猫との会話でストレス発散! -こころを癒す猫マンガ-
「小梅さん」の母性に包まれるだけでは、まだ足りない。もう一歩踏み込んで、この優しい猫たちと、もし会話ができたなら… そんな願いを叶えてくれるマンガが『キミと話しがしたいのだ。』である。
- 著者
- オザキミカ
- 出版日
- 2012-03-16
「猫が喋る」という現実離れしたSF設定にもかかわらず、すんなりと読み進めていけるのが嬉しい。その理由は、猫のセリフにある。一言一言が、なるほど現実の猫もきっとそんなことを考えているだろうと思わせるものばかりなのである。
一人暮らしのサラリーマン男性と猫との会話のやり取りが、何とも言えず絶妙で自然と笑いが込み上がってくる。
私たちは、親しい者との楽しい会話を通して、脳内でベータエンドルフィンという物質を作り、ストレスを緩和している。ベータエンドルフィンは、モルヒネに似た成分で、「脳内麻薬」とも言われている。
そう。猫の癒しは、もはや「麻薬」なのだ。
この本で猫との会話を追体験し、可愛く危険な「麻薬」で免疫機能を高めたいものである。
猫マンガと言うと女性が読むイメージも強いのかもしれない。けれどこの本は、仕事でストレスを抱えている男性にも受け入れられやすい一冊 であろう。
猫の世界で現実逃避! -こころを癒す猫マンガ-
ここまでの三冊は全て、猫と人間の関わりを描いたマンガであった。
次は少し毛色を変えて、猫たちが人間の見ていない所で繰り広げるファンタジーの世界を楽しんでみよう。
- 著者
- yukiusa
- 出版日
- 2011-06-24
とにかく可愛いこの表紙の黒猫、よく見てみると背中にコウモリのような羽がある。
「にゃんぱいあ」とは、猫のヴァンパイア、すなわち吸血猫のことなのだ。
と言っても、特にホラーなことが起きる訳ではない。
これまた可愛い「堕天使」猫や伊達正宗かぶれの「コスプレ武者」猫、さらには毒舌「女装」猫まで。様々な風変り猫が織りなすのは、ちょっぴり黒いほのぼのワールド 。
彼らのキュートな容姿とは裏腹な腹黒さ。そこに、何故か知らぬ間に、私たち読者は魅了されているのである。それはまるで倒錯したフェティシズムの世界。
人は、日常から大きく逸脱した世界でこそ、本当の意味でストレスから自由になれるのかもしれない。テーマパーク然り、ゲームの世界然り。
そういった意味で、この本の猫たちは、私たちに十分現実離れした仮想世界を見せつけてくれる。しかもその仮想世界にはリアリティが感じられる。仮想世界に浸らせておきながら、もしかしたら現実の猫たちの集会も本当にこんなことを話し合っているのでは、と思わせる作者の手腕には驚くばかりである。
一筋縄ではいかない猫の二面性。これこそが、猫の真実、猫の醍醐味。
猫の冒険譚でストレスを吹っ飛ばす! -こころを癒す猫マンガ-
最後は、猫好きの人もそうでない人も楽しめる長編スペクタクルでストレスを解消しよう 。
紹介するのは、「BASARA」「7SEEDS」などで小学館漫画賞を2度受賞している少女漫画界の大御所、田村由美の作品である。
- 著者
- 田村 由美
- 出版日
- 2008-01-25
田村由美と言えば、大河ドラマ顔負けの壮大なストーリーマンガを描くことで知られている。実生活でも大の猫好きである作者は、擬人化した猫を主人公にしても、これまたスケールの大きな冒険譚を繰り広げてくれる。
しかし、この作品の特徴は壮大さだけではない。その細やかな心情描写にある。
作品を読み進めるうちに私たちは、いつしか主人公「とらじ」やその他の人物たちとともに、アドベンチャーの世界で切なさや感動を共有しているのだ。
誰かと悩みや思いを共有するという体験は、ストレスを無くすために非常に大切なことである。些細なことで悩んでいるのは自分だけではないんだ、つまらない意地を張ってしまうのはみんな一緒だ…。
この本を読んで、そんな風に思うことができれば、しめたものである。
この体験 こそが、大人になるとなかなか実感することができない「成長」というものの証なのかもしれない。