現役内科医ならでは医学的見地を存分に使ったミステリーを描く知念実希人。魅力的なキャラクター作りで親しみやすい作品を数多く発表しています。今回は知念実希人のおすすめ小説をご紹介します。

本作の魅力は、医療知識の丁寧な説明です。医療ミステリーというと専門用語が多くなり難しいというイメージがありますが、知念実希人の本作は初心者向けに丁寧な説明をしてくれるので、簡単に理解できます。
- 著者
- 知念 実希人
- 出版日
- 2014-09-27
知念実希人の『優しい死神の飼い方』は、死神というファンタジー要素のあるミステリーですが、謎の解決は至って現実的なものです。一つ一つの謎の解決が大きな謎を生む構成のおかげで、物語を間延びさせることなく、最後まで楽しませてくれるようになっています。
- 著者
- 知念 実希人
- 出版日
- 2016-05-12
本作の魅力は、強烈なキャラクターたちです。凄腕の外科医だけど謎めいた行動を取る院長や、真っ赤なルージュを引いたセクシーな産婦人科医、明るく元気だけど暴走しがちな看護師など、個性豊かな面々が話を盛り立てます。また、知念実希人の別シリーズの主人公・天久鷹央のお兄さんも登場します。
- 著者
- 知念 実希人
- 出版日
- 2015-10-24
レゾンデートルとは哲学的な用語で、存在理由のことです。主人公の岬は自身の存在理由を探っていく物語となっています。
- 著者
- 知念 実希人
- 出版日
- 2012-04-26
知念実希人の本作の魅力は心理戦です。ピエロの強盗は信じられないことはもちろんですが、強盗のアリバイがある中で殺人が起こり、病院関係者も全く信じることができません。誰がいつ牙を剥くのかわからない中で、いかに病院を抜け出すのか。追い詰められた心理を克明に描き出します。
- 著者
- 知念 実希人
- 出版日
- 2014-12-05
誘拐された少女の命を懸け、繰り返しゲームを課してくる誘拐犯と受けて立つ上原の対立は、すさまじいほどの緊迫感を生み、まるで読者が上原にでもなったような息苦しい感覚に陥ります。屍のような人生を送っていた上原が、再びゲームマスターに出会うことにより、眠っていた刑事魂が蘇えったのです。
- 著者
- 知念実希人
- 出版日
- 2016-09-13
この作品には、前半と後半ストーリーにかなりの温度差があります。
ジャンルは恋愛ミステリー。研修医の主人公と、患者であるヒロインを描いた物語です。設定としては王道かもしれませんが、2転3転と、どんでん返しを楽しめる作品となっています。前半は心温まる恋愛小説、後半はハラハラするミステリー。そんな構成です。
主人公碓氷(ウスイ)は、金の亡者。お金の為に勉強し、お金の為に将来コネとなりうる部活をし、お金の為に海外で脳外科医になろうとする人間です。基本的には熱心な研修医ではあるものの、その根幹にあるのはお金への執着心。お金や過去の話になると、感情的になる場面も。もちろん、主人公がそういった性格なのには、それ相応の理由があります。
一方、ヒロインは脳腫瘍を患う「弓狩環」こと、ユカリ。彼女も色々なものを背負っています。余命幾ばくもない体に、多額の遺産を狙う親戚……。
- 著者
- 知念 実希人
- 出版日
- 2017-09-15
2人が謎を追いつつ、心の距離を縮めていく様子を描いたのが前半の内容となっています。傷つけあったり、笑いあったり……。
しかしこの作品、最初に述べた通り、温度差が激しい。後半では一気にミステリー要素が濃くなります。それを象徴したセリフが、以下です。
「君は一度も弓狩環さんを診察していない。全部、君の妄想なんだよ」(『崩れる脳を抱きしめて』より引用)
ゾクッとしませんか?前半とは雰囲気が一変し、緊迫感のあるミステリーへと突入します。
著者の知念実希人が現役の医師ということもあり、患者の急変描写や、病院内の空気の描写も見事です。研修医に対して長話をする老患者や、お酒をすすめる患者など、病院での「あるある」が所々に見られます。恋愛ミステリーという現実離れしやすいテーマにもかかわらず、物語に説得力を感じるのは、こういった著者の力量あってのことですね。
恋愛にヒューマンドラマに、ミステリー。様々な要素が絶妙なバランスで組み込まれ、ひとつの温かい物語に仕上がっています。
以上、知念実希人のおすすめ小説をご紹介しました。本業の医師の見識に裏打ちされた医療ミステリーは読み応えがあります。読みやすい文章にも定評がありますので、気軽に読んでみてください。