エンタメ漫画のヒットメーカー、森本梢子
森本梢子は熊本県出身の漫画家です。1985年、『抱き寄せてプロポーズ』でデビューしました。主に「YOU」で連載をしています。 彼女は斬新な設定とシュールなギャグ、絵柄が人気のヒットメーカーです。言わずと知れた『ごくせん』や『研修医なな子』、『デカワンコ』のドラマ化や、『高台家の人々』の映画化など映像化でひっぱりだこなんです。
映像化のオリジナルストーリーや好きな俳優が活躍する姿などは見ていて楽しめるものですが、やはり世界観が独特で力量のある作者のものは原作で読んでもらいたいもの。特に森本梢子の平坦な絵の書き方なのに厚みを感じる内容と、考えつかないようなギャグは彼女ならではのものです。
走れ恋するアホ!『アシガール』
速川唯は遅刻、忘れ物、居眠りの常習犯で勉強もやる気なし。前髪は自分で適当に切り、弁当は現場のおっさんのような重量感で、おしゃれや恋にも興味がない。しかし、唯一の特技は足が速いこと!友達にも教師にも「足だけは速いよね」と言われる始末。だからと言って部活に燃えている訳でもなく、本当にやる気のない女子高生なのです。
- 著者
- 森本 梢子
- 出版日
- 2012-07-25
ある日、特に科学の分野で天才的な頭脳を持っている弟・尊が開発したタイムマシーンで戦国時代にタイムスリップしてしまいます。そしてそこで出会った若君様に一目惚れ。その後現代に戻り、若君様が10ヶ月以内に死んでしまうということを知り足軽として若君様を守るため再び戦国時代へ駆けていきます。戦に赴くというのに脳天気な唯は果たして歴史を変えることができるのか!?
若君様が好きというだけで時代を超え、戦で走りまくり、足軽として大活躍します。食べ物も娯楽も快適な環境も何もない戦国時代、でも若君様がいれば万事オッケー!!な唯のお気楽ぶりがクセになる漫画です。
森本梢子は、もともとタイムスリップものが好きとのこと。しかしたいていの結末は切ない別れの運命か、現代に戻って生まれ変わりの人と出会うというものです。ハッピーエンドにするのも矛盾が生じる……。そこで森本梢子はふと彼女なりの結末を思いつきました。それがこの『アシガール』誕生のきっかけです。
果たして彼女なりのタイムスリップものの結末とは?唯と一緒に若君様にキュンキュンしながら時空の旅に出てみましょう♪
小さな世界で広がる妄想の話『高台家の人々』
斎藤工、
綾瀬はるか、水原希子などの豪華キャストで2016年夏に映画化された恋愛コメディの原作漫画です。
平凡の平に野グソの野で平野木絵。彼女は地味で、生まれてから現在まで人生の片隅歴29年のOLです。口下手な彼女は妄想の中では雄弁。いつもくだらない妄想をして辛いことや現実からふんわりと逃れています。
しかしそんな彼女がなぜかニューヨーク支社から来た黒髪碧眼の王子様、高台光正と親しくなります。実は彼は人の考えていることが分かるテレパスで……。
- 著者
- 森本 梢子
- 出版日
- 2013-09-25
テレパスの光正が人の心が分かるという苦悩を抱えながらも、おおらかで優しい木絵にほぐされていくという恋物語です。ところどころそんな悩みがシリアスな展開でもあるのですが木絵のキャラクターと妄想がコミカルでおとぎ話のような雰囲気になっています。
やはり何と言っても彼女の妄想が秀逸です。木絵は優しい女の子ですが、好きになれない人などには妄想で少しだけ仕返し。特に脇田課長の扱いはひどい。悪の組織にぐるぐる巻きにされた課長を見捨てて自分は光正様とヘリで脱出したり、ガラパゴスリクイグアナの女子社員が幅をきかせるガラパゴス支社に飛ばしてみたり……。
その他にも木絵の妄想の中のキャラクターは、顔や設定が森本梢子のギャグセンスが光るシュールでひねりのあるものになっています。どのキャラクターも全部面白い。おすすめはダッフンヌ神父、一度見たら忘れられない顔とにやにや笑いをしています。 ぜひ原作でキャラクターたちの表情と設定をお楽しみください。かなり危険な漫画なので立ち読みや電車の中では読まないようにしましょう。