3位:チョコレート=犯罪の世界をひっくり返す奮闘劇!
原作はイギリスの人気作家、アレックス・シアラー。それが山川あいじによってコミカライズされ、同時に映画化もされました。
舞台はとある国、とある時代とあやふやですが、ある日甘いもの好きの人にとっては信じられない法案が可決されます。それが「チョコレート禁止法」。チョコレートを食べることだけでなく、作ったり所有するだけで犯罪になってしまうのです!
- 著者
- ["山川 あいじ", "アレックス・シアラー"]
- 出版日
- 2008-10-24
選挙で当選した「健全健康党」によって発令された「チョコレート禁止法」は、国民の健康のためと言われています。しかしチョコレートだけでなく甘いもの全般が禁止になり、代わりに支給されるお菓子もとにかくマズイ!
主人公は、この最悪な法律に抗うことを決めたハントリーとスマッジャーという2人の少年。チョコレートが大好きな2人はチョコレートを密造し、地下チョコバーを開くことにしました。好きなものを食べるという自由を勝ち取るため、ハントリーとスマッジャーは戦います。
選挙に行くのをサボる大人が多いため、抜け道をぬけるように当選してしまった政党。その政党のせいで「甘いもの」という楽しみがなくなり、生きづらくなってしまった世界……。そんな世界を変えるのは勇敢な子供達なのです。聞いているだけでワクワクする設定ですね!
勇敢な2人の少年とそれに協力する仲間や大人たち……最初は見つからないようにチョコレートを食べられる場所を作るだけでしたが、その活動がやがて「政府」と「チョコレート警察」を相手取り、世の中を変えていくという様子が描かれます。
法律や政府に逆らうなんて決断ができるのも子供だからこそ。好きなものは好き、ダメなものはダメだとハッキリしているのが彼らの強さです。子供の持つ純粋さと力強さ。さらにそれを支えてくれる大人たちもちゃんといて、政府とのバトルは面白みを増していきます。
小説が原作、映画化もされたものですが、こちらは1巻で完結。山川あいじ作品はゆったりとした空気感が特徴ですが、このお話は長い原作を1冊にまとめたもののため流れが早い!しかし、そのテンポが軽快でむしろ気持ちいい疾走感を感じさせてくれます。
「変な法案を強制される」というシリアスなテーマなのに、チョコレートが題材だからなのか気分は重くならず読めます。魅力的なキャラたちとテンポよくすすんでいくストーリーで物語に入りやすく、一気に読んでしまうこと間違いなし!
2位:家族愛+恋愛で2倍あたたかくなれる優しいストーリー
幼い頃に母親を亡くし、義理の父親である誠司と暮らす葉瑠。ずっと一緒に暮らしてきたものの、血はつながっていない親子の絆をテーマに描かれます。
高校入学を控えた中学三年生の葉瑠は、誠司の祖父のお葬式へと出席。それをきっかけに、自分の置かれている環境を改めて考え始めるところからストーリーは始まっていきます。
- 著者
- 山川 あいじ
- 出版日
- 2011-04-25
自分に正直な葉瑠。優しくされたら優しくする、伝えたいことは言葉で伝える、としっかりした芯の強さを持っています。それはきっと誠司にちゃんと寄り添われ育てられた証。しかし「母親が亡くなってから、自分には誠司がいたけれど誠司を包んでくれる人はこの10数年いなかった」と考えはじめます。
少女漫画とはほとんど恋愛を中心に描かれるものですが、この作品では誠司との「家族」としての絆がメインに描かれます。2人は血はつながっていないものの、葉瑠にとっての「大好きな母親」であり誠司にとっての「愛した妻」という共通する一人の女性への思いがあるからか、2人は本当の親子よりも親子らしいのです。
しかしもちろん恋愛要素も入ってきます。誠司の大学の先輩でありシングルマザーの千絵とその息子の永和、そして長らく会っていなかった葉瑠の幼馴染、凡太との出会い。誰が誰に想いを抱いているのか、家族と恋愛が絡み合いながらゆっくりと進んでいく皆の関係は要注目です。
誠司との関係を考える葉瑠の心情がメインに描かれているため、ふわっとしたストーリーの進み方。しかし、そんなたストーリーに山川あいじのやわらかい絵がぴったりマッチしていて、飲み込みやすい作品です。ぱっと変わる葉瑠の表情がとにかく可愛く、葉瑠を見る誠司の目もあたたかい。終始優しい雰囲気が流れます。
1位:河原和音×山川あいじのコラボレーション
『高校デビュー』や『青空エール』の著者、そして『俺物語!』の原作も担当した人気漫画家・原作家の河原和音と山川あいじがタッグを組んだ大人気作です。
物語の中心となるのは大人しく地味な英子と、人目を惹くほどの美少女もえという2人の女の子。タイプは全く違いますが、2人の関係はまさに「親友」。女の固い友情と恋愛をテーマに描かれます。
- 著者
- 山川 あいじ
- 出版日
- 2010-10-25
可愛いということでよくも悪くも特別扱いされてきたもえは、自分のことを嫌いでした。そんなもえの心を助けてくれたのが英子で、それからずっと一緒に居る2人の友情は固いもの。それが恋愛にも影響していきます。
その美貌ゆえにたくさんの男子から告白を受けるもえ。しかしもえが出すのは、「私と付き合うのなら英子とも一緒にいることになる。私より英子を大切にすること」という変わった条件でした。
それほど友情に強い思いを持つもえと英子、さらにこの条件を飲んだ土田という男の子とその親友の鳴神という男の子。この4人を中心にストーリーは展開。1冊の中に「友達のはなし」「友達のはなし 2nd」「友達のはなし Final」が収録されており、それぞれ英子目線・鳴神目線・もえ目線で話がすすんでいきます。
違った3人の目線で描かれることでそれぞれのキャラクターを理解することができ、より共感できる話になっているのが特徴。4人全員に悩みや葛藤・強い想いがあって、それがひしひしと伝わってきます。
恋愛が中心に描かれることの多い少女漫画にしては、珍しく恋愛<友情が中心。いつも一緒に居る友人に彼氏・彼女ができると、嬉しい反面寂しい気持ちがあるのは多くの人が共感できることではないでしょうか。そんな葛藤や、それでも友人の恋愛を応援したいという優しい友情……。
登場人物がみんなさわやかで優しく、甘酸っぱい友情&恋愛ストーリーにまとめられています。人気少女漫画家2人、それぞれの魅力が存分に詰め込まれた作品。是非読んでほしいオススメの一作です!