孤立無援になった地帯で人面化した動物達と人間の戦いを描いたパニックホラー漫画『ジンメン』。目を引く絵面とホラー漫画の王道ポイントを抑えたストーリーが人気の作品です。今回はそんな本作の魅力をご紹介!ネタバレを含みますのでご注意ください。

- 著者
- カトウ タカヒロ
- 出版日
- 2017-01-12
ジンメンという人間の顔を持った動物たちが知性を持ち、人間に復讐しようと恐ろしい計画を実行して……。
そんな考えるだけで恐ろしい内容、インパクト抜群の絵で読者を引き込む『ジンメン』。しかし恐ろしいのはジンメンたちだけではなく、徐々に彼らが生み出された背景には人間のある思惑があったことが明らかにされていき、そのミステリー要素から見てもどんどん面白くなっていくのです。
ジンメンたちを束ねるブタ園長の目的とは何なのか、そもそも彼らはどうやって生まれたのか、主人公とある研究の関わりとは……。気持ち悪いながらも読む手が止まらない謎が多く仕掛けられています。
今回はそんな本作の魅力と、最新10巻までの見所を徹底紹介!ネタバレを含みますので未読の方はご注意ください。
マサトは昔から人一倍動物に好かれる不思議な少年。一度もといた土地を親の仕事の都合で離れたものの、高校進学を機に不二山のふもとにある町に戻ってきました。
昔から通っていった「不二サファリワールド」にも7年振りに顔を出しますが、そこは以前と異なり、動物達は気が立ち、職員達は暗い顔をしていました。殺気立った雰囲気にマサトは何か異様なものを感じます。
翌日、幼馴染のヒトミとサファリパークの前で待ち合わせるマサト。彼女と朝早くから園内をまわろうと、仲のいい職員・中田に頼んで朝早く入園させてもらうよう手配しておいたのです。
しかし園内には動物も職員もおらず、とても静か。不思議に思っていると遠くから悲鳴が聞こえます。その方角はマサトが幼い頃から仲良くしている象のハナヨの檻。そこでマサトは人面となったハナヨと無残な姿になった新園長を見つけて……。
- 著者
- カトウ タカヒロ
- 出版日
- 2017-03-10
- 著者
- カトウ タカヒロ
- 出版日
- 2017-05-12
- 著者
- カトウ タカヒロ
- 出版日
- 2017-08-10
もともと不二サファリパークで人類の進化に大きく役立ったと言われる顔を動物に与えるためのジンメンを作り出すための実験が行われていたこと、園長は彼らの暴走を予想してジュウメンという、ジンメンの力を持った人間にするための注射の摂取が定期的に行われていたこと、それでもブタ園長が扇動して人間を襲うジンメン集団には敵わなかったこと、ジンメン計画に関わってデザイナーズベビーが量産されていたことなどが明らかになります。
徐々に重要な部分が明かされ、大詰めになってきた感がありますね。
- 著者
- カトウタカヒロ
- 出版日
- 2017-11-10
そんななか、4巻で親友ともいえる存在だったハナヨを失い、傷心中のマサト。しかし彼女から受けとった手紙にサファリパークに解決の糸口があるというメッセージを受け取り、再び始まりの地へと向かいます。
ところがこれからというところで、永長というオネエ飼育員と出会いました。そして彼から自分が研究の一貫であるデザイナーズベビーのひとりだということを突きつけられたマサトは、さらにショックを受けます。
新キャラの永長はオネエ言葉に怪しい見た目の人物。口車もうまく、信用できない人物ではありますが、彼のいる一行は戦車などの武器を持っており、頼りにはなりそうです。マサトたちは永長たちとともにサファリパークへと向かうことにします。
しかしそこにはジュウメンの実験をおこなう途中の失敗作と言われる人間たちが理性を失って彼らを襲ってきます。
しかもその様子を、「動物公国」をつくろうと企み、人間を家畜のようにしようとしている計画の首謀者・ブタ園長が、園内のモニターで楽しげに話しながら見てくるのです。まさに地獄。
しかしどうにか彼の目をすり抜けてマサトたちは本部の中へ潜入することに成功します。そこで見たのはマサトに関する研究報告書で……。
5巻の見所は、マサトの出生やジンメン計画の歴史などの重要事項が徐々に明らかになること、本部にいた「ツチグモ」というジンメンすらも手のつけられないと生物、4巻からの新キャラ・永長の怪しさではないでしょうか。
特に永長については、今後ストーリーで重要な役割を果たしそうです。基本的にマサトたちを利用することしか考えておらず、動物を殺したくないマサトに苛立ちを見せるなど、恐ろしい一面も持っている彼。しかし仲間には優しい面も見せるので、今後の言動を見守りたいですね。
さらに気になるのが、キャップを脱ぐと頭にツノが生えているということ。そのツノと、異様に長い首からキリンのジュウメンかと予想されますが、その力を全面的にマサトたちに捧げてくれるかは怪しいところです。
果たして謎の巨大生物・ツチグモから逃げ切ることはできるのか、ジンメン計画はいつから、誰が行なっていたものなのか、ブタ園長含め、ジンメンたちに勝つことはできるのか?真相が少しずつ明かされてきています!
