「自称漫画家」能町みね子
能町みね子は1979年北海道生まれ、茨城県出身のイラストレーター、ライター、漫画家です。2005年にブログ「オカマだけどOLやってます」を開始し、2006年に同タイトルのエッセイでデビューしました。その後2007年に1月に性別適合手術を受け、その様子を『たのしいせいてんかんツアー』に執筆、同年8月にはブログ名を「オカマじゃなくなりました」に変更、10月に更新を終えました。
他著書には2007年『くすぶれ!モテない系』や2010年『うっかり鉄道おんなふたり、ローカル線めぐり旅』、2013年『雑誌の人格』などがあり、独特な着眼点とテーマが人気です。テレビやラジオで飄々とした様子を見たことがある方もいるかと思います。本ではそのうすぐらーい、でも不思議と落ち着く世界が凝縮して楽しめます。
自分のままに生きてみたら?
能町みね子の処女作であり、セクシャルマイノリティの彼女がまだ性別が変わっていない頃に「女性として」働いた時の日記です。タイトルからも感じられるように、セクシャルマイノリティの苦悩に焦点を当てたものではなく、ちょっと困った状況にいる人のふっと面白い日記、という肩の力が抜けたおもむきです。もちろんマイノリティならではの悩みも描かれてはいるのですが、それよりも能町みね子の人柄が独特で面白い作品となっています。
- 著者
- 能町 みね子
- 出版日
- 2009-08-04
女性に迫られて泣いてしまったり、生理の隠語に気づけずあせったりする様子など、性に対して偏見を持たずに向き合っているひとりの人間の姿があります。戸惑いや譲れないものを社会の常識ではなく、ひとつひとつ自分で考えている姿は愛らしく、なんだか応援したくなります。面白そうなタイトルの通り、笑えるエピソードが多いですが、日常の出来事にちょっと勇敢に生きている彼女の姿に励まされるエッセイです。
明日から満員電車も楽しくなる?
喫茶店や電車内でなにやら熱心にメモをとってる人がいたら……それは能町みね子かもしれません。
この本は「家政婦は見た」のようにひっそりと街の人々を描いた人間図鑑です。能町みね子は人間観察と妄想が大好きで、いつもセンサーを張り巡らせ、面白い言葉や会話を逃しません。ある時は小学生の哲学的な疑問を、ある時は「親にやらされたゴルゴ」?について、ツッコミつつ、いじりつつ、その目線はどこか優しいです。それは能町みね子が対象を否定をしないからでしょう。彼女の目を通すと都会の街の人々も捨てたもんじゃないと思えます。
- 著者
- 能町みね子
- 出版日
- 2012-05-31
明日からは満員電車も物語に出くわす場所になるかもしれません。愛を持って観察すると、窮屈で嫌な存在からその人自身が立ち上がってきて、いじりたくなる存在になるかもしれません。その時はどうぞ心の中で留めるのをお忘れなく。