絵本『100万回生きたねこ』の著者・佐野洋子。実はエッセイストとしても活躍しました。絵本のイメージとは一味違う歯に衣着せない語り口と、常識にとらわれない目線で、世間を、老いを、死をメッタ斬りにする、おすすめ痛快エッセイをご紹介します。

鏡を見て老いた自分の姿に愕然とする著者の姿には、共感する人はきっと大勢います。少し前まで友人の死に嘆き悲しんでいた自分が、今はテレビを見ながら笑っていることに、「生きているってことは残酷だなぁ」(『神も仏もありませぬ』から引用)と思いながらも笑い続けるさまが素敵です。
- 著者
- 佐野 洋子
- 出版日
- 2008-11-10
楽しいときは思いきり笑い、泣くときはひたすら泣く。落ち込んだり、見栄を張ったり、韓流ドラマをみてヨン様にどっぷりはまったと思ったら、いつの間にか「思い出すとゲロが出る」ほど心変わりもしたり……。人間らしく生きるとはこういうことではないか、と思わされます。
- 著者
- 佐野 洋子
- 出版日
- 2010-12-07
「昔読んだ本も全部忘れている呆け老人になってしまった。(中略)そして読書だけが好きだった私の人生も無駄だったような気がするのだ」という言葉には、世の「読書好き」を自認する人の誰もがドキリとさせられるのではないでしょうか。
- 著者
- 佐野 洋子
- 出版日
- 2012-09-01
闘病記もガンと壮絶に闘う人も大嫌い、という佐野洋子は、幼い兄弟や父を家で見送った思い出を振り返り、幼い頃から身近に死があり、だからこそ死ぬことは怖くないと書きました。
- 著者
- 佐野 洋子
- 出版日
- 2013-10-08
長女である著者が19歳のとき父を亡くしてから、家族を女手一つで養った母です。家事も完璧で、周りからの評判もよかったといいます。しかし娘の目に映るのは、知恵遅れの妹を黙殺する母。「ありがとう」も「ごめんなさい」も決して言わない母。そして兄の死を機に、母から娘への冷徹さはひどくなり、著者はますます恨みを募らせていきます。
- 著者
- 佐野 洋子
- 出版日
- 2010-09-29
今回は、エッセイスト佐野洋子のおすすめ作品をご紹介しました。『100万回生きたねこ』に涙した人、『おじさんとかさ』でおじさんのピュアさにくすっとした人は、エッセイで見せる著者の「毒舌」ともいわれることがある辛辣っぷりや、すべてを赤裸々に語ってしまうストレートさに驚くかもしれません。けれど、佐野洋子の絵本もエッセイも、根底に流れるものは同じではないでしょうか。愛や、死や、やさしさ、ユーモア、生きること。すべてに生真面目に向き合いながら生き抜いた佐野洋子の言葉を、ぜひ堪能してみてください。