ツチグモが登場し、万事休すというところで、永長と行動をともにしていた安堂が自らを犠牲にしてその化け物と戦います。しかし彼は地上最強生物を決める仮想の戦いで常に上位に登場する、カバのジンメンでした。
約1トンもの顎の力で攻撃し、体表に出す赤い粘液で攻撃されてもツルツルと避けるなど、ツチグモ相手に立ち回ります……。
- 著者
- カトウ タカヒロ
- 出版日
- 2018-02-09
6巻の見所は、永長たちがどのようにしてサファリパークの従業員、そしてジンメンになったかということと、サファリに行けと遺したハナコの真意が明かされることではないでしょうか。
まず永長たちの過去については、安堂のツチグモとの戦いの際に初めて回想として明かされます。
実はジンメン計画は国が秘密裏に行なっていた実験で、お金のない人々や、組織に関わる者に騙された人々が被験体となっていたものだったのです。それと一緒に永長、安堂、李の3人がなぜこの実験に関わったかも描かれます。
過去の記憶からは、彼らをいいように利用し、このような事態に陥っても何のサポートもしない国への憤りが伝わってきます。
しかし窮地に陥った一行に、ある希望の光が射します。それは内海が5巻でサファリ内の研究施設のPCを調べていた時に発覚した、ある装置の正体。それは「ミズカガミ」という名称で……。
詳しい内容は作品でご覧ください。マサトらがハナコの手紙からその場所を突き止めている時、永田町の総理室では、ブタ園長が首相にある命令をしていたことが明らかになり、ますます目が離せない展開となってきました!
ブタ園長が総理に対して、定期的に食料として人間を配給しろ、という「食民地」計画を持ちかけているなか、マサトたち一行には希望の光が射していました。
彼らはついにミズカガミの装置に行き着くのです。しかし拾った鍵が入りそうな鍵穴を試してみますが、どれも開ききません。拾った鍵は5本で、鍵穴は4つ。しかしどれにも当てはまることはなく、その間にジンメンたちに囲まれてしまいます。
万事休すかと思いきや、マサトがたまたま握った装置の一部分に何かを感じ、鍵を入れてみると、ガコン、という音とともにミズカガミが発動。あたりに水を撒き散らし始めたのです。
それを浴びたジンメンたちは、みな一様に溶け始めます。一行はその間に近くに避難し、騒動が収まるまで、一夜を過ごしたのでした。
- 著者
- カトウ タカヒロ
- 出版日
- 2018-05-11
そして明け方に見たのはあたりで倒れているジンメンたち。ジュウメンにもあの水は効果があったようで、彼らは動物になったまま戻れなくなっていました。
しかしよくよく見ると、ジンメンたちは、本来の動物の姿に戻っただけで、死んではいませんでした。つまり、このミズカガミの水こそが、ジンメンたちを元に戻す、人類存続への救世主だったのです!
そして一行は、残りの装置を発動させるために、行動を開始。富士山にあるとされる「オオカガミ」を目指して歩みを進めるのですが……。
ついに解決のきざしが見えた7巻。しかしマサトたちの行動はもちろんブタ園長もある程度は把握しているでしょうし、その上で政府と交渉しているようにも感じられるので、まだまだ油断はできません。
また、このあとの富士山への道のりも、7巻の見所。今まででも上位に入るであろう強敵が、一行を襲ってくるのです。どんどんキャラたちが死んでいくなかで、主要人物たちも危ういのではないかと手に汗握る展開が続きます。
今までのジンメンとは比べ物にならないほどの圧倒的な存在感を放つ巨大なヘラジカのような生物に出会った一行。彼は自らを「四季族の一人」であるヴィンターだと名乗り、人間を尊敬していると述べます。
そしてその上でどちらが生物ピラミッドの頂点の存在にふさわしいかを見極めたいと、戦いをしかけてくるのです。
そして彼の攻撃のせいで、マサトたちとヒトミたちは2手に別れることになってしまい……。
- 著者
- カトウ タカヒロ
- 出版日
- 2018-08-09
四季族とは、ブタ園長が名付けたもので、支配しきれない存在だからこそ別称で呼んでいるのだそう。さらにあと3匹このような存在がおり、8巻ではそのうちヴィンターを含め2匹が登場します。
そして8巻ではさらにこのジンメン計画について新たなことが判明します。それはこの研究が飛鳥時代よりもさらに前から行われてきたということ。歴史の表舞台には出ないものの、人魚伝説やスフィンクスなどで隠しきれなかったその証拠が出ているのです。
研究は日本が島国で外からの攻撃が少なかったことから正確に残されており、その中心となっていた一族が、マサトを作った彼の父親の血族、神宮家でした。そしてこの研究の目的というのが……。
重要な内容が明らかになった8巻。ヘラジカによって突きつけられた現実が、終盤になってまたしてもブタ園長からマサトに問われます。人類の命運を握った決断を、彼はどうするのでしょうか?
