爆発個性が炸裂する独善的俺様ライバル【爆豪勝己】
出典:『僕のヒーローアカデミア』2巻
斜に構えた言動、釣り上がった凶悪な目付き。粗野かつ粗暴。チンピラを絵に描いたような彼こそ、爆豪勝己(ばくごうかつき)。これでも立派なヒーロー志望。
デクとは幼馴染みで、作中の描写からすると小学校に上がる前からの付き合い。デクからは「かっちゃん」と呼ばれています。昔から爆豪はガキ大将気質でしたが、当時2人の仲は良好でした。しかし、ある時期から急に爆豪の態度が硬化していきました。
それは“個性”の診断結果が出たこと。この世界では予防接種などと同じレベルで、幼少時に“個性”適性検査のようなものがされるようなのですが、その結果で爆豪の天才的能力が判明しました。両親を除いた周囲から持て囃されて、爆豪はあっさり増長。自我の育ちきってない子供のため、仕方ないことなのですが。
自身を特別な存在として優越感を抱くようになります。一方、同じ検査で“無個性”と診断されたデクを見下すように。以降、中学校までデクのことをいじめるように。
そんないじめっ子といじめられっ子の関係に変化が生じたのは、中学3年生の進路時期。デクがオールマイトに見初められたあの事件です。事件でヴィランの人質となったのは、誰あろう爆豪でした。誰も助けてくれようとしない中、唯一“無個性”と見下していたデクに救いの手を差し伸べられた爆豪の中で、何かが変わりました。
デクに助けられそうになった、という事実を不名誉に思い、普段の彼に対する態度はさらに苛烈になりましたが。
爆豪の“個性”は「爆破」です。ダイナマイトの原料である、ニトログリセリンのような性質の汗を出し、それを使って爆発を起こす“個性”。非常に強力で攻撃的な能力で、雄英入学前からプロのヒーローレベルと称されていました。
特注のヒーローコスチュームによって汗を貯めたり、爆発に指向性を持たせることで意外とテクニカルな戦闘を行います。猛獣のような性格が祟って、短気で考えなしと思われがちですが、実は相手の弱点を的確に見極める頭脳派。連続爆破で突進を加速したり、空中で任意の方向に爆破を行うことで軌道変更をするなど、接近向きの能力ながら機動性抜群。
他にも超指向性の遠距離攻撃、音と光を炸裂させて相手を一時的に麻痺させるなど、攻撃方法は多種多彩です。
「どんだけピンチでも、最後は絶対勝つんだよなあ!!」(『僕のヒーローアカデミア』より引用)
出典:『僕のヒーローアカデミア』10巻
雄英一般入試では上位の成績、ヒーローのエリート養成のヒーロー科の中でさらにエリートクラスとも言われる1-A組の中でもトップクラスの実力者。その性格から内外でヴィランと陰口を叩かれますが、それでも爆豪は心の底ではオールマイトを慕い、彼を越えるヒーローを標榜しています。
“無個性”と思っていたデクが、自分の憧れでもあるオールマイトと同質の“個性”を発揮し、時には彼を打ち負かすほどの実力を付けていることを歯痒く思っています。当初は狂犬のようにライバル心剥き出しでデクに対抗していましたが、現在は様々な出来事を乗り越えて、徐々に変化が大きくなってきているようです。
「負けた方がマシだなんて――……君が言うなよ!」(『僕のヒーローアカデミア』より引用)
これは今までにない強敵を前にして、挫けそうになった爆豪を叱咤するデクの言葉です。いじめられいても、ずっと身近で爆豪のことを見ていたデクは、ひょっとすると爆豪自身よりも爆豪のことを理解しているのかも知れません。誰よりもヒーローに惹かれ、強くあることを望み、勝利に貪欲な自我。
爆豪はデクとは根本的にヒーローのあり方が違うキャラですが、わだかまりを越えて一皮剥ければ、彼は彼なりに一本芯の通った力強いヒーローとなることでしょう。
No.1を宿命付けられた熱き氷の天才【轟焦凍】
出典:『僕のヒーローアカデミア』5巻
左右で色の違うオッドアイ、髪の右半分が白髪で左半分が赤い髪をした少年、轟焦凍(とどろきしょうと)。今期の雄英高校で数少ない推薦で入学した特待生の1人で、その“個性”は右半身で冷気を操り、左半身で炎を燃やすという「半冷半燃」。容姿から能力まで、徹底的に非対称です。
作中屈指の超強力“個性”で、ビルを丸ごと凍結させたり、巨大な炎の渦を作ったりと、広範囲の制圧力では並ぶ者なしの実力者です。その反面、能力が強すぎるために攻撃は大雑把で大振りになりがち。小回りが利かないという弱点があります。彼が窮地に陥る時は、大抵その隙を突かれて懐に入られる場面ばかりです。
その理由は彼の出自にあります。焦凍の父親はエンデヴァーというプロヒーロー。史上最多の事件解決数を誇り、オールマイトに次ぐ人気と実力の「No.2ヒーロー」です。エンデヴァーは自身ではどうあってもオールマイトを越えられないと悟り、それでもオールマイトを凌ぐためにある策を討ちました。
それは「個性婚」と呼ばれる政略結婚。超人社会の黎明期に問題視された、強い“個性”をかけ合わせることで、より強い“個性”を意図的に生み出そうという試みです。現在では個人の人格を無視した行為として強く忌避されているはずですが、オールマイト越えという妄執に取り憑かれたエンデヴァーはその禁忌を破ったのです。
その結果、「失敗作」と断じられた3人の姉兄の次に生まれたのが焦凍です。父の炎と、母の氷の“個性”を強く受け継いだ生まれながらの天才。エンデヴァーは焦凍を「最高傑作」と呼びました。
子供の生まれを喜ぶ親の言動とはとても思えません。そこから察することが出来る通り、焦凍はNo.2ヒーローの跡取りにして天才的“個性”の持ち主ですが、その半生は決して恵まれたものではありませんでした。
父親にはオールマイトを越えるために訓練を強要され、愛する母には左半身が父親に似てきたことから嫌悪感を抱かれてしまったのです。そして焦凍は、精神を病んだ母の手によって、今でも残る火傷を左顔面に負わされました。
そういった経緯から、焦凍は母を追い込んだエンデヴァーを憎んでおり、強く反発しています。戦闘訓練でも不意に遭遇した実戦でも、父に由来する炎の“個性”を極力封印しており、母親の氷の“個性”だけでエンデヴァーを見返すと心に誓っているのです。父親を否定して、なおかつヒーローのトップになることが彼の望みでした。
その心境が大きく変化したのが、雄英高校名物「雄英体育祭」でのこと。体育祭のフィナーレを飾る決勝トーナメント戦でデクと焦凍が激突しました。その際、意図的に能力を封印している焦凍をデクが喝破したのです。
「君の! 力じゃないか!!」(『僕のヒーローアカデミア』より引用)