BEASTARS(10)(少年チャンピオン・コミックス)
2018年に「マンガ大賞」で大賞を受賞した『BEASTARS』。肉食動物と草食動物が共存する世界で、オオカミの少年とウサギの少女がスリリングな恋に落ちます。センシティブな要素をはらみつつも、笑って泣ける物語。読めば心に残ること間違いなしのヒューマン(?)ドラマが描かれています。 この記事では、本作の魅力と各巻の見どころをご紹介していきましょう。

2016年から「週刊少年チャンピオン」で連載されている板垣巴留の作品。
擬人化された動物たちの学園生活を描いたファンタスティックな物語で、理性と本能との狭間で揺れ動くキャラクターたちの姿や種族間のコンプレックスなど、生々しい心理描写が魅力です。
そんな「ビースターズ」が、2019年10月からテレビアニメ化!キャストには小林親弘、千本木彩花、小野友樹、内田雄馬など人気声優がキャスティングされています。
また、作者の板垣巴留先生ですが、同じく週刊少年チャンピオンにて「バキ」シリーズを連載している板垣恵介先生の娘なのでは……?と噂されています。
この記事では、そんな本作の魅力と各巻の見どころをご紹介していきます。ネタバレを含むので未読の方はご注意ください。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2017-01-06
主人公のハイイロオオカミ、レゴシがとにかく魅力的なんです!
レゴシはチェリートン学園の高等部に通う2年生。不器用で感情表現が乏しく、草食動物たちから誤解を受けることもありますが、実は繊細で優しい少年です。大きな体と強い力を持ちつつも、常に争いを避けようとしています。
しかしウサギの少女ハルに恋したことをきっかけに、しだいに感情を表に出すようになるのです。
不器用な彼が放つ言葉も、魅力のひとつだといえるでしょう。嫌がらせを受けて悔し泣きをする、同じくハイイロオオカミの後輩、ジュノをこんなふうに励まします。
「悔しがったりすることに疲れて…
俺は慣れたふりしてきたから…
悔しいと思えるあなたは強いです」
(『BEASTARS』3巻より引用)
味わい深いセリフやモノローグが作中では数多く見ることができるので、ぜひ注目して読んでみてください。物語が進んでいくほどに成長していく彼の姿も見どころです。
レゴシが通うチェリートン学園は、全寮制の中高一貫エリート校。動物たちを擬人化し、肉食動物と草食動物が共生する社会をコミカルかつリアルに描いています。
彼らの関係は、言い換えれば「捕食者」と「被食者」。両者は一見仲良く日常生活を送っているように見えますが、常に緊張感をはらんでいるのです。
ハイイロオオカミのレゴシは、ウサギのハルに惹かれ、なんとか彼女との距離を縮めたいと考えますが、それが恋愛感情なのか狩猟本能なのか、思い悩むこともしばしば。
一方のハルも、彼が優しい性格をしている少年だと理解をしているのに、彼の牙を見ると本能的に逃げ出そうとしてしまうのです。
種族間の大きな壁を乗り越えることができるのかが、本作の大きな見どころになっています。
先の読めないストーリー展開も本作の魅力のひとつだといえるでしょう。
舞台となっているのは全寮制のチェリートン学園ですが、いきなり「草食動物の食殺事件」という凄惨なシーンから始まります。しかも犯人は学園内の肉食獣の可能性が高いという警察の見解が出されてしまうのです。
そうかと思えば、次はレゴシが所属する演劇部の話になり、次は社会の闇が描かれるなど驚きの連続です。またキャラクターについても意外な2匹が接点を持っているなお、読者の予想をことごとく超えてくる展開に、ぜひ翻弄されてみてください。
全寮制のチェリートン学園で、ある日アルパカの男子生徒・テムが食い殺される事件が発生しました。噂はすぐに広がり、肉食動物と草食動物の間にはピリピリとした空気が流れます。
とくにテムの所属していた演劇部では、彼が出演する予定だった公演がすぐそこに迫っていたことから、肉食動物の部員が犯人だと疑われ大揉めする事態になってしまいました。
主人公のレゴシはハイイロオオカミ。肉食獣のなかでも大型です。演劇部では裏方に徹底し、物静かに過ごしていました。しかし事件の翌日、部員が集まっているなかで突然、アンゴラヒツジの女生徒・エルスに「君はテムの死をどう思う?」と問いかけるのです。
