大掃除をしたつもりになっているあなたに
掃除や片付けが好き! という人はそう多くはないはず。日頃は掃除なんて嫌々するものなのに、なぜか試験や何かの〆切の前などに限って、はかどってしまうもの。
まずは、先日英語版が全米で1位になったというニュースもあった、ご存じこんまりさんの『人生がときめく片付けの魔法』から紹介しましょう。大ヒット作ですし、テレビでも度々紹介されていましたので、なんとなく知っているという人も多いと思います。大掃除で片付けたはずの部屋が元通り、という方、必読です。
こんまり流の片付けのポイントはとても簡単。ポイントをまとめると、
①何を捨てるのではなく、何を残すかを考える。 ②コツコツ片付けるのではなく、一気に短期に捨てる。 ③場所別ではなくモノ別に片付ける。 ④一か所に集めて、見て触って判断する。 ⑤残すかどうかのポイントは「ときめく」かどうか。
あたりでしょうか。
モノ別ということや一か所に集めることなどもなるほど、と思うのですが、それ以外にも「捨てられない」と思ったときの心構えなどにも触れられているところが、この本が大きく支持された理由でしょう。それに加えて、この本は「モノを捨てる」という事例をつかって、人生で必要な取捨選択の際にどうすればよいのかということも伝えてくれるような気がします。
この本の最後で触れられていますが、「片付けは人生の目的ではなく、・・・(中略)・・・あなたが心底ときめく使命を見つけるために、片付けが大いに役立つことを声を大にしていいたい。」
そう、片付けるのは目的ではなくてあくまで手段なのです。
- 著者
- 近藤 麻理恵
- 出版日
- 2010-12-27
歪みと正し、身体と向き合おう
3月に入ってもなお、寒い日が続いています。気温が低いとどうしても身体が縮こまりがち。ましてや、毎日パソコンで長時間労働していれば、肩や腰が痛くなり、整体やマッサージなどのお世話になることも。
2冊目に紹介する『朝3分の寝たまま操体法』の著者の西本さんは、パーソナルトレーナーなどをされている方。数年前に、Jリーグの川崎フロンターレのトレーニングコーチになったときに、サッカー好き(おもにNumber愛読者)の間ではちょっとした話題になりました。
冒頭で、当時広島カープで怪我によりもう復活しないとまで言われていた佐々岡真司投手と西本さんとの出会いが書かれています。西本さんがトレーナーとしてフォームの改造まで携わったといいます。「身体といかに向き合うか」ということの大事さがひしひしと伝わってきます。そんな西本さんが、訴えるのは、歪みがすべての元凶だということ。
例えば、肩こりや腰の痛み。マッサージや整体を受けていてもそうですが、痛いところをほぐすだけではそれは対処療法に過ぎず、すぐに痛みが再発してしまいます。また、その痛いところが悪いのではなく、身体全体がどこか歪んでいて、それが痛みとして表れているのかもしれません。そのためには、自分の身体の状況を把握する必要があります。
いくつか具体的に簡単なエクササイズも紹介されています。例えば、肩こりをほぐすための肩甲骨の操体法、そのほか骨格と筋肉の歪みを整える操体法など、本当に「布団のなかでできる」簡単なものが紹介されています。
ここでのポイントは、その操体法を通じて、自分の身体の状況を知ること。そして、「気持ちいい」方に身体を動かすこと。かくいう自分も整体通い歴早8年なのですが、これを続けると、身体の歪みや、今日はどこに変調があるのかなどが、(徐々にではありますが)分かるようになり、それとともに少しずつ身体も楽になります。
タイトルからすると、ヨガなどのエクササイズや高齢者向けの体操の本という印象を持たれがちですが、身体としっかり向き合うことの大切さに紙幅を多く割いています。操体法のエクササイズそのものも、それが万病に効く薬というわけではありません。「痛みは身体からのメッセージ」という、西本さんのメッセージの通り、自分の身体と向き合ってみると、案外遠回りのように見えても、それが健康への一番の道なのかもしれません。
- 著者
- 西本 直
- 出版日
- 2004-07-21
考える方法についてまとめた古典的名作
ここまで、身の回りのリセットに関するものと、身体をリセットするものを紹介しました。ここからの3冊は頭や心をスッキリさせるものを紹介したいと思います。まずは、有名処ですが、外山滋比古さんの『思考の整理学』。頭のなかを整理するためのヒントを与えてくれます。
アイディア術、メモ術、手帳やノート術など、年末から年度末にかけて手帳など文房具のアップデートにともなって、その手のたぐいの本を読む機会もあるのではないでしょうか。この本は、メモ術、アイディア術、そして頭のなかを整理するための技術について、「グライダー人間」「朝飯前の理論」「醗酵・寝させる」「カクテル」「エディターシップ」「セレンディピティ」「メタ・ノート」「三上・三中」など、魅力的なキーワードとともに軽やかに述べられています。
例えば、アイディアについて触れている項では、「醗酵」「寝させる」ことの重要性が強調されています。確かに、考え詰めるよりは、思い切って寝て次の朝考える方が、スッキリと考えがまとまることも多いですもんね。
「どうして「一晩寝て」からいい考えが浮ぶのか、よくわからない。ただ、どうやら、問題から答が出るまでには時間がかかるということらしい。その間、ずっと考え続けていてはかえってよろしくない。しばらくそっとしておく。すると、考えが凝固する。それには夜寝ている時間がいいのであろう。」(本書p.38より)
この考え方をもとにしたノート術も書かれています。まず、①一次情報として気になったことをとにかくメモし、②そのなかで重要なものを別のノートに書き写し(=二次情報)、③さらにこの二次情報のいくつかを寝かせた上で、何らかのテーマで括り整理する(=メタ・ノート)。
しかし、寝かせるということは、そのなかで無駄がそぎ落とされることでもあります。本書の中でも「思考の整理とは、いかにうまく忘れるか、である」(p.127)と書かれています。そう、『人生がときめく片付けの魔法』でも触れましたが、いかに捨てるか、取捨選択するかということが大事だということにつながるのではないでしょうか。
- 著者
- 外山 滋比古
- 出版日
- 1986-04-24