食べ方に策あり!
大学生と満太郎の勝負で、錠二は横から満太郎に都度作戦を言います。一度にたくさん口にいれてはいけない、一定の量を定期的に食べ続けること、苦しくなったら最小限の水で流し込むこと……。
開始早々1杯分の差をつけられる満太郎ですが、徐々に相手のペースが落ちてきます。そこでタイミングを見計らった錠二が満太郎にラストスパートの合図を出すのです。
そして結果は見事満太郎の勝利。その場は巨漢の大学生に勝ったサラリーマンの勇姿に湧きあがります。
大食いとはただ食べるだけではなくある程度の準備と計画的な食べ方が重要になってきます。しかも基本的なルールはもちろん、食べ物それぞれにもコツがあるのです。
その戦略的な様子は見ていてなるほどと感心させられるもの。スピード感の裏にあるそんな駆け引きも作品に引き込まれる理由なのです。
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大食いの美学とは?
ある日、満太郎は社長命令で肉マンの大食い対決をすることになります。その相手・横川は大阪出身でたこ焼き100個を5分で食べたという腕前です。
勝負の前に錠二から聞き出した方法で地道に食べる満太郎を横目に、横川は肉まん2個が入った蒸し器を5個もテーブルに並べ、中の餡と外側の皮を別々に分けます。そして餡をかきこんだ後、生地をひとつの更にすべて移し、ポットのお湯をかけてすすり込むのです。
そして一気に10個完食。満太郎はそんな食べ方して美味いのか、俺はその時々で味付けを変えて楽しんで食事していると反論しますが、圧倒的な差をつけられて焦ってしまいます。
もうダメかと思われたその時、座敷にひとりの老人が入ってきて喝を入れるのです。その男は大商社の会長・丹下。彼は横川にこう言います。
「この様に旨い肉マンを……
皮と餡に分け 且つあのような食し方をするとは!!
食材に対する許し難い冒涜!!」
それに対して満太郎には笑顔を向け、こう言うのです。
「あんたは肉マンそのものを崩さず 実に旨そうに食っておったな
食べた肉マンの数では大きく差があるが わしはあんたが勝ちと認める!!」
見た目や味を気にしないで大食いをするというのは見ていて不快感があるもの。本作ではただたくさん食べられればいいという訳ではないということをしっかりと表現しています。
こんな食の美学を崩さないところが万人におすすめしたい理由なのです。
『喰いしん坊!』を読もう!
- 著者
- 土山 しげる
- 出版日
- 2005-09-09
肌で感じられるスピード感、その裏で張り巡らされるの攻略法、そんな仕掛けで読者を引き込み、大食いなのに不快感を感じさせない稀有な作品が『喰いしん坊!』です。
スポーツ漫画やバトル漫画が好きという方にもおすすめしたいスリル満点のグルメ漫画である本作。ぜひその魅力を作品本編で味わってみてください!