普段は口数の少ないオオカミが、じっとヒツジの目を見つめる……異様な雰囲気に、エルスは彼がテムを殺した犯人なのではないかと怯えてしまいました。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2017-01-06
レゴシと亡くなったテムは親友。彼はテムがずっとエルスに片思いをしていたことを知っていて、なんとかその気持ちを伝えようとしていただけでした。
夜遅くに部室で待ち伏せをすると、テムが渡しそびれていたラブレターを渡すのです。そしてテムの気持ちを代わりに伝えたのでした。エルスは当初、刃物を持って対抗するほど怯えていましたが、彼の意図を知るとわかりあいます。2匹が並んで月を見るシーンは印象的。レゴシの不器用ながら誠実で優しい人柄も伝わってきますね。
1巻では、そんなレゴシとハルの出会いの場面にもご注目。
演劇部の花形役者でアカシカのルイが、急遽代役に決まったヤギのゾーイに稽古をつけようと、本来は禁止されている夜の学園に侵入します。見張り役として、レゴシも同行しました。
そこをハルが偶然とおりかかり、レゴシは本能の赴くままに追いかけて捕獲してしまうのです。「食べたい」という強い欲求が彼を襲います。
テムの事件があった直後にこんな行動をとってしまうこと自体、誰かに見られれば大問題です。激しく葛藤する姿に注目してください。
演劇部の用事があったため、園芸部を訪れたレゴシ。そこには先日襲い掛かってしまったハルがいました。なりゆきで力仕事を頼まれ、後ろめたさを感じながらも彼女と作業をします。
どうやらハルはあの晩のことを覚えていない様子。しかも手伝いのお礼としてとんでもない行動に出て……。
戸惑ったレゴシは逃げ出してしまいましたが、自分を怖がることなく「オス」として見てくれたことを嬉しく感じ、彼女にまた会いたいと思うようになっていきます。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2017-04-07
2巻の見どころは、演劇部が新入生歓迎公演をおこなうところでしょう。主役を務めるルイは稽古中に足をケガしてしまいましたが、なんとか出演。自身の役「アドラー」に並々ならぬ思いがあるようです。
痛みに耐えながらも必死で演じる、その鬼気迫る表情にご注目ください。
しかし彼の足は限界を迎え、2日目は代役を立てることになりました。ルイはベンガルトラのビルを主役に指名します。そして、ビルが演じていたアドラーの敵役を、レゴシが演じることになりました。
肉食動物で舞台を盛り上げられると張り切るビル。ドーピングだといい、本番直前にあるものを取り出しました……。
それを見たレゴシは大激怒。舞台の上で激しく乱闘がくり広げられます。これまでどんなことがあっても争いを避けてきた彼が、闘争心を剥き出しにする姿が印象的でしょう。彼が起こった理由もあわせて見どころのシーンです。
ちなみに彼の本気の怒りは、観客に最高の演技として伝わり、舞台は大成功で終わりました。
街の恒例行事である「隕石祭」がおこなわれるということで、演劇部は祭りの装飾を担当することになりました。
レゴシは準備のために、ビルなど肉食動物の仲間とともに街に出ます。しかしそこで「裏市」と呼ばれる場所に迷いこんでしまいました……。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2017-05-08
「裏市」でおこなわれていたのは、重罪とされている食肉行為。大人の肉食動物はここで肉を食べて自身の欲求を満たしていたそうなのです。まさに社会の闇ともいえる光景に、レゴシは愕然としてしまいます。
さらに裏市で医師をしているジャイアントパンダのゴウヒンからは、こんな厳しい言葉をぶつけられてしまいました。
「お前が抱いているのは狩猟本能が変形した恋愛感情だ」(『BEASTARS』3巻より引用)
肉食動物という自身の性質に徹底的に打ちのめされてしまうのです。
一方で3巻では、レゴシとハルが食事に行く場面も描かれました。これまで異性とほとんど接したことのないレゴシは、相手が草食動物ということもあり、名前を尋ねることすらできません。
一方のハルは、自身が小型の草食動物であるという自意識が裏目に出て、性に奔放な生活を送っていました。異性の扱いには慣れているものの、レゴシが肉食動物なので体が拒否反応を示してしまうのです。
