 佐藤 賢一
- 出版日
本作は、芸者の愛八の一生を描いています。愛八は義侠心の強い女性で、周囲で困った人があれば、身銭を切って援助します。そんな彼女が初老を迎えた頃に自身の幸せについて考えさせられる物語です。
- 著者
- なかにし 礼
- 出版日
- 2003-09-28
以上、1990年代の直木賞受賞作を10作ご紹介しました。様々なジャンルの小説がありますので、きっとあなたにぴったりの小説もあるでしょう。ぜひご紹介した直木賞作品を読んでみてください。