大人気漫画『進撃の巨人』では、不明だった巨人の名前や、巨人化能力者の存在も明らかになりました。巨人の力を継承する者が入れ替わったものもあるので、1度すべての描写を紹介しながら、誰が何の巨人化能力者なのかを整理してみたいと思います。

連載当初から2017年現在までのあいだに、巨人化能力者の入れ替わりもあるので、それぞれの巨人の名称と、巨人化能力者について解説していきます。ネタバレを含んでいますのでご注意ください。
- 著者
- 諫山 創
- 出版日
- 2010-03-17
巨人化能力者は、巨人化できる注射を打って無垢の巨人となり、同じく巨人化能力を持つ者を捕食することで人間に戻ることができ、その力を継承していきます。たとえ能力者が死亡した場合でも、どこかの「ユミルの民」にその力が継承されます。
また注射を打って巨人になれるのは、「ユミルの民」と呼ばれているエルディア人だけ。ユミルについて気になる方はこちらの記事もおすすめです!
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2017年9月現在、巨人の力を保有しているのは、パラディ島では、エレン、アニ、アルミンの3人。海の向こうのマーレ国では、ライナー、ガリアード、ピーク、ジークが保有しています。残る1体については、マーレ国にいるタイバー家が、「戦槌の巨人」を保有しているとの情報が明かされました。
ここでは、各巨人能力者がその力を手に入れた背景を説明しながら紹介していきます。
出典:『進撃の巨人』2巻
継承者名:エレン・イェーガー
出身:パラディ島シガンシナ区
保有する巨人の力:「進撃の巨人」および「始祖の巨人」
「進撃の巨人」
この力は、過去マーレ国で「エルディア復権派」の、メンバーとして活動していた、エレンの父グリシャから受け継いだ力です。グリシャも、マーレ政府の内通者だった「フクロウ」から継承したもので、能力の詳細は不明ですが、自由のために戦った巨人だということが、22巻で明かされました。
エレンが初めて巨人化したのは、2巻で5年ぶりに現れた超大型巨人に壁を破壊され、ウォール・ローゼを死守するための作戦が行われたときです。エレンの巨人化は、仲間だけではなく、壁内人類を驚愕させる出来事でした。
裁判が行われ、エレンの処遇について討論されましたが、結果的にエレンはエルヴィン団長とリヴァイ兵士長の管理下に置かれ、人類を守るための希望となったのです。壁の穴を塞いだり、女型の巨人捕獲に貢献したり、12巻では「始祖の巨人」の力を継承していることも明かされました。
「始祖の巨人」
能力:「座標」
始祖の巨人は、全ての巨人の頂点に立つ存在で、ユミル・フリッツが、大地の悪魔と契約して手に入れた力で、エルディアに繁栄をもたらしました。「座標」能力は、無知性巨人を含めた、全ての巨人を操る力のことをいいます。ユミルの死後は、その力が9つに分けられ、それぞれが知性を持つ巨人となって誕生し、エルディアを築いたと21巻で語られています。
グリシャが王家のフリーダ・レイスと戦い、始祖の力を奪い取った様子が16巻で描かれていますが、エレンは「進撃の巨人」と共に、「始祖の巨人」も継承していたということでしょう。
「始祖の巨人」の力は、王家の血を引く者しか発動しないはずですが、エレンの「叫び」は、同じ巨人化能力を持つ、ライナーやベルトルト、ユミルにも電撃が走りました。彼は「叫びの力」いわゆる「座標」の能力も手にしていたのです。
しかしエレンはいまだこの力を確実に操ることはできていません。また、過去のフリッツ王の例から、記憶改ざんの力もあるかもしれません。
出典:『進撃の巨人』9巻
継承者名:ジーク・イェーガー
出身:マーレ国
保有する巨人の力:「獣の巨人」
能力:会話、巨人を作る・操る
