不動産王からアメリカ大統領となったドナルド・トランプ
商業都市ニューヨークの中心で生まれたドナルド・トランプは、不動産開発業者であった父の後を継ぐために、幼いころから不動産についての関心を育てるような英才教育を施されます。
そして大学を卒業する前には、すでに父の経営するエリザベス・トランプ・アンド・サン社の社員として働き始め、1971年には25歳にして経営権を父から譲り受け、経営者としての人生をスタートさせました。
その後も、ホテル、カジノ、更には航空会社と様々な事業に乗り出し、挑戦の数と同じくらいの失敗を繰り返しながら、自らのスタート地点であった不動産業に戻り、大成功を果たしたのです。
そんな彼の人生や生き方を批判する声はありますが、力強い指導者を求めていた国内の風潮と国民の指示を受け、2015年に共和党からアメリカ大統領選挙へ出馬することを表明します。
メディアのネガティブキャンペーンや、また自らの演説における暴言などでたびたび批判を浴びながらも、その歯に衣着せぬ発言や堂々とした態度は多くの支持を集め、翌2016年にアメリカ大統領選挙に当選しました。
ふと気づかされてしまうトランプの言葉
トランプは政治の舞台に立つ以前より数々のメディアを批判し続けてきたことで、メディアとの関係は犬猿の仲と言えるほど悪く、トランプに関してメディアが発信する報道は常に批判的内容と言えます。
しかし、一代で何度も失敗しながらも諦めずにビジネスを続け、地位と富を獲得し、そして大統領までのぼりつめた彼の経営学や哲学は、どんな方の参考にもなるはずです。
本書は、トランプ本人が自身のサイトにて発表した記事の一つ一つを細かく説明する形で進行し、彼の理念や哲学を分かりやすく知ることが出来る一冊です。
- 著者
- ドナルド・トランプ
- 出版日
- 2016-06-24
例えば、「自分の成功を人に話せ。」(『トランプ思考』より引用)
上記の一文からわかる、自らの成功体験を人に話すことによって、相手には仕事の出来る人間であると思われ信頼を勝ち取り、また自らも成功という立場から落ちぶれることが恐ろしくなり、さらに努力することが出来るようになる、という発想や、
「私情をはさむな-これは仕事だぞ。」(『トランプ思考』より引用)
どんな私情でも、仕事に関連させてしまったら自らだけではなく、相手も、雇い主もすべての人間が不幸になる、という彼の仕事に対する信念など、頷いてしまうような話が満載です。
最後の章には、トランプが自分自身を省みる内容が書かれています。常に多くの人に囲まれているイメージのあるトランプが、自らの孤独感について語っており、挑戦と失敗、実現を繰り返す自信家が、一人になった時にはどんなことを考えているのかを知ることができます。ぜひ読んでいただきたい一冊です。
トランプが弱ってしまうほどの取材力
演説の場においての様々発言や態度により、指導者としての将来性だけではなく、人間性にまで批判を受けるトランプですが、実際は彼はどのような人物なのでしょうか?また、彼についての噂話はどこまでが本当なのでしょうか?
日本でも、朝日新聞や経済ジャーナリストの池上彰を筆頭に様々なメディアにおいて、「トランプについての真実を知ることの出来る本」として紹介されたのが本書です。
- 著者
- ["ワシントン・ポスト取材班", "マイケル・クラニッシュ", "マーク・フィッシャー"]
- 出版日
- 2016-10-11
本書の執筆にあたって、世界で最も権威のあるメディアの一つでもあるワシントンポスト紙が、総勢20人を超える記者と、3カ月の取材期間、と他に類を見ないスケールで彼の徹底取材を行いました。トランプについてのすべての事をありのまま伝えるというテーマのもとに書かれた一冊です。
彼のマンションに黒人を入居させなかったことで人種差別として訴訟を受けた事実や、100億円を超える資産を持っていると言われながら、実際はその10分の1にも満たないほどの資産しか保有していないことなど。トランプ本人が不買運動を呼びかけるほどに、都合の良いことも、悪いこともありのまま書かれている本書は、まず、その話一つ一つのスケールの大きさに驚かされるでしょう。
内容も、取材を通して発覚した事実や彼の本質について、ニュートラルな体裁を保ちながら書かれいます。様々な思想や政治主張にこだわらず、ありのままのトランプについて知りたい、という方におすすめしたい一冊です。