リズム良く読みやすい文章で、登場人物の心情をリアルに描く作家・佐藤多佳子。一般小説から児童書、童話まで幅広く手掛け、様々な世代の読者から愛されています。ここでは、映画化された作品も含め、佐藤多佳子のおすすめ作品をランキングにしてご紹介していきましょう。

いろいろな男性と付き合う、ジャズピアニストの母に、大人の表情を見せる広一や、一見ワガママなだけの佳奈が、実は不器用で傷つきやすい一面を垣間見せる様子など、心理描写が素晴らしく、心に響いてきます。
- 著者
- 佐藤 多佳子
- 出版日
- 2003-08-28
電車の中で集団スリを目撃した辻はその中の少年を捕まえるものの、反対に投げ倒されてしまいます。
そこへ占い師の青年昼間があらわれ辻を病院へ連れていきますが、辻が自宅へは帰れないということを伝えると自分との同居生活を昼間が提案します。そこから2人の生活が始まるのです。辻は自分を投げ飛ばした少年を探しだすためにスリを生業といている仲間と協力してそのスリ集団の行方を追います。一方で昼間も仕事中に出会った女子高生が気になり出し……。
- 著者
- 佐藤 多佳子
- 出版日
- 2004-08-28
スリ師と占い師という奇妙な組み合わせですが、2人の共同生活は穏やかに過ぎていきます。辻が自分はスリをして金を稼いでいることを昼間に告白をしますが、彼は辻のことを本当に悪い人ではないだろう考えて同居生活を始めるのです。
2人はお互いの仕事にも、プライベートにも干渉しません。その2人が一度昔話をする場面があるのですが、そこでもある一定の距離感を保って会話をしているのが伺えます。そんな2人ですが、辻がスリ集団のアジトを突き止め人質にされてしまった時に昼間について語っている場面があります。
「あいつは占い師の仕事、大事にしてるからな。お客さんのことを大事にしてるんだ。俺とは友達だけど、それでも、あんたを裏切ったりはしないよ」
(『神様がくれた指』から引用)
一緒に生活をするようになり2人はお互いに自分に対する接し方や仕事に対する姿勢、家族との関係などがわかってくるようになり人間性に関しても信頼できると感じとっていったのでしょう。そういう2人の些細な感情の揺れ動きもこの物語も魅力かもしれません。
スリ師が主人公というのも少し抵抗がある方もいるかもしれませんが、はじめはまったくの他人同士だった辻と昼間の2人の関係〈男の友情〉が徐々にはっきりと表れてくるのを楽しんでみてはいかがでしょうか。
「気持ちだけじゃだめなの。言葉が必要なの。でも、言えないのよ」というセリフが印象的です。どんなに言葉を尽くしてみても、伝えたいことが伝わらない。そんなもどかしさを感じたことのある人は、多いのではないでしょうか。言葉は時に誤解を生み、傷つけたり傷つけられたりするものですが、佐藤多佳子の今作を読んでいると、人を勇気づけ、救えるのもまた言葉なのだと痛感します。
- 著者
- 佐藤 多佳子
- 出版日
- 2000-05-30
最初は、家庭崩壊のような状態になってしまう家族ですが、段々と愛情が芽生え、イグアナを受け入れていく姿が微笑ましく、犬だろうと猫だろうとイグアナだろうと、生き物を飼うことには責任が生じ、命はとても大切なものなのだ、と気付いていく樹里の成長が、佐藤多佳子によって魅力的に描かれています。
- 著者
- ["佐藤 多佳子", "はらだ たけひで"]
- 出版日
努力を重ね、短距離走の才能を開花させはじめる新二と、人並み外れた能力があるにもかかわらず、真面目にやろうとしない連。そんな連の心情も、新二と一緒にいることにより、次第に変化していきます。
- 著者
- 佐藤 多佳子
- 出版日
- 2009-07-15
物語は、悟の視点からと、みのりの視点からが交互に描かれ、お互いがなんとなく観察しあっている描写には、リアリティーがありドキドキさせられます。1つの場面を、両方の視点から描くので、クールにしているように見えて、実は心の中であたふたしていたことがわかるなど、巧妙な構成がとても魅力的です。
- 著者
- 佐藤 多佳子
- 出版日
- 2005-10-28
佐藤多佳子のおすすめ作品を、ランキングでご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか。優しい気持ちになれる、素敵な作品ばかりですから、ぜひたくさんの方に読んでみていただきたいと思います。