今回は、読むと気分が滅入ってしまうような、暗鬱になる漫画をご紹介します。狂った登場人物や世界観は見るに耐えませんが、なぜか読むのをやめられない……そんな不思議な魅力を持つ作品を読んでみませんか?

食事は日々生きていくのに必要な行為ですが、そこに楽しみを見出している人は多いでしょう。給料日だからお肉、今月は頑張ったからちょっとお高いスイーツ……自身へのご褒美や心の栄養としても、食事は欠かすことができない重要なものです。
しかし中には、食事を楽しむという概念を持っていない人もいるわけで、そんな人の欝々とした食事風景を描いた作品が『鬱ごはん』です。新手のグルメ漫画ではありますが、他作品との違いは何といっても食事の時の描写。本作では食事のシーンが、圧倒的な負のオーラに包まれています。
- 著者
- 施川ユウキ
- 出版日
- 2013-04-19
主人公の鬱野たけしは、大学を卒業して就職浪人中。性格はナイーヴで、卑屈かつ弱気、厭世的であるため友達も少なく、孤独です。
彼は食事を作業として位置付けており、その感想は無味乾燥といっても過言ではないくらい情緒も何もありません。ただ咀嚼し、栄養にする、そんな食事風景が続きます。
鬱野がただ欝々とした日常生活を送り、その中で食事をする、という日常を描いた漫画ではありますが、とにかく彼がネガティブというところがポイント。何か良いことが起きるわけでもなく、むしろちょっとかわいそうな展開になり余計に欝々するという、鬱の無限ループをくり返しています。
気分が引きずられやすい人はお気を付けください。笑い飛ばせる方は、ちょっと不幸なネガティブな青年の日常として読むことができるでしょう。
欝々していてもお腹は空く、ちょっと悲しい日常グルメ鬱漫画をお楽しみください。
昔々、あるところにお姫さまがいました。そんな口上から始まるおとぎ話のお姫さまたちは、困難に見舞われながらも、最後には幸せを獲得します。女の子が夢見るような要素が詰まっている、お姫さまという立場。しかし中には、自身の運命に翻弄され続ける姫も存在するのです。
小さなころから毒を摂取し続けたことで、体液が人体に害を及ぼす毒となってしまった少女たち。毒姫と呼ばれる少女のうちのひとり、リコリスは、その体質ゆえに、愛することも愛されることもありません。ただ相手を毒殺するために存在していました。
- 著者
- 三原ミツカズ
- 出版日
- 2013-12-06
燃えるような赤い髪をもった美貌の少女、リコリスは隣国の王子を毒殺するため、献上品として贈られることになりました。しかし、正体を見破られ、囚われの身となってしまいます。亡くなった王の代わりを務める3人の王子は、彼女と関わるうちにその真っすぐさに惹かれていきますが、穏やかな日々が続くことはありませんでした。
生まれながらに、人を殺すことでしか生きることができないリコリスと、様々な秘密や事情を抱えた3人の王子たちが織りなす、陰謀と恋の物語が主軸となります。姫と王子が出てくるならばハッピーエンドを期待したいところですが、物語は破滅と絶望へ向かっていく様がひしひしと感じられ、読者は祈るような気持ちでページを捲るしかない鬱漫画です。
美しく、まっすぐでありながらも自身の運命を受け入れすぎてしまった姫と、3人の王子たち。読後も後味の悪さは拭えません。どうして、という欝々とした気持ちから抜け出すことができず、やりきれなさが残ってしまいます。しかし、その運命を見届けるまでは、とページを捲る手を止めさせることのない、強い力のある作品です。
戦において、盤石な守備を築いた場所を攻略することほど、困難なことはありません。「攻城戦は下策である」と、かの孫子も言っている通り、守備が固められている場所を攻略するには、長期間、かなりの量の兵力が必要です。そんな難攻不落の場所に、挑み続ける者と、守り続ける者の物語があります。
『狼の口 ヴォルフスムント』は、14世紀の初頭、アルプス地方を舞台とした物語。このころ日本は鎌倉時代の後期、2度にわたる元寇があり、北条政権に不満が募っていた不穏な時代でした。ヨーロッパではペストが大流行し、大勢の死亡者を出しましたが、それと同時にイタリア・ルネサンスにより、新たな時代が始まっていました。
- 著者
- 久慈光久
- 出版日
- 2010-02-15
アルプス地方の山脈を越えてドイツとイタリアを最短でつなぐ道、南北交通の要であるザンクト=ゴットハルト峠には、難攻不落として知られる関所がありました。
