5位:必ず迎えに来てくれるって信じています『殉愛のリリス』
『殉愛のリリス』は、記憶をなくした少女・リリスが、唯一憶えている兄を探すために、日本にある七夜月マリア学園に転入するところから展開するダークなラブストーリーです。
謎多き学園の生徒会を舞台に繰り広げられるミステリアスな純愛模様を、『社長とあんあん』で話題の佐々木柚奈による繊細な絵柄で描き出しています。
- 著者
- 佐々木 柚奈
- 出版日
- 2011-12-26
何にでも素直に反応する純真で無垢なリリスは、兄のこと以外は一切の記憶がないゆえに、不安を抱きながら学園生活を送っていますが、兄にそっくりな男・刹那と次第に惹かれあうようになります。
さらに、学園の創立以来ずっと空席で、呪われているといわれる「生徒会長」に任命されたリリスの運命は……?という先の読めない展開からも目が離せません。
また、謎多きマリア学園の生徒会では、裏で何やら秘密のショータイムが行われているのですが、そのショータイムがいかがわしいのなんのって。なかなかきわどくエッチな描写や、少女漫画なのに男性同志の性的なシーンが描かれるなどBL要素も満載です。
さらに、2つの「顔」を持つ歌姫や、呪術を使う少年などあやしげなメンバーも登場し、物語に彩りを添えてくれます。
ミステリアスな雰囲気中で、順調に愛を育むリリスと刹那は、普通の高校生カップルと同じような雰囲気を漂わせている、というコントラストも抜群です。
果たして、2人の恋の行く末には何が待ち受けているのか、リリスは記憶を取り戻し、兄に出会うことができるのか、ラストまでドキドキしながら読み進めることができますよ。
4位:ダメダメだったけど、あなたのために変わります!『一筆入婚』
『Heart』『裸足のアイツ』『おしり愛』など多数の代表作を有する高田りえが描き出す、ドタバタラブコメディを存分に楽しめるのが『一筆入婚』です。
優しい書道家の彼・おーたんこと宰王とラブラブな主人公・蓮花(れんげ)は、会社を寿退社する予定で結婚準備を進めていたのですが、ある時おーたんが事故に遭って、記憶喪失に……なったばかりか性格まで変わっちゃった!という展開は、まるで2人の男性との違ったラブストーリーのようで、読み応え抜群です。
- 著者
- 高田りえ
- 出版日
- 2011-07-05
記憶をなくして「オレ様」になってしまったおーたんが、「この女のどこがいいんだろう」と疑問に思うところが印象的な作品です。甘やかしてくれるおーたんと甘々な性格の蓮花の恋が、前途多難なものになってしまったところから、どうやって結婚まで進むのかを軸にストーリーが展開していきます。
優しい、というよりも蓮花を甘やかしていたおーたんですが、その優しさにあぐらをかいて自分自身を甘やかしていた蓮花が、おーたんの記憶喪失をきっかけにして、自分を見つめ直し、悪いところを改善していこうとする心意気を見せるシーンも見どころです。
記憶を取り戻そうとやっきになって奮闘する姿も健気ですが、健気で可愛いだけでなく、ギャグ要素もたっぷり込められているので、重いテーマでも気負わずに読み進めることができます。
一時は記憶のもどったおーたんですが、またまた「オレ様」に逆戻りしたり、衝撃の告白があったり……と最後まで気を抜けない展開は読み応え充分。
肩肘張らずに気軽に楽しめて、すれ違う心にちょっぴりせつなくなる1冊、おすすめですよ。
3位:わたしの名前は……『青山月子です!』
『藤代さん系。』で人気の湯木のじんが描き出す『青山月子です!』は、せつなくってキュンとして、でも随所でクスリと笑える王道の恋愛漫画です。
高校入学時に事故に遭い、目が覚めたら自分の名前以外はわからなくなっていて……、という記憶喪失のお話ですが、特長的なのは、主人公の月子が「記憶がなくなる前の月子になろう」と前向きに奮闘している姿でしょう。
月子が、以前の月子と同じように振る舞おうと頑張っていると、季節外れの転校生として加賀美という男子生徒がやってくるところから物語はスタートします。
- 著者
- 湯木 のじん
- 出版日
- 2015-02-25
明るくてポジティブで、みんなに愛されていた「月子さん」に少しでも近づきたい一心で、時にクラスメイトから「変人」扱いされてしまう月子。
「あこがれてるんです 私も月子さんのようになりたいんです」と、一生懸命な月子ですが、心意気とはうらはらに、無表情・棒読み・空気を読まないタイミング、など行動が裏目に出るばかりで、周囲との距離が遠ざかっているという現状が何ともせつないです。
そんな状況にもめげずにひたむきな月子ですが、「青山月子がどんな人か知るほど、自分が誰なのか分からなくなる」と不安な気持ちも描写されていて、決してただ鈍感なだけでない月子の人間味あふれる部分が垣間見えます。
だからこそ、月子が「月子さん」になろうとするのを応援したくなるんですよね。
そんな月子を放っておけないのが、転校生の加賀美くんです。ごく普通の男子高校生である加賀美くんですが、1人でいるところを友達になろうと月子に付きまとわれているうちに、本当に友達になってしまって、しかも月子に恋をしてしまいます。好きな子を放っておけない加賀美くんの胸の内にキュンとしてしまいますよ。
だんだん加賀美くんを意識しだすと同時に、月子が「記憶がなくても、今のままの自分でいたい」と思うようになるシーンも、せつない感情があらわになっていて、見どころの1つです。
2人の淡くてせつない恋の行方、月子の記憶の行方、家族や友人との関係など、目が離せない内容がてんこ盛りな本作。ぜひ、1度手に取ってみてください。