2001年のデビュー以来、数多くの作品を世に送り出してきた畠中恵。物語に共通するのは、どんな出来事もまっすぐに見つめる登場人物たちの真摯な眼差しと、心あたたまる読後感です。今回はそんな畠中恵の小説作品を6作ご紹介します。

- 著者
- 畠中 恵
- 出版日
- 2004-03-28
- 著者
- 畠中 恵
- 出版日
- 著者
- 畠中 恵
- 出版日
- 2011-12-15
- 著者
- 畠中 恵
- 出版日
- 2012-02-27
- 著者
- 畠中 恵
- 出版日
- 2008-03-13
この物語の主人公は、幕末のとある神社の兄弟です。
兄の弓月は「夢告」という占いの力を持っていますが、その占いの成果はいまいちで、おっとりとした穏やかな青年。対して弟の信行は、兄の弓月のような不思議な力は持っていないのですが、生真面目なしっかり者。そんな二人の元に、珍しい客人が現れるところから、この物語は始まっていきます。
その珍しい客人こと、有名な神社の権宮司(神社の偉い人)だった佐伯彰彦が、弓月に「行方知れずの子供探し」という頼み事を持ちかけます。その「行方知れずの子供」は、大金持ちの大商人夫妻の一人息子で、名を「新太郎」というのですが、なんと、その「新太郎」さん候補というのが、三人もいたのです。
自分の息子こそが「新太郎」だと訴える三人の養い親たちや、息子を探す大商人夫妻。そんな、「新太郎」を通じて集まった人々同士の主張や葛藤、その裏側で進んでいく別の思惑、そして時代の終わりを告げる、幕末の動乱。
これらが複雑に絡み合い、物語は二転、三転していくのです。事件がさらなる事件を呼ぶなかで、段々と明かされていくそれぞれの登場人物たちの事情や思惑、そしてこの事件の真相には、きっと驚かされるだろうと思います。
- 著者
- 畠中 恵
- 出版日
- 2008-04-25
少しネタバレになってしまいますが、この本のタイトルであり、主人公弓月の能力でもある「夢告」の力は、本編が進むにつれてその力の精度を上げていきます。まるで予知夢のように夢を見続ける弓月は、段々と夢から戻れなくなっていき、「夢告」の後に苦しげに血を吐くまでになってしまうのです。
しかし、そんな中でも「夢告」を続けていた弓月は、一つの真実に辿り着きます。それは、「その条件に合致する新太郎さんはいない」というものでした。
そんな「夢告」の力によって衰弱していく兄を心配する弟の信行や、力を使って弟を、集まったみんなを守りたいと願う弓月、我が子を思う親心、愛するがゆえのすれ違い、そこにつけ込むように現れる幕末の浪人たち。
誰も彼もが一筋縄ではいかない登場人物たちが巻き起こす騒動の中、弓月は「新太郎」の真相を、真実を暴き出し、弟と一緒に、無事に家に帰る事が出来るのか。
そして一体、「新太郎」とは何なのか。不思議な夢が告げるこの物語の続きを、ぜひ、読んでみてください。
歴史ものであれ、現代ものであれ、常にやさしい眼差しで世界を描く畠中恵。デビュー以来、その姿勢は変わらず貫かれています。以前から読んでいる方も、これから読み始める方も、ゆったりとした気持ちに包まれたいときには、ぜひ畠中恵ワールドに飛び込んでみてください。