さらに、ハルがルイと付き合っていることも明らかに。三角関係の行方からも目が離せません。
ゴウヒンに言われた言葉が頭から離れないレゴシ。感情を押し殺し、ハルから離れようと努力します。
しかしあることをきっかけに、彼女に対する「恋愛感情」が確かなものになるのです。そしてもう1度距離を縮めようと試みるのでした。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2017-07-07
裏市での一件以来、レゴシはハルと一緒にいていいのかどうか、思い悩んでいました。ゴウヒンの忠告どおり1度は関係を断ち切ろうとしますが、ハルがルイと仲良くする様子を見てそれまでどこか曖昧だった彼女への想いを明確に自覚するのです。
そしてギクシャクしながらも、正直な気持ちを伝えることに成功しました。
演劇部では、ハイイロオオカミの1年生ジュノが、エースであるルイに居残り練習に付き合ってもらっています。そこで彼女が「自分もビースターの座を狙っている」と宣言するのです。
「ビースター」とは、チェリートン学園内でナンバー1とされる名誉ある称号のこと。それと同時に、肉食動物でも草食動物でもない「動物」として英雄となり、政治やスポーツなどさまざまな分野で活躍している卒業生がいます。
ルイは学園内でもビースターに近いと目されている存在。しかし意外な過去が明らかになり……。
ライオンたちで構成された反社会組織「シシ組」にさらわれてしまったハル。組長の生き餌にされ、品定めと称して辱めを受けてしまいます。
一方でレゴシは、彼女を助けるためにシシ組の情報を得ようと、再び裏市を訪れていました。悪漢に絡まれているところをゴウヒンに救われ、さらにハルの救助にも協力してもらうことになります。
はたして無事に彼女を助け出すことはできるのでしょうか……。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2017-10-06
5巻の見どころは、やはりレゴシの奮闘でしょう。大人の事情に巻き込まれ、今回の一件に手出しができないルイを見て、そんな彼にハルを任せておけないと宣戦布告するのです。
「ハルは俺がもらう」(『BEASTARS』5巻より引用)
ゴウヒンの協力を得て彼女の居所までたどり着いたレゴシ。シシ組の組長と激しい戦いをくり広げます。
大切な人を守りたいという強い想いに動かされる、勇ましい姿に注目です。
ハルの救出に成功したレゴシ。終電を逃してしまい、一夜をともにすることになりました。2匹の関係は大きく進展します。
そんな彼らに接触してきたのが、ジュノでした。レゴシにはアプローチを、ハルには宣戦布告を仕掛けてくるのです。
そして隕石祭当日。ルイに代わって主役となったジュノが、裏方であるはずのレゴシも舞台上にあげます。彼女の意図とは一体…?
- 著者
- 板垣 巴留
- 出版日
- 2017-12-08
ビースターの座を手に入れ、肉食獣の時代を実現したいと考えているジュノ。ルイが失踪したことをきっかけに、本格的に動き出しました。想いを寄せるレゴシをハルから奪い取ろうと、アピールを続けます。
一方で、ハルがさらわれた日を境に姿を見せなくなっていたルイ。突然学園に姿を現し、演劇部のメンバーは大喜びしたのですが、なんと退部届けを提出。仲間たちの言葉にも耳を貸さず、その場をあとにしてしまいました。
その直後、彼がとんでもない状況に身を置いていることが判明し……衝撃の展開が続きます。
チェリートン学園で開催された全生物集結評議会。議題に挙がったのは、直近5年間ビースターとなる人材が現れないことでした。最終的に、先日起こった生徒食殺事件の犯人を突き止めた者に、ビースターの称号を与えるという案が採用されます。
一方、そんなことなど露知らず、学園生活を送るレゴシ。どうにかルイに戻ってきてもらえないかと考えを巡らせますが、よい方法が思い浮かびません。
そんな彼に、不気味な視線を送る怪しい影が忍び寄っていました……。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2018-02-08
7巻では、ついにテム食殺事件の核心へと物語が動き出していきます。
レゴシは、学園の警備員を務めるガラガラヘビのロクメに、犯人捜しを依頼されました。テムと交流のあった演劇部の肉食動物たちにそれとなく探りを入れようとしますが、いまさらその話題を蒸し返したこと自体に反感を買い、一触即発ムードになってしまいます。
