夏休みです。海外旅行のチャンスです。日本を離れ異国に行くことは、自分が「日本に生まれ日本に育った日本人であること」を自覚できる貴重な機会。現地に着くと、すぐ日本食を食べたくなってしまいます。
現在、ROH世界TV王座というベルトを保持しているため月に一度アメリカに渡っています。スーツケースを預け、出国手続きをして機内で読む本をドサッと買い込むわけですが、成田空港の書店には不思議な磁場が働いているような気がします。高確率で良い影響を受ける本と出会えるのです。「これでも読んで、旅の浮いた気持ちを引き締めていけよ!」という旅の神さまからのメッセージだと思っています。
がんで余命ゼロと言われた私の死なない食事
- 著者
- 神尾 哲男
- 出版日
- 2017-03-09
海外に滞在して、まずカラダが欲してくる筆頭がお茶です。
海外のプロレス団体は試合開始が遅いため、たいていの場合、大会終了が深夜0時を回ってしまい、食事の選択肢が限られてきます。向かう先はドライブスルーで、悲しいかなハンバーガーとフライドポテトが現実だったり。「さて、ドリンクはどうしましょう?」といったときにやっぱり水以外に気軽に飲めるものがなく、最終的にはゼロカロリーのコーラをチョイスするわけですが、そのたびに手軽に自動販売機でお茶が手に入る日本が恋しくなります。
本書はフランス料理のシェフである著者が「食」が持つパワーを信じ、がんのなかった昔の日本食こそ治療に効果的である!ということを実証した一冊です。生きている場所のものを食べるのがいちばんカラダに良い、といわれる「地産地消」の考え方や、近くで採れた旬のものが健康に良い「身土不二」の考え方は、ボク自身も積極的に信じ、コンディション調整の要の一つとなっています。プロレスラーという職業は季節ごとに全国を訪れ、その土地のご飯を頂けることも多いのでそういった自覚を持って命を頂いています。
季節の果物も大好きなのですが、その点からも日本に四季があることを誇りに思います。列島が東西南北に伸びている地形だからこそ、地域ごとに収穫物に変化があったり、名産品の存在をサービスエリアで眺めたりするだけでも「日本って豊かだなぁ」なんて。
「日本(食)って、やっぱスゴイ!」。ハンバーガーをかぶりつきながら、いつも日本を思います。
「空気」と「世間」
- 著者
- 鴻上尚史
- 出版日
- 2009-07-17
数年前の朝日新聞に「いじめられている君へ」という連載があり、鴻上尚史さんの「逃げろ。逃げることは恥じゃない。とにかく逃げろ」という趣旨の原稿が掲載されていました。当時、すごく感銘を受けました。
本書では、おもしろい角度から日本独特の空気や間について考察されています。それが見事に日本人を浮き彫りにしていて、仮に会社などで対人関係に困っている人がいたら解決のヒントというか、スッと胸のつっかえが取れる本です。「多様性の容認」と「同一性の強制」の中で、果たして日本人はこれからどう生きていくんでしょうか? 現代の日本人を見事に現した研究書だと思います。