以前はアルプスの民が支配していた場所でしたが、オーストリアのハプスグルブ家の軍が占拠してからは状況が一変し、人の出入りが厳重に管理され、地元の民ですら自由に通行のできない関所となってしまっています。
関所、通称「狼の口」の番人をしているのがヴォルフラム。密行者を見逃さない鋭い観察眼と、容赦なく断罪していく、冷徹さを持っています。地元の民たちは圧政を不満に思い、なんとか「狼の口」を攻略しようとするのですが、鉄壁の要塞と番人ヴォルフラムが立ちはだかります。
本作は、圧政に苦しむ人々が勝利を勝ち取る物語ではありません。ひたすらに壁に挑み続け、番人に駆逐されるという鬱な展開が続きます。
小さな反乱の芽は育ち、やがて大きな反乱を巻き起こしますが、果たして「狼の口」は陥落するのでしょうか。長い絶望の物語と読むか、鉄壁なヴォルフラムを称賛しながら読むのかは、読者次第です。
経済的に発展し、外界に向くようになった今日の日本。しかし昭和初期は、村社会的感覚が抜けず、閉鎖的な思考が色濃く残っていました。近代化と因習が混ざり合う不均衡さに、戦争による荒廃が加わり、より重苦しい空気が漂います。
『鉄腕アトム』や『火の鳥』など、数多くの名作を生み出してきた手塚治虫は、漫画の神様と言われる人物です。子どもに向けた希望にあふれる物語だけではなく、『ブラックジャック』のように、人の倫理観に問いかけるような作品も多く残しました。『奇子』も、そんな作品のひとつ。日本特有の閉鎖的な考え方と、ひとつの事件が呼び起こした物語が描かれています。
- 著者
- 手塚 治虫
- 出版日
- 2010-11-12
舞台は1949年、戦後の日本です。東北地方の大地主、天外家の仁朗は、復員後にGHQの工作員として働いていました。命令により、共産主義の男の殺害に関与しますが、その後処理を行っていたところを、近所に住む知的障害の少女、お涼と、自身の異母妹である奇子に見られてしまいます。
殺人の発覚を恐れた彼はお涼を殺害し、逃亡。奇子は天外家の体裁を保つため、肺炎で死亡したことにされ、その後は暗い土蔵の中で幽閉されたまま育てられることとなりました。
時が経ち、土蔵が取り壊されたことによって外の世界に出てきた奇子は、美しい娘に成長していました。しかし、閉鎖的な空間で育ったため、常識もなく貞操観念も薄い娘に育ってしまったのです。
彼女を取り巻く物語が展開されますが、そもそも子どもを土蔵に幽閉して育てる、という考え方の異常性から始まる物語です。純粋ゆえに貞操観念がおかしい彼女の怪しい魅力に、キャラクターも読者もすぐに虜になってしまいます。
奇子自身の出生の理由も、胸糞悪いと感じる読者も多いでしょう。ドロドロした人間関係に背筋がうっすらと寒くなります。家により人生を狂わされた彼女の運命はどうなるのか、漫画の神様が描く究極のエロス、退廃的な鬱漫画をご堪能ください。
- 著者
- 山本 英夫
- 出版日
- 2003-07-30
新宿西口の公演で、車上ホームレス生活を送る名越進は、ある日医大生の伊藤学と出会い、報酬として70万円を獲得できる代わりに、手術を受けないかと持ち掛けられます。頭蓋骨に穴をあけ、第六感を目覚めさせる、という「トレパネーション」手術を受けた名越。術後には、右目を瞑り左目だけで人を見ると、人間の深層心理が異形化して見える能力を手に入れていました。
異形のものをホムンクルスと名付け、それを持つ人々と関わりを持ち始めた名越。その人の持つ心の問題を解決することで、ホムンクルスを開放させていきます。誰もが見ず知らずの人に心を開かないように、名越に対しても人々は懐疑的。ホムンクルスからその人の持つ心の闇を推測する、推理ゲームのような感覚でも、物語を楽しむことができます。
しかし、それだけで終わらないのが本作のすごいところ。人の心を開放するなら鬱漫画ではないじゃないか、と言われそうですが、物語が進行するにつれて鬱展開へ突入です。自身の解放されないコンプレックスを抱えながら、超人的な力で人の悩みに向き合っていく名越の精神崩壊度に要注意。人の心の闇と、物語の結末に、心がザワつき、落ち着かなくなりますよ。
『ホムンクルス』については<漫画『ホムンクルス』が怖すぎ?あらすじ、結末の意味などネタバレ解説!>の記事でも詳しく紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
- 著者