結局何も成果を得ることはできませんでした。レゴシが思い悩んでいると、突然何者かに襲われてしまうのです。
一体誰が、何の目的でやっているのか、テムの事件との関連性はあるのか、緊迫の展開から目が離せません。
ゴウヒンのもとで修行をすることになったレゴシ。そんな彼の姿は、師匠のスパルタ教育のおかげでまったく異なるものになっていて……。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2018-05-08
8巻では、草食獣との共生を目指す肉食獣として修行するレゴシの姿が描かれます。もともとナヨナヨした性格が残念な主人公の彼。しかし修行をしても変わらなく見えるものの、内面は確かに成長していることが感じられるシーンが描かれます。
具体的な修行の内容はといえば、密室の中で肉の塊を前に座禅をするという修行をしたり、ゴウヒンの仕事を手伝うために口輪をしたまま、飢えた食肉中毒獣の前に落っことされたりと、なかなかスパルタな教育が目立ちます。
しかし師匠には師匠なりのこの世をよくするための考えがあり、それを聞いてレゴシはやはり師事した相手が間違っていなかったのだと実感するのでした。そして同時に、自分は草食獣との共生をどのような形で実現するのかも考え始めます。
そんな彼の変化に呼応するように、徐々に肉食獣であるレゴシに惹かれていくハルの様子や、シシ組の頭として立派な風格が備わったルイの様子も描かれます。
一番身近で、「草食獣との共生」ということを考え始めたきっかけにもなっている2人に、レゴシはどうアプローチしていくのでしょうか。
また、8巻ではストリッパーで、オカピのコスモ、メスヒョウのシイラの日常なども合間合間に挟み込まれ、様々な獣の立場から、この独特な社会の姿が描かれています。フィクションの物語ながら、考えさせられるストーリー展開はさすがの内容です。
9巻は何とも衝撃的な事件から始まります。それは演劇部の部活前のストレッチ中に起こりました。アリクイのキビの腕を伸ばしていたクロヒョウのタオが力加減を誤ってキビの腕をもいでしまうのです。
騒然となる部活内のメンバーで冷静だったのは、レゴシとある人物だけで……。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2018-07-06
ついにテムを食べた犯人が明かされます。それはレゴシですら叶わないほどの大きな肉食獣。しかし彼にも辛い抑制の日々があり、テムを食べた悲しい友情の物語とともに同情してしまう面もあります。
しかしそうはいってもどこか心をヒヤリとさせる面も持ち合わせているその人物。レゴシはそいつと戦うためにさらに強くならねばならないと決意します。
また9巻は他にも見所がたくさん!レゴシとルイの再開に、レゴシの家庭環境秘話、ハルとジュノの女同士の会話、少しずつ変化していく学園内の雰囲気など、間延びした展開がなく、どんどん引き込まれてしまいます。
真犯人が分かったいま、今後彼をどう行動させていくのか、レゴシの手腕に注目です。
10巻では、9巻で感じられたそれぞれの変化の兆しが顕著になっていきます。それは、草食獣と肉食獣の絆です。
BEASTARS(10)(少年チャンピオン・コミックス)
2018年09月07日![]()
それぞれの特性を抱えて、それに苦しみながらも確実に両者がよい方向へと向かっていくエピソードが描かれています。ルイとシシ組との絆、テムを食べた真犯人の隠された暴力的な食欲、ハルとレゴシの深まる仲など、彼らのリアルな生きざまが丁寧に描かれます。
そのなかでも9巻の序盤に描かれた腕をもがれたキビと、もいでしまったタオのお見舞いのシーンはつい涙が出そうになってしまうもの。許し合うことの尊さが感じられる会話です。
また、真犯人を警察に突き出すのではなく、理解し合いたいと思ったレゴシは、昆虫を食べることで、命を食うことを実感として味わうべきだと決意します。そして蛾の幼虫を食べるのですが……。
1口食べただけで気絶してしまったレゴシ。しかし、そこで夢か現か、彼の前に現れた蛾に、大切なことを教えてもらうのです。
そしてその後、真犯人と一度戦い、邪魔が入った戦いの決着を大晦日につけることを約束するのです。その日まで、あと3日。果たしてその戦いの行方はどうなるのでしょうか?
