女子だってどろりとした感情を抱えてる
女の子が少女に変わっていくときって、どんな感じなのか? 『しろいろの街の、その骨の体温の』を読んだら、きっとわかっていただけるはず。
住んでいる街も嫌い。自分の体も嫌い。体の成長が早い友達が羨ましい。本当のキスをしてみたい。
いろんな気持ちが錯綜するのに、学校では目立たないように大人しいグループに入って言いたいことも言えない自分。そんな自分に苛立つ結佳をはじめ、この本にはいろんなタイプの女子がでてくる。
そこには、中学生の頃の自分に近いタイプの子がいるかもしれない。
著者の村田沙耶香さんは、少女の「性」や「欲望」を鋭く描く。読者の私たちが、どんどん村田さんの世界に惹き込まれていくのは、この著者が少女たちの気持ちをリアルにわかるからだろう。
- 著者
- 村田 沙耶香
- 出版日
- 2012-09-20
「相手の体温を知ると、恋愛感情はどろりとしたものに変化するのだ」。
思春期は、体も心も日々変わっていく、あやふやな時期。
自分のことも好きになれない。自信なんて全然ない。だから、人に対しても素直になれない。
悩んで悩んで、先回りして考えて悩まなくていいことまで悩んでしまうものなのだ。
思春期真っ只中の少女、そして親にもぜひ読んでほしい一冊。
男子の抑えきれない性欲
重松清さんの本といえば青春モノや感動モノのイメージ。そのため、多分この本『なぎさの媚薬』を初めて読んだ方は、驚かれるのではないだろうか。あまりに今まで読んだ本と違うので、私もかなりの衝撃を受けた。
「したい。したい。たまらなく、したい。体がうずく。爆発しそうになる」
「ブラジャーっていう言葉はなんていやらしいんだろう」。
なぎさとの絡みのシーンや中学生の男子の妄想が生々しいほどリアルに描かれている。ここでは書けないことほどのことが綴られているので、ぜひ読んでみてほしい。きっと男性の皆さんは、その頃の気落ちがフラッシュバックするに違いない。
だからといってそれだけで終わらないのが、やはり重松さんなのだ。
人の心に寄り添うかのように丁寧に描写するのは、いつもと変わらない。
- 著者
- 重松 清
- 出版日
本書は、吸い込まれてしまいそうなほど深みがある瞳そして透き通るように白い肌の娼婦・なぎさと、なぎさに出会った男性・敦夫と研介の話。
なぎさと体を重ねた人は、普通じゃ考えられないことがおきるという。中学生や大学生の頃に戻り、その頃に出会った女性と体を重ねる夢をみるというのだ。いわば、男の青春である。
大事な女性にとっての初体験…不安を感じることのないようにしてあげたいという想い。気恥かしくて素直に想いを伝えられなかったこと。その頃の気持ちを思い出すことで、忘れていた何かに気付く。
思い出の中に初恋の人がいることが、その人の幸せを祈ることが、ささやかな生きる支えになるんだ、と。
「性」に真っ向から向き合っている本といえよう。
草食系のままでいることは、はたして幸せなのか?
次に、性欲のみならず消費欲や生きる力すらも薄いといわれる男性たちについて言及した本を紹介する。
彼らは「草食系男子」と呼ばれている30代前半より若い世代(団塊ジュニア~バブル世代ジュニア)である。
著者は、彼らはセックスのように他社のプライベートな間合いに踏み込んだ付き合いを「冒険」としてとらえ、冒険しないことを「平和」と考えていると指摘。
性欲の発現の仕組みが違う男女がお互いに気持ちを許しあった仲になるためには、それぞれの性差についての理解が必要だとし、男と女の違いについて説明している。
男は「緊張」、女は「安心」で性欲を発現させるという。男と女のいろんな違いをわかっているのといないのでは、大きく違う。
- 著者
- 今 一生
- 出版日
- 2009-12-19
そもそも恋愛以前に、自分の性欲を持て余したまま人と人の付き合いすら満足にできない男性がいるのだとしたら、まずコミュニケーションの経験値を高めていくことから始めないといけない、と語る著者。
それは相手が女性であろうと男性であろうと同じこと。
「人はそれぞれ違う人格を持っている、という認識が大切」という言葉に強く共感する。
最後に、いつ女性から誘われてても逃げることのないよう、あることに挑戦するべきと提案している。その「あること」とは…詳しくは本書で読んでいただきたい。