1時間が4時間になる時間術
多くの人は、時間とは使うものだと考えています。しかし、著者は、時間を創り出すものである、と指摘。この本では、日々の生活の中に時間を創り出し、作業効率のアップを目指します。では、どのようにすれば、時間を創り出すことが出来るのでしょうか。そのような点に焦点をあてたのが、この本『神・時間術』です。
- 著者
- 樺沢 紫苑
- 出版日
- 2017-04-13
例えば、仕事が終わってから2時間勉強しようとすると、仕事の疲れが残っているので、集中力が続きません。では、夜の勉強を、朝の2時間のあいだにするとどうでしょうか。
脳は、朝起きてから2、3時間は疲れておらず、パフォーマンスが良い状態です。著者の経験では、夜に論文を書く時と比べて、朝すぐに書く方がスピードは2倍速く、品質も2倍近く高くなると指摘。つまり、朝の1時間は夜の1時間の4倍の価値がある、と説明します。このように、朝は頭も冴えており、夜の4倍に値する作業をする事ができ、1時間という時間から、4時間という時間を創り出すことが出来ます。
これが、脳が活性化した状態を利用して時間を創出するという著者の時間術です。著者の考えを広げて考えると、脳のパフォーマンスをいかに高い状態にするか、という事が大切であることが分かります。では、脳を活性化させた状態を維持し、疲れた脳を回復させるには、どうすればいいのでしょうか。
ここで、著者は、疲れた脳を活性化するには、仮眠も大切な要素であると指摘。NASAの研究によると、26分の仮眠によって、仕事効率が34%アップ、注意力が54%アップするという研究結果が出ています。厚生労働省による2014年度の資料にも、午後に30分以内の昼寝をすることが、作業能率の改善に効果がある、と記されています。
このように、著者はデータを例示して、仮眠は仕事時間を創り出す上で、有効な方法であることを説明する反面、寝だめは効果がない、と指摘。これは、仮眠をすることで、脳の活性化状態を60%から80%に上げることは出来ますが、寝だめで100%を120%にすることは出来ないからです。このように、医学的には、寝だめは意味がないことが証明されています。
このように、脳を活性化した状態で作業すれば、疲れているときと比べて、同じ作業の効率が何倍にもなる、というのが著者の考えです。ここで紹介したのは、あくまで概略ですが、本書を読めば、詳しいところまで説明されているので、興味のある人はぜひ読んでみてください。
脳の活性化を習慣から読み解く
テストで良い点が取れないようなときは、頭がよくなりたいと思いますよね。そのような人のために、普段の生活でも実跡出来る頭をよくする習慣を紹介するのが、この本『脳が冴える15の習慣』。優れた思考力を手に入れて、出来る人になりましょう。
- 著者
- 築山 節
- 出版日
ここで紹介されている習慣のひとつを挙げると、著者は、日々の雑事も何となくこなすよりは、考えながらこなすと、思考力を鍛えることが出来ると言います。
例えば、家事をするときでも、まず蒲団を干してから部屋の掃除をしないと、蒲団にほこりが付いてしまいますよね。このように考えると、掃除機をかけるのは蒲団を干した後が良い事が分かります。また、観葉植物への水やりと手入れですが、これは朝のうちに水をあげる事がセオリー。しかし、掃除機を使う前に植物の手入れをすると、掃除機をかけた後は、ほこりが舞いやすいので、植物の葉にほこりやちりがついてしまい、葉を拭く作業が二度手間になってしまいます。
このように考えると、ここで例示した家事をする順番としては、蒲団干し、掃除がけ、植物の手入れ、という順番が最も効率がよい方法ということになります。
なにもここで挙げた手順で家事をしなければならないというわけではないのですか、頭の運動をかねて、自分なりに効果的な家事の方法を見つけ、こうすればどうだろうか、これは効率が良いのではないか、と楽しんでやると良いのではないでしょうか。著者は、このような例として、料理を例示して段取りを組む事の大切さを指摘しています。確かに、料理をきちんと効率よくやろうとすると、けっこう頭を使いますよね。
どうせ家事をこなさなければいけないなら、頭のトレーニングも兼ねて行えると便利。その日の家事に合わせて、様々な組み合わせを考え、思考力のトレーニングに励みましょう。
有効な記憶法をメカニズムから解析
記憶力を強くする方法を、実際の理論に基づいて解明していこうというのが、この本『記憶力を強くする』。著者は、東京大学の薬学部を卒業後、同大学で助手をしており、学会の評議委員も務めていますので、内容に説得力があります。
- 著者
- 池谷 裕二
- 出版日
- 2001-01-19
まず、おさえておきたいのが、歳をとって物覚えが悪くなった、という現象。記憶を司る神経細胞は増殖する能力がありませんから、歳をとると共に減っていってしまいます。しかし、著者の説明するように、神経細胞間をつなぐ構造であるシナプスの数は、年齢と共にむしろ増加していき、これは、脳の働きが衰えていくのではないことを示している点がポイントです。
このように、人の脳とは、年齢と共に衰える部分もありますが、逆に発達する部分もあります。著者は、記憶力についても、年齢と共に衰えるとは言えないと説明しています。
この他にも、著者は、脳を活性化させるには、愛情が大切である、と説きます。実際に、親に愛情をかけて育てられたネズミは、脳の海馬が発達し、記憶力のよいネズミに育つそうです。これは、人間の子供にも当てはめることが出来るため、子育てをするときは、叱ることも大切ですが、愛情をもって育てていきたいですね。
また、一人で孤独に過ごすよりも、社会に出て積極的に人と交わった方が、神経細胞がより活発化するという点もポイント。このように考えたとき、書を捨てよ町に出よう、という言葉は、人付き合いをして、そこから色々な事を学ぶという点でも、脳を活性化させるという意味においても、有効な方法であると言えるのではないでしょうか。
記憶力が優れていると、色々な事を思い出せて楽しいですよね。脳を活性化させるのに、年齢は関係がない、というのも嬉しいところ。家族と一緒にいる時間を増やし、色々な人と接触する機会を増やすだけで、脳は活性化していきます。このような方法を取り入れて多くの人と関わり、楽しい人生を送りましょう。