梅雨も明け、夏本番となってきました。うだるような暑さが続くと、ちょっぴり刺激的でひんやりするもの・ことを求めたくなるのが人間の性(さが)というものです。今回は、寝苦しい夜にぴったりの「怖い話以上肝試し未満」な本を3冊ご紹介します。ホラー作品というくくりではないものの、読者をひんやりとさせるという意味では「涼を感じる」ことができるかと思います。ぜひお好みの「涼作(良作)」を見つけてみてください!

秋の夕暮れ時、いずみは高校の同級生の裕司と夜市という怪しげな市に行くことになります。かつて裕司はこの夜市に参加したことがあり、そのさいにとあるものをここで買い、とあるものと交換していたこと、実は今回の夜市への参加はそのときの精算をするためだということをいずみに打ち明けます。果たして二人はこの夜市から出ることはできるのでしょうか。
- 著者
- 恒川 光太郎
- 出版日
- 2008-05-24
7つの短編が収められた『幻想小品集』のなかでもおすすめなのが、「Sleeping Pill」と「Somnolency」です。どちらも睡眠に関わる作品なのですが、そのオチは秀逸。物語の登場人物たちが目を閉じていくタイミングで我々読者の目が醒めていく。そんな感覚の交差が体験できると言っても過言ではないと思います。
- 著者
- 嶽本 野ばら
- 出版日
横浜山手を舞台に、ブティックを経営する未亡人・房子と息子・登、そして房子に恋する外国航路専門の船員・竜二とが織り成す人間模様とそれぞれの葛藤、そして少年たちの残酷性を描いた作品です。前編「夏」、後編「冬」に分かれ、前者を「海」、後者を「陸」と置き換えることも可能な作りになっています。
- 著者
- 三島 由紀夫
- 出版日
- 1968-07-15
いかがでしたか? 今回は夏に赴く場所(森林や川、そして海)が舞台となる作品を選んでみました。いずれもなんとなくノスタルジーを感じるような作品、かつ、不思議と一気に読み進めたくなる作品なので、ぜひ暑い日のお供にどうぞ。