- ["落合裕介・作画", "高田侑・原作"]
- 出版日
- 2014-09-22
多額の借金を抱え、千脇エンタープライズ社長の千脇に見受けされた倉見勝は、ガタイが良く、厳つい顔をしていますが、実は泣き虫で怖がりです。売掛金の回収をしていましたが、1回15万円で60キロほどのコンテナをマルヨシ水産に運搬する、という仕事を請け負うことになります。薄暗く、生臭い水産会社で養殖されていたのは鰻。しかし、コンテナの中身はわからず、薄気味悪いと思いつつ倉見は仕事をしていました。
しかし、水産会社にコンテナを運ぶだけで15万円という多額の報酬。自分が何を運んでいるかわからない、という恐怖に耐えかねた倉見は、コンテナの中身を見てしまいます。中身は最初の時点では明確にされません。しかし、倉見も読者も、それが何かを察することはできるため、その後の物語の中でも、もしかしてという恐怖がぬぐえなくなってしまいます。
本作は、借金を抱えた倉見が、少しずつ裏社会に引きずり込まれ、抜け出せなくなっていく過程が本題です。その中で、様々な人間の闇と、知ってしまったからこそ感じる恐怖を実感します。本当に大丈夫なのか、と疑いながら生きていくのは辛いこと。見たものが全て、じられなくなってしまう、そんな作品です。
『うなぎ鬼』については<漫画『うなぎ鬼』の引き込まれる闇の怖さを全巻ネタバレ紹介!>の記事で紹介しています。気になる方はぜひご覧ください。
- 著者
- 新井 英樹
- 出版日
幼稚園児の染谷輝一は、放浪癖のある暴れん坊です。無口できかん坊で、年上相手でも喧嘩をするような子供でしたが、両親には深く愛され、平和に暮らしていました。そんな時、両親が通り魔の被害に遭い、死亡。両親の祖父母と生活することになった矢先、輝一は家を飛び出してしまいます。
ホームレスの中年女性、モモに拾われたり、モモの旧知であり女性、秋元の世話になったりした輝一。山を放浪するなど紆余曲折あったものの、予定通り祖父母と生活することになります。しかし、幼少期からの気性は成長してからも変わらず、問題行動ばかり起こしていました。後に、小学校で秀才の甲斐慶一郎と出会い、いじめられっ子の佐治さとみを助けたことから、輝一の運命は変わります。
優秀な小学生が、社会に疑問を投げかけていくという展開になっていきますが、相手は海千山千の大人ばかり。輝一たちに協力する大人も現れますが、憤りを覚えるほどの理不尽な出来事も次々と起こります。その理不尽に立ち向かっていく輝一は、清々しいほど真っすぐ。力強ささえ感じる輝一の生きざまに、読者は心打たれるでしょう。
- 著者
- 釋 英勝
- 出版日
- 著者
- 安部 譲二
- 出版日
- 2003-04-05
- 著者
- ふみふみこ
- 出版日
- 2012-08-10
本作はただでさえイバラの道を歩む彼らの、一筋縄ではいかない想いに心が苦しくなる作品。作者ふみふみこ初の複数巻作品です。今回はメインキャラクターのひとり、まりかをご紹介します。
パロウに想いを寄せるまりかでしたが、他に好きな人がいる彼にも体を弄ぶようなことをされ、つい体が反応してしまいます。そのことによって自分の体についている余分なものを気持ち悪いと思うようになるのです。普段着ている男用の制服もますます窮屈なものに。
そしてある日、学校で彼が女性の心を持つという事実が広まるのですが、ここで内気だった彼女は「変態」します。ここまでの一連の流れのモノローグは、マイノリティの辛さと思春期ゆえの鬱屈さが見事に描かれてます。その展開はまさに鬱漫画。見ている方も辛くなってきます。しかし、彼女の成長によってそのフラストレーションが一気に発散され、読者に爽快感を与えるのです。
ところが今度はユイの家庭環境に試練が与えられます。次々と巻き起こる3人それぞれの辛い事情から目が離せないおすすめ漫画です。
- 著者
- 茂木 清香
- 出版日
- 2014-08-20
- 著者
- ガオシ
- 出版日
- 2014-10-17
- 著者
- ジョージ秋山
- 出版日
舞台は律令時代の日本。飢餓が蔓延し、生きていくのもやっとという時代。死に行く人、死んだばかりの人でさえも食糧として捉えてしまう時代。ひとりの子を宿した母親もその例に漏れず、人を食べ、子を育て、そして産み落とします。しかし育てていく途中、飢えに苦しんだ母親はその子を火に投げ入れ、食べようとするのですが……。
