村上龍が語る「ダメな女」の定義
本書は、村上龍が1997から2001年にかけて女性誌に連載していた記事をまとめたエッセイ集です。女性誌に連載していただけあって、村上龍がいま日本で生きる女性に向けて伝えたいことがたっぷりつまった一冊となっています。けれどけっして説教くさい内容ではなく、むしろややテーマを脱線したりしつつ彼のシニカルなユーモアを交えて書かれた本書は、日々頑張る日本の女性にぜひ読んでもらいたいものに仕上がっているのです。
- 著者
- 村上 龍
- 出版日
- 2004-05-13
「今、決断を迫られる機会が多いのは女のほうだと思う。結婚か仕事かという単純な選択でも、それは世界共通の重大な決断となる。女のほうがより普遍的な悩みを抱えている。だから、普通に生きていれば、ダメな女という種族は日本には存在しないことになる。」(『ダメな女』から引用)
タイトルでドキリとした方、ご安心ください。過激なタイトルですが、内容は女性をただひたすらに叱っているだけではないことが、引用よりお分りいただけるのではないでしょうか?
彼が様々なシーンで出会った女性たちを参照しつつ、どういう女性が魅力的か、現代を生きる女性はこうあらねばならないのではないだろうか、ということについて記しています。酸いも甘いも噛み分けた大人の男性が語る「魅力的な女」像を知りたい方、ぜひご覧になってみてください。
女性の悩みに応える珠玉のQ&A
『わたしは甘えているのでしょうか?27歳・OL』は、月間『SAY』で連載されていた、女性の仕事やお金に関する悩みに村上龍が真摯に答えていくQ&Aをまとめた1冊。長年経済や社会問題について発言し、専門家たちと議論を交わしてきた村上龍だからこその回答は必見です。
適当に慰めたり、耳障りのいい言葉でごまかしたり、楽観論で無責任に甘やかしたり、そんな回答はありません。女性同士の相談では大抵こういったやんわりとした返事が返ってくるもの。それがありがたいときも多々あるのですが、こういう風にバッサリ切ってもらうのも私たちには必要なんじゃないでしょうか?
- 著者
- 村上 龍
- 出版日
「『自分が何をしたいのか』を自分が分かっていないと、答えは出ない。というより、自分が分かっていると自覚するのが怖かったり、面倒だったりするから、答えを出すのがおっくうになっている」
「要は、生き方なんて六本木ヒルズに象徴される価値観の奴隷になるか、で決まる」
「気楽な契約社員だったのにリストラされました。私ってなんだったんだろう」
「間違いなく契約社員だっただけです。契約が終了しただけなんですね」(全て『わたしは甘えているのでしょうか?27歳・OL』から引用)
グサグサきますね。痛烈な言葉が多く辛くなるようですが、どこかで納得してしまう自分がいます。誰かに一刀両断してもらいたい時にはとてもおすすめです。
自分自身の「幸せ」を見つけるために
前項同様、雑誌『SAY』に連載されていた悩める女性に対するQ&Aを書籍化した作品です。「お金編」、「仕事編」、「恋愛編」の3部構成で女性の「人には言いづらいけど切実な悩み」に村上龍がハッキリスッパリ答えていきます。「安い服を着ている」とバカにされるのが嫌でついつい高い服を買ってしまいます、などの相談はみなどこか身に覚えのある悩みなのではないでしょうか?
- 著者
- 村上龍
- 出版日
- 2008-03-26
「とりえがないというけど、べつにとりえなんかなくていいんです。(中略)必要なのはとりえではなく生きるための技術、スキル、知識だというミもフタもない社会になりつつあります」
「そういえば自分はこういうときに幸福を感じる、というのがあれば、それでいいじゃないですか。『取り残された』とは思わないことです。『自分には何もない』ではなくて、『自分はのんびりと生きる人間なんだ』と思って、ちょっとペースをゆるめて考えてみてはどうでしょうか。」(『それでもわたしは、恋がしたい 幸福になりたい お金も欲しい』より引用)
自分でもこんなの良くないよなあと思うのに変えられない価値観や思考は、誰にでも多かれ少なかれあるものだと思います。そんな方はぜひ本書を読んでみてください。村上龍の言葉が、変えたい自分を変える勇気をくれますよ。