名前は聞いたことがあるけど、なんだか難しいイメージのあるウィリアム・シェイクスピア。古典と呼ばれる作品がたくさんあるなかで、頻繁に舞台で上演されていて、日本でもどこかしらの劇場で1カ月に1〜2本は上演されている。役者としては必ず通る作品であることは間違いない。まだまだシェイクスピア初心者の自分ですが、シェイクスピアに魅せられた1人として作品を紹介できればと思っております。

本書はこれからシェイクスピアを読もうとする人にワクワクを与えてくれるところから始まる。もちろん、シェイクスピアの描いた9つの物語がこの本の主人公であることに間違いない。しかし著者の小田島雄志氏(おだしまゆうしし)の書かれた序章と、あとがきの面白さは、確実にこの本の見所だ。計6ページとページ数的には少ないのだけれど、そこに「面白い」の手がかりが詰まっている。
- 著者
- 小田島 雄志
- 出版日
- 1981-08-20
シェイクスピア4大悲劇と呼ばれる『リア王』はまさに悲劇だ。描かれ方として、最高権力を持った傲慢な父と欲深い娘たちが周りを巻き込み、真っ当な主張をする者が追い出され、愛を形として追い求める者たちが死んでゆく。そんななかで何が正しくて、何が正しくないのかは、読み手によって解釈が分かれる物語だ。
- 著者
- ウィリアム シェイクスピア
- 出版日
- 1967-11-28
野望、覚悟、信念。物事が思い通りに進んでいった時に何を思い、何を信じ、行動するのか。マクベスという主人公を通じて、問いかけられているような気持ちになった。
- 著者
- シェイクスピア
- 出版日
- 1997-09-16
シェイクスピアはなぜ、面白いのか。国で言えばイギリスと日本、時代で言えば400年も昔の話なのに、そこに描かれている登場人物は、現代の日本で生きている人と根本が変わらないからだ。人類としての本能的な感情や行動は400年前も今も、さほどの違いはないのだろう。最近、シェイクスピアの作品に触れて、今まで何で読んでなかったんだと後悔するほど、新しい世界に招待されたような感覚であった。まだまだたくさんあるシェイクスピアの作品を早く読んでみたい。
連載の初回に書いた「ワクワクする記憶力の本」で紹介させてもらった本のなかに、ソクラテスの「文字の発展は人間の成長を止め、中身をカラッポにする」との言葉があった。記憶力に関してはまさにそのとおりだが、400年にわたって、シェイクスピアの物語を今読めているのは、文字の発展があったからに他ならない。改めて、たくさんの文明があって今があると感謝したい。