なんとか生き延びた子ども「アシュラ」は、ごみを漁り、人を食べ、成長していきます。荘園の村娘、若狭に匿われ、育てられる中で言葉を覚えていくのですが、言葉を覚えるまでのアシュラはただただ得体の知れない獣のよう。しかし、言葉を覚え、自分以外の人間とコミュニケーションを図れるようになると、その獣性以外にも、彼が抱えた世界への嘆き悲しみがあることが分かるのでした。
作中では人とは何か、理性とは何か、人を愛するとはどういうことか、世界の真理を突き付けられる人々の様子が描かれています。21世紀の現代社会の常識は一切通用しない時代背景の中でも、人間が生きる意味、死ぬ意味、愛する意味を問う姿勢は共通です。不条理な世界の中で産み落とされた命はどこへ向かうのでしょう。
また作画についても不必要に残虐なシーンで構成されている訳ではなく、人を傷つけてしまうことに対して丁寧に考えられていることが分かる描写になっています。そのため、本作の訴えかけてくるテーマ性をそのままダイレクトに受け取ることができるでしょう。作品発表は1970年ですが電子版も出ており、40年以上経った今でも読み継がれる地力のある作品です。
- 著者
- 阿部 共実
- 出版日
- 2012-03-08
- 著者
- 古谷 実
- 出版日
- 2012-11-09
- 著者
- 古屋兎丸
- 出版日
- 2011-11-29
螢光町に住む3人の小学生、タミヤ、カネダ、ダフ。3人のリーダー格だったタミヤは、ふたりを自身が見つけた秘密基地となる廃工場に案内し、そこでパチンコやチェスといった遊びをするようになります。
3人の下の名前の頭文字をとって「光(ひかり)クラブ」と名付けられた3人だけの秘密クラブ。ある日、そんな秘密基地を常川という転校生に見られてしまい、仲間に入れることに。それから徐々に楽しいはずの「光クラブ」は人数も増えながら変化していき……。
占い師に「世界を手に入れる」と言われ、世界征服に憑りつかれた常川。世界征服のためのマシンを造りながら、組織自体はナチスを参考にカルト化していく「光クラブ」。次第に私刑や見せしめも行なわれていくことになります。子どもだからこそ、純粋にそしてときに無邪気に信奉してしまう恐ろしさと、その結果が招く結末とは。
本作での不条理とは常軌を逸しているという意味での不条理。我々から見れば常軌を逸していると見える子どもたちの秘密クラブも、それを信奉してしまっている子どもから見れば後戻りができなくなっているのです。
最終的な「光クラブ」のメンバーは9人。その9人ともが狂っている訳ではありません。狂気を孕んだ人間と純粋無垢な人間とが合わさったときに何が起こるのか、どう狂気の集団が出来上がってしまうのか、とても社会的な課題を見据えた作品と言えます。
救いようはどれほどにもあるのに、子どもたちは「世界征服」を止められない。ダークな世界観の中で少年たちはどう動くのか、どうぞご照覧ください。
- 著者
- 押切 蓮介
- 出版日
- 2013-03-12
- 著者
- 真鍋 昌平
- 出版日
- 2004-07-30
- 著者
- ["荒木 光", "金城 宗幸"]
- 出版日
本作を見た人は、はじめはギャグマンガだと思うはず。特に前半は、高校生同士でしょうもないギャグを言ったり、くだらない悪ふざけをしたりとギャグ要素が満載です。それゆえに、爆破事件への転落が響くのでしょう。自分たちではなく、テロリストの仕業だと思い込んだり、気になる女の子と遊んで現実逃避したりといった、彼らが追い詰められていく描写と、前半のギャグシーンとの落差が激しくなっています。作中、このようなメリハリのきいた展開になっていますので、次のトビオたちの行動に逐一目が離せません。ほかの鬱々とする漫画とは一味違う、シュールな展開を楽しんでみてくださいね。
少女たちの心の葛藤と、それに感情移入した読者をさらに追い込む彼女たちの死の克明な様子が心にくる作品です。
- 著者
- 鬼頭 莫宏
- 出版日
夏休みに自然学校に参加していた15人の少年少女たちは、海辺の洞窟内に不思議なアジトを見つけます。アジトの主は、正体不明の謎の男。男は15人に自作のゲームへの参加を持ち掛けます。
ゲームはいたって単純。地球を襲う巨大ロボットに対し、15人の子供たちが操縦者となり、巨大ロボットで立ち向かうゲームです。暇をもてあそんでいた15人はゲームに参加することを決意しますが、なんとゲームの戦闘に勝っても負けても、操縦者は命を奪われる運命にあったのです!