「獣の巨人」が登場したのは9巻で、最初にその姿を目にしたのは、調査兵団の兵士ミケでした。ちなみにミケは、調査兵団を襲う巨人の群れに自らおとりになったのですが、あと4体というところで残念ながら捕食されてしまいます。
獣の巨人の能力は、言葉を話せるということと、無知性巨人を操ることができるということです。ジークの脊髄を注射されたエルディア人は、ジークが叫ぶことにより、瞬時に無知性巨人と変貌してしまいます。この効果は、王家の血を引くことに関係した、ジーク特有の能力なのです。
獣の巨人の目的は「座標」の奪取。18巻ではシガンシナ区で、エルヴィン率いる調査兵団を待ちぶせしていました。この時はエルヴィン決死の作戦と、リヴァイの容赦ない攻撃により、巨人らは重傷を負って撤退します。
その後23巻では、ジークがリヴァイのことを「二度と会いたくない相手」だと語っています。また2017年9月時点では、ジークの獣の巨人を継承する予定なのは、マーレ国の兵士「コルト」とされているとのことです。
ジークは、グリシャとダイナ・フリッツの息子で、マーレ国の戦士長を務めています。エレンとは異母兄弟で、21巻では対面を果たしました。
「お前がエレン…イェーガーか?」(『進撃の巨人』21巻から引用)
エレンとジークはこれ以降、顔を合わせていません。
出典:『進撃の巨人』1巻
継承者名:ライナー・ブラウン
出身:マーレ国
保有する巨人の力:「鎧の巨人」
能力:全身の硬質化
「鎧の巨人」は1巻で登場し、強烈タックルでウォール・マリアの壁を崩壊した巨人です。強固な体には防御力があり、立体機動装置も役に立ちません。しかし、膝の裏側や脇など、鎧で覆われていないところがあるため、その部分が唯一の弱点だといえます。
ライナーは、「始祖の巨人」の力を奪うという任務のため壁内に潜入し、調査兵団の兵士として、仲間と一緒に訓練を受けています。エレンが巨人化能力者だと知ってから、戦士としての責任を果たすため10巻で正体を現し、巨人化したエレンと戦闘を開始しました。
始祖の巨人を奪えなくても、せめて巨人の力を有するエレンを連れていれば、祖国に帰れると考えたうえでの行動です。この時のライナーは、エレンに始祖の力があることを知らなかったため、1体の巨人化能力者だと思っていました。
しかし、調査兵団にエレンを奪還された後、エレンが「座標」を所持していることを知ったのです。
「最悪だ…よりによって「座標」が…最悪の奴の手に渡っちまった…」
「絶対に取り返さねぇと…!間違いねぇ…断言できる」
「この世で一番それを持っちゃいけねぇのは エレン…お前だ」(『進撃の巨人』12巻より引用)
エレンが巨人を憎んでいることや、巨人に立ち向かっていくことを恐れない姿、そして何より壁外に興味持っていることから、もっとも持ってはいけない人物だと考えているのでしょう。
ライナーは、調査兵団兵士としての時期が長かったため、本人も無自覚のうちに、戦士ではなく兵士と思い違いをしていました。そのことを、エレンを誘拐した11巻で指摘されたわけですが、ライナーが抱える苦痛は、マーレに戻ってからも続くのです。
調査兵団の兵士として活動していたことにより、壁を破壊したのに仲間を助けたりと、矛盾することをしていたため、精神的に追いやられていたのかもしれませんね。23巻では家族に、調査兵団の仲間のことを、こう話していました。
「突っ走るしか頭にねぇ奴に 何があってもついて行く奴ら…」
「それに… 色んな奴らがいて そこに俺達もいた」
「そこにいた日々はまさに 地獄だった」(『進撃の巨人』23巻から引用)
ライナーの心の葛藤が表れているシーンです。幼少時代から壁内人類は「悪魔」と教え込まれていたライナーでしたが、兵士として仲間と接しているうちに、彼らは自分たちと何ら変わりない人間だと悟ったのでしょう。