また、今後の希望となりそうなオオカガミがある場所についてもまさかの展開があり、ますますこれからどうなるかが目が離せません!ストーリーがクライマックスに近づいているのが感じられる内容です!
ブタ園長から、人間と動物のどちらを助けるかという選択を迫られたマサト。何度も両方を救うのだという決意を見せますが、どちらか一方だけだということを、仲間への攻撃によって思い知らされます。
それでもなおその意思を崩さないマサトに、ブタ園長は四季族のヘルブストを差し向けます。実は彼女は人間に幾度となく裏切られた経験からマサトとハナヨの関係を妬ましく思っており……。
- 著者
- カトウ タカヒロ
- 出版日
- 2018-11-12
ブタ園長からヘルブストとの戦いのなかで知らされたのは、マサトには自分の意のままに動物を操ることができる能力があるということでした。それゆえに、今までのハナヨなどの動物との絆も、自分が相手に従うように働きかけてきたからだと告げられるのです。
自分の過去が否定され、揺らぐマサト。しかし、それを止めたのは、彼の覚醒を促す任務を背負わされていた中田でした。幼い頃からマサトを見ていた彼は、本当にマサトが望むのは、やはり動物と人間の共存なのだと気づかせるのです。
しかし、そこからどんどん新たな展開がなされていきます。どうにか自分の役割を自覚したものの、その能力が寿命を使っていることを知ったマサトは、不安を抱きながら戦うことに。
しかもそこに現れた新たな四季族の一員は、マサトに従うことのない者だったのです。さらにブタ園長の背後についている人間らしき人物、マサト一行に潜んでいた園長の内通者、マサトを本当に思っているものの何かを隠している様子の中田……。未だに実態が見えません。核心に近づきながらも全容が見えない展開に引き込まれていきます。
戦いはどんどん激しくなり、ついにマサトたちは巨大蛇のフリューリングに苦しめられます。永長が彼らをどうにか守りますが、やはり実力の差は圧倒的。これまでか、と思われたところに、ついに豚えんちょー本人が現れます。
そしてついにすぐそこはオオカガミだと明かすのですが……。
- 著者
- カトウ タカヒロ
- 出版日
豚えんちょーは、やはりあくまでマサトを新たな王国の神として崇められる対象にしたいよう。しかしもちろんマサトはいいと言えません。
それを聞いたえんちょーは、周囲の人間を危険に晒し、それを助けたければこちらにつけ、と脅しをかけてきます。ここまでずっと窮地にしか立たされなかった、マサトたち。もはやここまでかと思われた時、現れたのは、意外な獣でした。
5巻では、その新たな助っ人がマサトたちに加勢します。しかし、それでもえんちょー側は強く、マサトたちはまた新たな犠牲を出すことになってしましました。
彼らの思いが読者にまで伝わってきて、さらに実力の差も圧倒的なので、どうにかこの場を乗り越えられたのに、希望の光が見えない様子に苦しくなってきます。
また、4巻から明かされていた、えんちょー側についている人間の存在も気になります。果たしてその人物は何が目的なのでしょうか?
- 著者
- カトウ タカヒロ
- 出版日
- 2017-01-12
徐々に明らかになる展開で読めば読むほどに読者を引き込ませる『ジンメン』。11巻ではどんな展開になるのか、今から楽しみです!
パニックホラー展開の妙と、動物と人間の関係性について考えさせられる本作の魅力を、ぜひ作品本編でご体感ください!そのキモグロい、でも読まずにはいられない魅力にやみつきになること間違いなしです!