湘北高校バスケットボール部、栄光の軌跡!『SLAM DUNK』
主人公の桜木花道は髪を赤く染めた見るからに不良少年。神奈川県立湘北高校に入学した彼は、その高身長を見込まれて、赤木晴子からバスケ部への入部を勧められます。晴子はバスケ部主将の妹でした。中学3年間で女子に振られ続けていた花道は、晴子目当てに入部を決めます。
湘北高校バスケ部は、名将安西光義が指導していながら、選手に恵まれず弱小チームでした。花道と共に、中学バスケでスタープレイヤーだった流川楓も入部。有望な選手が加わったことで、主将赤木剛憲を筆頭にしたバスケ部は俄然盛り上がりを見せていきます。
- 著者
- 井上 雄彦
- 出版日
本作は1990年から1996年にかけて連載された井上雄彦の作品。当時バスケットボールはあまりメジャーとは言えませんでしたが、本作の影響で一気に知名度があがりました。1994年小学館漫画賞少年部門受賞、2006年に行われた文化庁メディア芸術祭日本のメディア芸術100選ではマンガ部門で1位に選ばれました。
花道は身体能力こそ抜群ですが、バスケはずぶの素人。プライドだけは人一倍で、すでに中学バスケで鳴らした流川相手に敵愾心満々です。晴子目当てに始めたバスケでしたが、基礎の基礎から教えられていくうちに、初めて真剣に取り組むものとして花道はどんどんバスケにはまっていきます。
本作の見所はやはりスターティングメンバーが勢揃いしてからでしょう。主将赤木、スパールーキー流川、エースガード宮城リョータ、天才シューター三井寿、そしてド素人花道。実績なし、協調性なし、バスケの情熱あり。問題児だらけの湘北高校バスケ部が怒濤の旋風を巻き起こします。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ……?」(『SLAM DUNK』より引用)
熱い展開もさることながら、名言も多数登場。特に湘北を支える安西先生にまつわるエピソードには心を打つ台詞が多いです。
個人的に最も感動したものを1つあげるならば、バスケットが好きか? と問われて返した花道の「大好きです」という言葉でしょうか。この台詞は劇中で2度出てきますが、1度目と2度目では言葉の重みが違います。2度目に当たる終盤のシーンでは感極まること請け合いです。
劇的な展開の後、「第一部完」で終わってしまった本作。いつか続編が描かれる日が来るのでしょうか。
盤上に光り輝く神の一手。『ヒカルの碁』
小学生の進藤ヒカルがある日、祖父の蔵でお宝を漁っていると、そこで古い碁盤を見つけます。碁盤には藤原佐為と名乗る平安時代の棋士の霊が宿っていました。江戸時代には本因坊秀策に取り憑いていたと語る佐為は、困惑するヒカルを説得して囲碁に取り組ませようとします。
佐為が落ち込むと釣られて気分の悪くなる体質になったヒカルは、彼に請われるがまま囲碁好きの祖父や囲碁教室に顔を出しては、囲碁を打つようになります。そしてたまたま訪れた碁会所で、ヒカルは自分と同年代の少年と出会いました。塔矢アキラ。現役最強棋士を父に持ったこの若き天才との出会いが、ヒカルの囲碁の道に大きく影響するようになります。
- 著者
- ほった ゆみ
- 出版日
ほったゆみ原作、小畑健作画で、1999年から2003年にかけて連載された作品です。2000年に小学館漫画賞、2003年に手塚治虫文化賞新生賞を受賞。囲碁を題材にした異色作として注目され、一大囲碁ブームを巻き起こしました。若年層への囲碁普及に貢献し、この作品をきっかけとしてプロになった棋士もいるほどです。
囲碁というと将棋に並ぶ伝統的ボードゲームですが、一般的には将棋ほどルールが知られていないのではないでしょうか。簡単に説明すると、囲碁とは格子状の碁盤の目へ交互に碁石を置いて、相手より広い面積を確保するという一種の陣取りゲームです。
ヒカルは初め、取り憑いた佐為を邪険に扱い、仕方なく付き合っているだけでした。それが少しずつ囲碁の世界に触れるにつれ、ヒカルは佐為のためではなく、自分のために碁を打つように変化していきます。
本作が異色とされるのは、囲碁を題材にしただけでなく、囲碁とそれにまつわる人間関係のストーリー以外を排除したことが挙げられるでしょう。少年ジャンプというと、王道バトル要素が入りがちですが、本作では徹底して囲碁の静かなる知能戦が繰り広げられます。
中学に進級したヒカルは囲碁部に入部します。当初佐為を通してだけ接していたヒカルの囲碁の世界に、囲碁部の仲間が加わります。彼らと一致協力して挑む中学生大会の団体戦、そこでのアキラとの再戦……。
様々な出来事を経験し、力量を上げて才能を開花させるヒカル。佐為の助言を離れて、自ら歩み出すその姿に感動せずにはいられません。本作はジャンプとしては異色作とされていますが、その根底にはジャンプの三大要素「友情」「努力」「勝利」がしっかり込められており、異色でありながらジャンプ王道漫画でもあるという非常に希有な作品です。
走れ勇者よ!紋章輝く時、伝説の力が解き放たれる!『Dragon quest―ダイの大冒険』
かつて、魔王を打ち倒した勇者達がいました。十数年後、平和が戻った世界に「怪物島」と呼ばれるデルムリン島がありました。そこは魔王の支配から解放されたモンスターの楽園。島唯一の人間のダイは、勇者に憧れる少年です。希少モンスターを狙う悪人の撃退、パプニカ王国のレオナ姫の窮地を救ったことで、彼の実力が徐々に知られるようになります。
ある日、島のモンスター達が突然凶暴化し始めました。それは魔王の復活を意味しました。育ての親である鬼面道士ブラスにも異変が及び、狼狽えるダイ。そこへ、勇者の家庭教師アバンと弟子のポップがやって来ます。彼らはパプニカ王の要請で、復活した魔王に対抗する勇者を育成するために派遣されたのです。ここからダイの冒険の始まります。
- 著者
- 三条 陸 稲田 浩司 堀井 雄二
- 出版日
本作は1989年から1996年にかけて連載された三条陸原作、稲田浩二作画の作品です。世界的人気RPG『ドラゴンクエスト』の設定をベースにしており、ストーリー的な繋がりはありませんが、一部を除いた魔法やアイテム名などがゲームに準拠しています。本作のヒットによってゲーム側に逆輸入された技や魔法などもあります。
話は主人公ダイ、そしてもう1人の主人公と言えるポップ、2人を中心に展開されます。2人は勇者の家庭教師で、かつての魔王を打ち破った元勇者アバンの死を乗り越え、肉体的にも精神的にも力強く成長していきます。
勇者とは勇気ある者のこと。当初、勇気をもって果敢に戦うのはダイの役目で、ポップはへっぴり腰で逃げ惑うだけでしたが、2人で冒険し、数々の修羅場を経ることでポップは徐々にダイに影響されて、逞しくなります。
これは特別な存在であるダイより、より人間的なポップの成長の落差を描いた方が読者の共感を得やすいと考えたためのようです。保身に走る弱気な魔法使いが、最終的に勇者パーティの支柱となる展開には涙を禁じ得ません。
そして彼らに感化されて、打倒魔王軍に立ち上がる仲間達の頼もしさ。勇者の前に立ち塞がる強大な魔王軍。何年経っても色褪せない面白さと感動があります。