アクセルを吹かせ、女子高生!萌えるバイク漫画
丘乃上女子高等学校の1年生、佐倉羽音(さくらはね)は入学初日から学校までの長い上り坂に悪戦苦闘していました。そんな彼女を尻目に、排気音を響かせて駆け上がっていく1台のオートバイ。それに乗っていたのは、バイク通学の規制のない女子校ということで入学した、天野恩紗(あまのおんさ)でした。
バイクに興味が湧いた羽音は恩紗から、丘乃上女子高バイク部に一緒に入ることを誘われます。恩紗はバイク部の謎の3年生、来夢(らいむ)先輩の愛車に相乗りしたことでバイクの爽快感を知り、免許取得を志すようになったのでした。
「バイクはバカにしか乗れん」(『ばくおん!!』より引用)
- 著者
- おりもと みまな
- 出版日
- 2012-03-19
本作は2011年から「月刊ヤングチャンピオン烈」で連載されているおりもとみまなの作品。2016年にはアニメ化もされました。
主人公の羽音は、これまでバイクにはまったく縁がなかったおっとりマイペース少女。通い始めた教習所の教習車に「バイ太」と名付けるセンスからもわかるように、天然でもあります。彼女は、坂道が楽そう、カッコイイ、という単純な動機でバイク乗りの道を歩み始めるのです。
タイトルと主人公像で若干の既視感を覚える方もいらっしゃるでしょう。しかし、それもここまで。舞台となるのはバイク部。自動二輪に情熱を燃やす少女達の熱血具合は、どちらかと言えばスポ根漫画を連想させるでしょう。
ストーリーは主人公が免許取得から始まるところから、バイク初心者向けかと思いきやさにあらず。登場バイクが細かく再現された実在のマシンなのはもちろん、バイク通にしかわからないような知識や用語のオンパレードなのです。
「バイクに乗らない理由ならいくらでもある。だからこそ乗る理由が1つでもあるなら乗るべきなんだ」(『ばくおん!!』より引用)
本作では最初、初心者は置いてけぼりにされることでしょう。その伝わりにくい、わかりにくさ加減が逆に笑いになっており、「バイク乗りあるある」がコメディタッチに描き出されています。
主人公の愛情が伝わってくるバイク漫画
女子大生のトミィこと松戸美弥子(まつどみやこ)。スクーターの魅力に取り憑かれた彼女は、どこに行くにも愛車のシグナスXを駆り出します。
自転車より楽ちんで、自動車より不便な乗り物。それでもこれが1番いい!スクーター愛女子のほのぼのあるある漫画です。
- 著者
- 新久 千映
- 出版日
- 2014-09-29
本作は2013年から「ヤングアニマル」で連載されていた藤田一己原作、新久千映作画の作品。
面倒な免許を取得して、苦労して貯めた軍資金で手に入れた愛車は、どんなバイク乗りにとっても最高の相棒。その入れ込みようを例えるなら、親馬鹿か猫可愛がりでしょうか。ピカピカに光った愛車を眺めてはニヤニヤ笑い、角度を決めて写真を撮る、など誰もがすることでしょう。
本作で描かれるトミィと愛車シグナスの日常はまさにそれ。
トミィの愛車はYAMAHAの赤いシグナスX-SR。原付よりパワフルで、中型バイクよりは小柄な原付二種のスクーターです。トミィは「武蔵野の赤い風」を自称するほど愛車がお気に入りで、心底惚れ込んでいます。
夏は暑いし冬は寒い。天気の影響は深刻で、風に煽られ、雨に打たれる。ヘルメットを被れば髪型は崩れるし、ライダージャケットやブーツのせいでお洒落の幅も限定されてしまいます。これらは特にバイク女子の悩みの種。
それでもバイク乗りをやめられない、バイク愛が止められない。そういったバイク好きが共感出来る漫画です。原付より格好良くて、中型より可愛いスクーターと共に、トミィが次に繰り出すのは一体どこでしょう?
大事なバイクに大切な思い出を乗せて
女子高生の春日翼は、怪我で柔道を引退してから目標を失っていました。彼女はふと思い立って訪れた亡き祖父の仕事場「エバーグリーン工房」で、祖父の遺したバイクとやり残した仕事を見つけます。
あまりにも美しい祖父の残した大切なもの達。翼は一念発起し、免許を取って祖父のバイクに乗り、残された仕事を引き継ぐ決意をしました。その仕事とは、修理の済んだ大事な依頼品をバイクで届けること――
- 著者
- ["せきはん", "大森しんや"]
- 出版日
- 2016-06-24
本作は2012年からバイク専門誌「RIDE」に不定期連載されていた、せきはん(当時の名義は大森しんや)の作品。連載は未完でしたが、2016年に描き下ろしの最終話を収録した単行本が発売されました。
祖父の遺したバイク「YAMAHA YDS-1」に感銘を受けてバイク乗りになった少女、翼。バイクは持ち主の整備を必要とする乗り物です。YDS-1は発売から50年以上も経た年代物なので、修復には相当の苦労と費用がかかっただろうと想像出来ます。祖父の死後も簡単な点検で動いたことから、よほど丁寧に扱われて、大事にされていたのでしょう。
翼がYDS-1に心動かされたのも、そういった背景を感じ取ったからなのかもしれません。
ただ、いかんせん翼はバイク初心者。免許は取れても、整備のいろはまでは1人で上手く行きません。祖父のやりかけた仕事、依頼品の配達もそうです。
柔道という幼い頃から続けていた「道」を失い、途方に暮れていた翼。見た目は明るく振る舞っていても、心には抱えたものがありました。そんな彼女の変化のきっかけは、祖父の工房で見つけたバイク。翼はバイクを通して様々な人と出会い、教えられ、支えられて成長していくことになります。