連載中の「別冊少年マガジン」95話で、マーレが再びパラディ島へ侵攻し、「始祖の巨人」奪還計画が立てられています。ライナーは「自分はまたあの島に行くのか」と、うつむき加減の様子が描写されているので、彼もまた「仲間」と顔を合わせることになるのでしょう。
出典:『進撃の巨人』1巻
継承者名:ベルトルト・フーバー→アルミン・アルレルト
出身:マーレ国(ベルトルト)、シガンシナ区(アルミン)
保有する巨人の力:「超大型巨人(破壊の神)」
能力:全身を高熱にした爆発および、高熱の放出
「超大型巨人」は、50mもある壁を上から覗き込み、ウォール・マリアの門に足蹴りを入れて大穴を開け、エレンの母を含む多くの人類が犠牲になった事件を起こした巨人です。人類は、突然の巨人襲撃にウォール・マリアを放棄せざるを得ませんでした。
その後18巻では、エレンの家の地下室に、巨人の謎を解く鍵が隠されているとのことで、エルヴィン団長率いる調査兵団が、ウォール・マリア奪還計画を立て、エレンの家の地下室を目指しました。エレンの家を目前に、待ち伏せしていた獣、鎧、超大型巨人と調査兵団が激戦をくり広げます。
エルヴィン団長は戦死。アルミンは、虫の息だったところ「巨人化注射」を摂取して、捕らえたベルトルトを捕食させられます。こうしてアルミンが超大型巨人の力を手に入れました。彼が巨人の力を継承してから、まだ1度も超大型巨人になっていないので、50mを越える巨人になるのかは不明です。
彼は、戦闘能力は低いものの、女型の巨人の正体を暴いたり、潜んでいたライナーを暴き出したりと洞察力に優れています。その才能は、エルヴィン団長も認めていたほどで、本人にはその意識はありませんでしたが、いつも仲間の窮地を救ってきたのです。だからこそ、仲間からの信頼も厚く、頼れる存在となっているのでしょう。
なかには「ゲスミン」と呼ばれるほど、ゲスい考えを浮かべることもありますが、それもまたアルミンの魅力でもあります。
出典:『進撃の巨人』5巻
継承者名:アニ・レオンハート
出身:マーレ国
保有する巨人の力:「女型の巨人」
能力:部分的の硬質化及び、本体を包み込む結晶化
「女型の巨人」が登場したのは、5巻での第57回壁外調査実行中の場面です。アルミンのフードをつまんで顔を確認したことから、アルミンは「女型の巨人」がエレンを捜していると推測しました。エルヴィンは、巨大樹の森におびき寄せて生け捕りにする計画を兵士たちに知らせず実行しましたが、あと1歩というところで失敗してしまいます。
その後、アルミンの解析により、「女型の巨人」の正体がアニだと割り出し、8巻で再び生け捕り計画を実行しました。場所はウォール・ローゼ領域内、巨人のアニとエレンが戦い、アニが壁をよじ登って逃げるのをミカサが阻止します。見事、女型を確保したかと思うも、アニが自分自身を結晶体で包み込み、閉じこもってしまったのです。
アニは、地下深くに収容され、全身を強固な水晶体で覆ったまま、2017年9月現在もなお口を閉ざし続けています。
出典:『進撃の巨人』10巻
継承者名:マルセル・ガリアード→ユミル→ポルコ・ガリアード
出身:3人ともマーレ国
保有する巨人の力:「顎(あぎと)の巨人」
能力:俊敏な動き、強靭な顎と爪で破壊
「顎の巨人」は、10巻で初めてその姿を見せました。突然、巨人が現れたことで、破壊された壁の位置を特定する調査が行われた時のことです。当時兵士たちは、巨人とは遭遇せず、壁の崩壊も確認できないまま、ウルガド城にて休息をとっていました。
しかし、そこでは日没から時間が経っているにも関わらず、夜間動くはずのない巨人らが動き、城を囲んでいたのです。ユミルは、クリスタを守るために巨人化し、自らの正体を明かしてしまいました。
