5位:高校生のリアルな気持ち『プリンシパル』
高校生の住友糸真(すみともしま)は、母と母の4人目のパートナーとの折り合いがつかず、そのうえ学校では些細なことから友達に無視されるようになってしまい、そんな生活から逃げるように、10年前に別れた実父のもとへ引き取られることになりました。
実父のいる北海道に引っ越してきた糸真は、転校初日にいきなり、館林弦(たてばやしげん)という少年に絡まれます。思わず言い返した糸真でしたが、それがきっかけでクラスに馴染むことができます。その後、ご近所であることがわかった弦と、その幼馴染の桜井和央(さくらいわお)と知り合いになった糸真でしたが、女子から人気の高い2人と一緒にいると、また友達からハブられてしまうと恐れるようになり……。
- 著者
- いくえみ 綾
- 出版日
- 2011-05-25
少女向け漫画雑誌「Cookie」で2010年から2013年に渡り連載されていた作品で、コミックスは全部で7巻発売されています。2018年には本作を原作とした映画が公開される予定(2017年5月現在)であり、連載終了後も人気の続いている作品です。
主人公の糸真は、母やそのパートナーとの生活や、些細なことから友達から無視されてしまうなどといったことが重なり、逃げるように北海道へとやってきます。そんな事情もあり、糸真は新しい学校では波風立てずみんなと仲良くやっていきたいと強く思っているのですが、学内でも女子人気の高い和央と弦と、家が近所であることもあって学外で話していたところを見られてしまい、再び人間関係がうまくいかなくなってしまいます。
それほど女子に影響を与える和央と弦ですが、2人は幼馴染です。和央は体が弱く、どこか中性的な容姿をしていることもあり、幼い頃の弦が和央のことを女の子だと思っていたほどでした。
メインとなる糸真と和央、弦の3人を中心に繰り広げられる人間関係やキャラクターの心情がとてもリアルに描かれています。またその表現方法も台詞だけでなく、背景などを含めた絵柄全体でされているのも特徴の1つです。
糸真が転校してきたばかりの頃は仲良くしてくれていた女の子が、和央や弦と交流する糸真を妬ましく思い嫌がらせを始める場面などは、自分勝手な行為だと思う一方で、本当にあり得るエピソードだと思わせられる辺りも、リアルな心情描写ゆえでしょう。
ストーリー自体はそれほど複雑なものではありませんが、糸真達高校生の恋愛だけでなく、糸真の父と和央の母との大人の恋愛エピソードもあり、飽きることがありません。リアルであるがゆえに派手な展開ではなくてもハラハラさせながら読ませてくれる作品です。糸真達がどのように成長していくのか、ぜひ手に取って確認してみてください。
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4位:滅びた世界のメンヘラ女子『あげくの果てのカノン』
雨の降り続ける街で、高月かのんは地上のパティスリーで働いています。ある日、同僚の女の子が、店の常連客で有名人でもある境宗介が特集されている雑誌を持ってきます。その場では興味のないふりをするかのんでしたが、実は境とは8年ぶりに再会した仲で、かのんがずっと想いを寄せている相手でした。
かのんは、境の特集記事を切り抜いたり会話を録音したりと、その想いをやや暴走させつつも、既婚者である境に自分の気持ちを気が付かれないように必死に隠していたのですが……。
- 著者
- 米代 恭
- 出版日
- 2016-06-10
青年向け漫画雑誌「月刊!スピリッツ」に2015年より連載されている作品です(2017年5月現在)。舞台は異星人の襲来を受けている東京で、そのために都市部は崩壊し、雨が降り止まないようになっており、生き残った住民達は地上と地下で生活をするようになっていました。
主人公のかのんは地上に暮らす1人です。メンヘラ体質の23歳で、高校時代に片思いしていた宗介に会いたいがために、彼の行動範囲内にあるパティスリーで働いています。思惑通りに宗介と再会したかのんは、既に結婚している宗介とは一線を置いて接していたものの、彼との会話を録音したり、特集記事の写真を切り抜いて保存しておくなど、ストーカーのような好意を寄せていることに変わりはありませんでした。
一方、かのんの先輩で地下に暮らす宗介は、異星人の対抗組織であるSLC(異星生物対策委員会)の特殊部隊リーダーをしている男で、雑誌で特集を組まれるほど有名なヒーローです。物腰も柔らかく、多くのファンを持っている男でした。
舞台設定が独特で、そこで繰り広げられていく恋愛模様は読み進めれば進めるほど、ハマってしまう方も多いのではないでしょうか。主人公はメンヘラでストーカーという設定があるので、読む前はどんな病んだキャラクターなんだろうと思いますが、いざ読んでみると意外なほど好感を持つことができます。それは、かのんが相手に危害を加えたり不幸を願ったりしない女性だからかもしれません。
また、廃退した東京で起きていることが、ストーリーが進むにつれて解き明かされていく辺りもおもしろく読むことができます。SFの世界観が好きな方や、普通の恋愛漫画だけでは物足りないという方にもオススメできる作品です。
3位:ノリが楽しい笑える少女漫画『ヒロイン失格』
高校生の松崎はとりは幼馴染の寺坂利太のことが大好きですが、利太は彼女のいない時期はないというほどモテるタイプでした。しかし、利太は1週間で彼女と別れるなどあまり深い付き合いをするタイプではなかったため、はとりは自分こそが、最後は利太に選ばれるヒロインなのだと思って疑うことはありません。
しかし、利太が付き合うことになった新しい彼女の安達未帆(あだちみほ)は、今までの女の子とは全く違う地味なタイプの女の子でした。最初のうちは、どうせまた本気の付き合いではないだろうと安心していたはとりでしたが、安達さんと話す利太が今までとは違うことに気が付き……!?
- 著者
- 幸田 もも子
- 出版日
- 2010-08-25
少女向け漫画雑誌「別冊マーガレット」に連載されていた作品で、2012年には講談社漫画賞にノミネート、2015年には実写映画化、他にもノベライズ版が発売されるなど、評価と人気を兼ね合わせた作品です。
主人公の松崎はとりは、幼馴染の利太へ一途に片想いをしていますが、利太がどんなに他の女の子と付き合おうとも、その想いを彼に伝えることはありません。なぜなら、その想いを伝えなくても、利太と結ばれるのは自分だと根拠のない自信を持っているからです。自分こそが利太のヒロインでそれ以外の女の子は全員脇役だと考えているなど、かなりメルヘンチックな性格をしています。
そんなはとりが想いを寄せる利太は、過去の経験から本気で人を好きになることができず、そのため付き合って1週間で別れるなどいい加減な交際しかしません。それでも恵まれた容姿もあり、女子からの人気は減ることはありませんが、そんな中で、これまで付き合ってきた女の子とはまったく違う地味なタイプの安達さんと付き合うことで、少しずつ変わっていきます。
タイトルにもある通り、主人公であるはとりが物語の最初からヒロインになり損ねてしまいます。自意識過剰な部分があるはとりですが、利太のことを一途に思ったり自分を変えようと行動する辺りは、少女漫画のキャラクターとして好感を持つことができるでしょう。
また、全体的にはとりの扱いがコメディに近く、少女漫画のヒロインなのに事あるごとに変顔を描かれ、笑いを誘ってくれます。主人公がそういった風なので、物語全体も少女漫画の王道は守りつつも変にドロドロし過ぎることがなく、楽しいノリで読み進めることができます。恋愛漫画は読みたいけど、ヤキモキしたりドロドロしたりするものより楽しい物語を読みたいという方は、ぜひ手に取ってみてください。
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