独特な文体で、小説の常識を飛び越えていく作家・山下澄人。彼の描写は、まるでその様子を実際に見ているかのように、鮮明に心に残ります。ここでは、多くの作品が、次々と文学賞候補に上げられている注目の作家・山下澄人のおすすめ作品をご紹介していきます。

だからと言って、文章が難解で複雑なわけではなく、むしろ単純で淡々とした様子で、ふわふわと物語は進んでいきます。夢なのか現実なのか、未来なのか過去なのか。あらゆるものが自在に形を変え、頭の中に入り込んでくるような不思議な感覚を覚えます。今までに読んだことがないような斬新さにもかかわらず、作品は決して破綻しておらず、その絶妙なバランスが魅力的です。
- 著者
- 山下 澄人
- 出版日
- 2012-03-16
普通小説では、登場人物の思考は、ある程度整理され、わかりやすくまとめられているものです。ですが、私たちの実際の思考は、ふとまったく関係ないことを考えていたり、なんだっけと忘れてしまうことが多々あったりするものですね。山下澄人の今作では、そんな人間の実際の思考を、そのまま文章にしているような表現が多く、自分も一緒になって体験しているような感覚になってしまうのです。
- 著者
- 山下 澄人
- 出版日
- 2013-08-13
「ぼく」が小学生ということもあり、文章は端的でわかりやすく、山下澄人作品の中でも、読みやすい作品になるのではないでしょうか。時間軸というものがまるでなく、父親は子供の頃の姿で現れ、亡くなった母親は若い頃の姿になって登場します。友達のマエシバは、40歳になる2日前に、病気で死んでしまうようなのですが、「そのことをぼくは知らない」。作品全体に死というものが漂い、無性に切ない気分にさせられます。
- 著者
- 山下 澄人
- 出版日
- 2014-02-10
人の人生を濃密に描いた小説は数多くありますが、生まれる前や、死んだ後のことについて想いを馳せるような小説は、なかなか珍しいのではないでしょうか。生まれる前のことは誰も覚えていないし、死んだ後どうなるかなど誰にもわからないことですが、山下澄人のこの作品を読んでいると、そんなわからない世界のことを想像してみたくなります。
- 著者
- 山下 澄人
- 出版日
- 2014-10-29
わかりやすい文章で、淡々と細かく、毎日の生活を綴っているだけなのですが、とてもリアリティーがあり引き込まれます。まるでその光景を、映像として目の前で見ているような、不思議な感覚になるのです。そこに、主人公の感情などはいっさい書かれていないにもかかわらず、先を読まずにはいられない不思議な力がある山下澄人の作品です。
- 著者
- 山下 澄人
- 出版日
- 2016-10-31
山下澄人のおすすめ作品を5つご紹介しました。どの作品も、小説とはこういうもの、という概念をあっさりと覆す作品になっています。山下澄人の描く、リズミカルで不思議な世界へ、ぜひ迷い込んでみてはいかがでしょうか。