千駄木のレトロなカフェで「ダメ人間」をテーマにした読書会があった。主催者が「目標から逆算した人生」的な意識高い系イベントに反発して企画したらしい。そこでダメだけどクズじゃない男たちの物語をいくつか聞いた(もしかしたら、「クズ」も混じってるのかもしれないけれど)。 その中から「無敵の女」が登場する話だけを紹介する。なぜか「無頼派作家の遺作」が2つあるが、偶然だ。

主人公の名前はニック・ビレーン。55歳のデブで醜男(ブオトコ)。ウォッカ(と日本酒とスコッチ)と競馬をこよなく愛し、セクシーな女に弱い自称「とびっきりの腕利き」だ。曰く「俺はいつだって女の脚に目がないのだ。生まれてまず見たのも女の脚だった。まああのときは、そこから出ようとしてたわけだけど。」
- 著者
- チャールズ ブコウスキー
- 出版日
戦前(1936年)の人気小説が昨年なぜか再版された。
- 著者
- 獅子 文六
- 出版日
- 2015-12-09
「小景」が高度成長期の時代と世界を切り取る。中学時代、国語教師の「庄野潤三の日常を描く作品は超常的な中島敦より文学的に優る」と言う発言に山月記ファンだった私は反発した。だが、どうも国語教師は正しかったかもしれない。
- 著者
- 庄野 潤三
- 出版日
- 1965-03-01
絶世の美女にして怪力のキヌコさんの職業は闇屋相手の「担ぎ屋」。戦後のどさくさに紛れて派手に稼いだ二枚目気取りの主人公は、女たちと手を切るために彼女の力(美貌)を借りようとする。ところが彼女はとてつもない大食漢で金に汚い。二枚目氏は思うように金を奪われ翻弄される。彼女が象徴するものは何?
- 著者
- 太宰 治
- 出版日
「ダメ」は判断の元になる「水準」の存在を前提とする。世の中に「水準」は満ち溢れているのでダメも無限にある。本人の自覚、ましてや真実とは関係ない。分かりやすく言えば普遍的にダメな人間など存在しない。男は世間水準から逃れられず「ダメ男」に追い込まれる。無敵な女たちには関係ない話である。