とにかく笑える!群ようこのおもしろエッセイ
- 著者
- 群 ようこ
- 出版日
日常で起こった、笑いの込み上げるおもしろエピソードを綴った『猫と海鞘』。1995年に発表された本作ですが、時が経っても色あせることなく、今読んでも充分笑いながら楽しめる1冊です。
高校生時代、髪を長く伸ばしていたという群ようこ。本人は自慢の髪型だったのですが、友人から「ミッキー吉野」に似ていると言われてしまいます。その後、度々髪型を変えますがなかなか思うようにいかず、大人になって思い切ってショートカットにしたところ「少年アシベ」のようになってしまった、というエピソードには、笑いがこみ上げてきてしまいます。
シュノーケリングに挑戦したり、ダイエットや恋愛の話題に触れていたりと、内容は盛りだくさん。群ようこ流の失恋克服方法はとても面白く、読めば悩みも吹き飛んでしまうことでしょう。作品内には、冷蔵庫に潜り込んでしまった、食い意地のはった猫も登場します。
日常生活の中に、これほどのおもしろさを見つけられる感性の豊かさには驚くばかりです。群ようこが「暇つぶしに読んでください」という本作。テンポが良く、文章に勢いがあるので、読み応えは充分です。肩の力を抜き、何も考えず笑いたい時に、ぜひいかがでしょうか。
動物たちに愛着が湧く1冊
- 著者
- 群 ようこ
- 出版日
身近にいる動物たちや昆虫など、様々な生き物に関するエピソードがまとめられた『ネコの住所録』。猫はもちろん、犬や鳥、カメや魚、ハチやアリなどが登場し、群ようこの素朴な愛情を伺い知ることができます。
何日も家を空けていたオス猫が、突然子猫を連れて帰ってきたという、ネコの父子の話や、引っ越してしまった恋人ならぬ、恋猫を待ち続けるオス猫の切ないエピソードなど、猫に関する様々な話題が書かれています。他にも、おばあさんが営む雑貨屋を、健気に手伝うマルチーズや、餌が気に入らず不貞腐れるインコなど、バラエティーに富んだ動物たちが登場。動物好きにはたまりません。
驚いたのは、毎日オフィスに休みにやってきたという1匹のハチ。群は「ハッちゃん」という名前をつけ、毎日ハチを中へ入れてやったと言います。サバサバとしながらも、まるで人間を扱うように、動物に対して誠実な対応を見せる群の姿が印象的です。
たとえ動物でも、心を込めて話せばしっかりと通じるのかもしれない、と思わせてくれるエピソードが多数盛り込まれ、群ようこの独特なユーモアと優しさが漂う文体が、様々な動物たちの姿を生き生きと綴っています。魅力的な猫の姿が綴られた、笑いあり涙ありの本書。猫を含め、動物好きな方だったら楽しく読むことができるでしょう。
笑えて泣ける群ようこのほのぼのエッセイ
- 著者
- 群 ようこ
- 出版日
たくさんの動物たちに囲まれた、群ようこの子ども時代を綴るほのぼのエッセイ『トラちゃん』。1986年に発表された、初めて猫愛について書かれた本作では、猫の「トラちゃん」をはじめ、犬や小鳥、金魚やねずみなど、群家に集まる様々な動物たちが登場しています。
ある日、群家に迷い込んできた子連れのトラ猫「トラちゃん」。動物好きの群のお母さんは、追い出すことなく、この猫たちの面倒をゆったりと見ることになります。なんと言っても、このトラちゃんがとても魅力的。凛としてたくましく、子猫たちの躾も上手で、その毅然とした姿には言いようのないかっこよさを感じます。
群家には他にも「金魚のよしこちゃん」や「インコのピーコちゃん」など様々な動物たちがおり、皆しっかりと共存している様子が、ユーモア溢れる文章で綴られています。快く動物たちを受け入れていく、群の母親の寛大さに驚くとともに、動物たちのありのままの姿を受け入れ、淡々と綴っていく群ようこの文章が印象的です。
生き物には、いつか命の尽きる時がやってきますが、最後まで責任を持ち愛情を注ぐ家族の姿に感動することでしょう。別れの時は切なく、涙が溢れてきてしまいます。コミカルな中にも、ひとつひとつの命と向き合う大切さ、動物と暮らすことの素晴らしさを教えてくれる、素敵なエッセイです。