ただ、ユミルはライナーたちのように任務を負っているわけでもなく、いつか祖国に帰ろうとしているわけでもなかったので、こんな事態が起きなければ、巨人化するつもりはなかったのでしょう。ユミルは、マーレで孤児だったころ「始祖ユミル」に祭り上げられ、最終的には罪人として無知性巨人にされていました。
60年ほど彷徨い、たまたま出くわしたマルセルを捕食したことから、顎の巨人の力を手に入れたのです。マルセルはライナー、ベルトルト、アニとは同期で、4人は始祖の巨人奪還計画に向かっている最中でした。捕まりそうになったライナーをかばって、マルセルが巨人のユミルに捕食されたというわけです。
しかし、ライナーたちがエレン誘拐に失敗した後、ユミルは醒めない悪夢から救ってくれた恩を返すとして、ライナーたちと一緒にマーレ国に向かいました。そこで、「顎の巨人」の力を返すため、ポルコ・ガリアード(マルセルの弟)に捕食されたのです。
出典:『進撃の巨人』20巻
継承者名:ピーク
出身:マーレ国
保有している巨人の力:「車力の巨人」
能力:四足での俊敏な動き、荷を運んだりできる
「車力の巨人」は19巻の、ウォール・マリア奪還作戦で、荷物を運ぶ鞍をつけて登場しました。調査兵団らがジーク捕獲に成功しましたが、「車力の巨人」が瞬時に現れ、ジークをくわえて取り返しています。
23巻の「マーレ編」では、顔面に鉄の面をつけている姿が描写されており、その正体はピークという女性だと判明しました。また、「2ヶ月ぶりに人間の姿に戻った」というセリフもあることから、長期間巨人の姿で活動しているものと思われます。
数ヶ月間にわたって四足歩行をしているため、人間の姿になった時は杖で体を支えて歩いたり、四足で床に寝ていたりするといった行動が23巻で見られます。
「人間に戻るのは2ヶ月ぶりだからね」
「その度に 二足歩行を忘れてしまうよ」(『進撃の巨人』23巻から引用)
ただ、戦場ではガリアードと行動することも多いようです。
ガリアード「久しぶりに会った気がするな」
ピーク「戦場じゃいつも一緒だったろ」(『進撃の巨人』23巻から引用)
「車力の巨人」やピークに関しての詳細は不明ですが、戦いの場で「車力の巨人」は、重要な役割を果たしているようです。
「別冊少年マガジン」95話で、9体目の最後の巨人が「戦槌の巨人」ということが明かされました。その姿や能力などの詳細は不明ですが、タイバー家一族が管理しているのが9体目の巨人でした。
タイバー家一族は、100年前の巨人大戦で、最初に王家に反旗を翻した一族で、名誉マーレ人として政治や戦争の一切を干渉せず、諸外国に顔が利くようです。また、「戦槌の巨人」の力を1度も敵国に向けたことがない、十分な立場のある一族とのことです。
マーレ国にいるエルディア人は、悪魔の末裔として蔑まれており、マーレ人とは別の収容区で生活しています。しかしタイバー家一族は、エルディア人にも関わらず広い土地と屋敷を与えられ、優雅な暮らしを送っているのです。また、彼らはこれまで、戦争には一切干渉してこなかったということですが、2度目の「始祖の巨人」奪還計画には、タイバー家一族の関与が必要不可欠という事態になっています。
これまで謎だった最後の巨人が「戦槌の巨人」だと明かされたことで、物語がさらに大きく動き出す予感がします。最後の鍵となる巨人はいったいどんな姿なのか、その能力も気になるので、今後の展開に期待したいですね。
ここで、23巻時点で生存している調査兵団についておさらいしたい方はこちらの記事もおすすめです。
<漫画『進撃の巨人』調査兵団で生存しているメンバー一覧【最新23巻時点】>
- 著者
- 諫山 創
- 出版日
『進撃の巨人』の巨人継承者と、巨人についてご紹介しました。壁内人類vs巨人から、海をも越える規模にまで展開が広がりました。この先、世界をも巻き込むことも予想されるので、今後も注目して頂ければと思います。