しかもゲームに負けると、少年少女たちの地球が滅亡……。過酷で理不尽な運命を背負った15人の子供たちは、地球を救うために戦いに挑んでいきます。
- 著者
- 鬼頭 莫宏
- 出版日
「子供たちが地球を救う」という設定はよくありますが、少年少女たちが「勝っても負けても死ぬ」という理不尽な設定が加わることで、ストーリーの面白さがより一層強まります。
少年少女たちは何のために、何と闘っているのか?シンプルながら切なく理不尽な設定に、読者は一気に作品の世界観に引き込まれていきます。
また15人の子供たちは、育った環境も性格もバラバラです。貧しい家庭できょうだいを支える少年や、売春婦を母に持つ少女、妹に暴力をふるう少年、学校の教師と関係を持つ少女など……。
「必ず死ぬ」という設定ながら、ストーリーが暗くなりすぎないのは15人それぞれが抱く思い、覚悟、心理状態が丁寧に描かれているからといえるでしょう。
15体の巨大ロボット、15パターンの戦い方がそれぞれ迫力があるうえ、「そうだったの!?」と驚くような設定もあって、読んでいて全く飽きません。幼い15人が過酷な運命を背負いながら、必死で地球を守ろうとする様子は感動するはず。全11巻なので、一気読みも可能です!
『ぼくらの』については<『ぼくらの』5分でわかる魅力!乗ったら死ぬ?!ロボット鬱漫画【全巻・ネタバレあり】>で詳しく紹介しています。
- 著者
- 高橋 しん
- 出版日
本作では、チセとシュウジの関係をたどっていくことがメインとなります。そもそも敵はどこからやってきて、なにが目的なのかはほとんど描かれておらず、二人の切ない恋愛に焦点が当てられていくのです。
チセが兵器になったあとも、シュウジと恋人関係は続きますが、今まで通りとはいきません。戦争が苛烈になるにつれ、兵器としてのチセの出番が増え、敵を倒せば倒すほどチセの兵器としての成長が進んでいきます。シュウジを気遣うチセは、自分からシュウジを遠ざけようとするのでした。戦争によって引き裂かれた二人というのは、なんとも切ないものです。お互いに好きであるのに、そばにいられないというあまりに悲惨な青春を、ぜひあなたの目でお確かめください。
『最終兵器彼女』について気になった方は<『最終兵器彼女』完結から約15年。名作漫画をもう1度考察【ネタバレ注意】>の記事もぜひご覧ください。
- 著者
- 浅野 いにお
- 出版日
物語の前半は、彼の学生時代を描きます。プンプンは好きな女の子にも一途で、良い関係を築いていきます。そんな中で、他のキャラクターの闇が軒並深いというのが本作の特徴。作画もプンプン家族以外はリアルに描かれるので、なおさらキャラクターが引き立ちます。無職になり精神的に不安定なプンプンパパや、そんな生活に不安でノイローゼ気味のプンプンママ、殺したいほど嘘をつく人が嫌いというクラスメイトで、プンプンの好きな愛子ちゃんといった人物が出てきます。
今まで紹介した作品群との決定的な違いは、人間関係の不安や葛藤がリアルに描かれているところです。取り立てて浮世離れしている内容ではないため、感情移入しやすく、この点が暗鬱になる漫画と言われる所以なのではないでしょうか。勇気のある方はぜひご覧ください。
『おやすみプンプン』の魅力を紹介した<『おやすみプンプン』5分でわかるあらすじと魅力!鬱すぎるプンプンの人生【13巻完結、ネタバレあり】>の記事もおすすめです。
一般的な作品とは違いマイナーなジャンルですが、いろいろな意味で心を突き動かされること間違いありません。後味は基本的に悪いですので、バットエンド好きなどにはたまらない作品。ぜひ楽しんでみてくださいね。