大晦日に決闘をしようと言い合ったレゴシ、テムを食べた真犯人、そしてその決闘を見送ってほしいと言われたルイ。それぞれが複雑な思いを抱えながら残りの3日間を過ごします。
レゴシを食べることで、彼との友情もテムと同じように深まると考えている真犯人、食殺という事件からどんどん大事な人が増えてきたと考えるレゴシ、大晦日当日にオオカミとの抗争をすることになってさらにレゴシのことが頭から離れないルイは、それぞれどんな運命を辿るのでしょうか?
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
- 2018-11-08
ついにテムを殺した真犯人とレゴシとの戦いが始まります。それぞれの価値観がぶつかり合い、殴りあいながらする会話はどこまでも平行線です。しかしこれでもう終わりかというところで、真犯人に食殺の自覚があったことが分かり……。
一方、ルイはシシ組で培った彼らとの絆から、あることに気づきます。そして今、レゴシのもとに向かわなければならないと強く思うのです。それを聞いた側近のイブキは、組長を支える人物としてではなく、ただのライオンとしてルイに迫ってきて……。
肉食獣と草食獣の絆、といってしまえばとても陳腐になってしまいますが、11巻ではそのテーマに終止符が打たれます。それぞれに弱さと強さがあり、それを補い合って生きていくことの尊さが感じられる展開です。
それでいて、食べることをやめることはできないという業の深さがあり、それが今まで彼らを苦しめてきた呪いだったものの、レゴシとルイの様子からそんな繋がりすらも尊く、意味があるように思えるのです。
11巻の最後にはしっかりと決着がつきます。彼らが考え抜いて出した結論をぜひご覧ください。泣けてしまうこと必至です。
11巻で、仕方ない流れとはいえ、食肉を犯してしまったレゴシですが、この一連の騒動に関わった者たちが真実を語ってくれたことで、微罪処分となりました。
しかしそれに安心したのもつかの間、彼には「食肉前獣」という記録が残ってしまうのでした。そうなると、「草食肉食驚愕の大学に入学できない」「就職の際に草食が役員を務める企業への入社が難しい」などの弊害があります。
さらに驚くべきは、「草食との異種族婚が不可能」になってしまうらしく……。
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
12巻では、その衝撃の事実をとりまき、家族について考えさせられる内容が描かれます。
裏社会から戻ってはきたものの、最も尊敬できる大人を自分のせいで失ってしまったルイ。
そのショックを引きずりますが、実は幼い頃から彼のそばにいた大人も、その故人によく似ていることに気づきます……。
一方レゴシは、ある決断をしたことからさらにアウトロー街道を爆走中。ハルにもそうなってしまった理由を言えず、食肉の欲望をおさえながら日々生活しています。
そんなところに現れたのが、彼が距離を置いていた、祖父。実はこの人物こそ、今となっては思い切りアウトローなレゴシの上をいくアウトローさで……。
家族の絆、恋愛に立ちはだかる、種族の違いについて考えさせられる12巻。どんどん新しいキャラも登場し、ますます物語が楽しみになってきます!
因縁をつけて絡んできた猛禽類たちを返り討ちにしたレゴシと祖父・ゴーシャ。
その噂を聞いた現ビースターのヤフヤが、なんとゴーシャを訪ねてきて……?
- 著者
- 板垣巴留
- 出版日
猛禽類たちに対して大立ち回りを見せたレゴシとゴーシャでしたが、祖父であるゴーシャの姿は、レゴシの知っている優しいおじいちゃんのそれではありませんでした。
種族を超えた片想いに悩んでいたレゴシでしたが、強いゴーシャと出会ったことで少し元気を取り戻しました。そしてレゴシは祖父に、ウサギであるハルに惹かれているということを打ち明けます。
本能と恋心に正面から向かい合っていこうと決意を新たにするレゴシの姿は、今巻の大きな見所のひとつです。
そんな折、なんと現ビースターであるヤフヤがゴーシャを訪ねてきます。なんと、ゴーシャはかつてヤフヤと肩を並べて戦いを繰り広げていた過去を持っていたのです。
36年ぶりの再会を喜ぶゴーシャでしたが、ヤフヤはその出会い頭、いきなりゴーシャに殴りかかります。一体、彼らの過去には何があったのでしょうか……?